ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

全世界で大ヒットを記録した歯ごたえあるアクションパズルゲーム「ロードランナー」

パッケージは、テープ版はカセットテープサイズの大きさでした。FD版は、5インチディスクが入る大きさの正方形でした。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回は、日本ではシステムソフトなどから発売された世界的名作「ロードランナー」を取り上げます。

 システムソフトと言えば、1983年当時は「珊瑚海海戦」や「選挙」といったシミュレーションゲームの印象が強いソフトハウスでした。しかし、83年も終わりが近づく頃になると、ブローダーバンド社のゲームを発売しますという広告を掲載し始め、その第1弾として登場したのが「ロードランナー」でした。

この時期のシステムソフトは、このような感じの地味目な広告を掲載していました。この広告では、ロードランナーの面白さはイマイチ伝わらない気がします(笑)。

 オリジナルはAppleII版ですが、83年末から84年にかけて国産機種に次々と移植され、中毒者続出という大変な人気を呼んだソフトとなりました。ゲームのルールは誰もが知っていると思いますが、金塊をすべて回収し最上段にたどり着ければクリアとなり、その途中の手順は自由ということ。そして、150ものステージが用意されている点、さらにはエディットモードでステージを自由にクリエイト出来たことが、その人気の秘訣だったと思います。

こちらは、ソフトプロから発売されたロードランナーのパッケージです。これはFM-7版で、このほかにSONYから発売されたSMC-777版やMSX版などのほか、数多くのパソコンに移植されています。

 PC-8001mkII用テープ版では、一度に遊べるのは10ステージで、次の10面をプレイするにはメニューから逐一ロードする必用があったのが一手間でした。そのメニューからは、スピードの調整や残機(人?)を増やしたりといった設定も簡単に行えたので、夜中に親の目を盗んでプレイしまくったものです。

PC-8001mkII用やPC-6001用のテープ版は、ロード時に少し凝ったエフェクトを伴ってタイトルなどが表示されます。ちょっとしたことですが、長いロード時間を紛らわす楽しみが入っていると、それだけでゲームも期待できたものでした。

 なお、機種によってはオリジナル版と異なるステージサイズになっているものもありますが、筆者が遊んだPC-8001mkII版は幸いにして同サイズでした。ただし、金塊がどう見ても白地に赤線が引かれた“タル”にしか見えないという、悲しい部分がありますが……。

PC-8001mkII版は色数の制限があるので金塊が金塊に見えませんが、プレイヤーや敵ロボット、穴を掘るといった動きの滑らかさには驚かされたものです。
FM-7版のロードランナーは金塊が金色になっていて、PC-8001mkII版と比べても鮮やかな色です。ただし、オリジナル版と比べてブロック数は横が2つ、縦が1つ分少ないです。

 この後、特定の機種向けには「チャンピオンシップロードランナー」や「保存版ロードランナー」などがリリースされたほか、ゲームセンターでも遊べるようになるなど、大ブームを巻き起こしました。お約束と言うべきか、似たような作品もいくつか登場しています。これもひとえに、「ロードランナー」という作品がいかに凄かったのかを示していると思います。