ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち
デカキャラとの戦いが3Dアクションで展開された呉ソフトウェア工房の「アルゴー」
2018年3月20日 06:05
当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、呉ソフトウェア工房初の自社販売ソフト「アルゴー」を取り上げます。
今では「業界最年長プログラマ」や「ゴチャキャラシステムの生みの親」といったトピックで語られる呉英二氏が、自社から販売した初のタイトルが、この「アルゴー」です。呉氏の作品は、本作発売以前には「ぽんこつ船サバイバル」などが電波新聞社の雑誌「マイコン」に掲載・発売されたほか、マイコンソフトからは「ゼノン」「ガンマー5」が、BPSから「超次元戦士エプシロン3」がリリースされていました。また、X1への「ブラックオニキス」移植も手がけています。
そんな呉氏が呉ソフトウェア工房から発売した「アルゴー」は、ギリシャ神話の“アルゴ探検隊”を題材とした作品で、通常はオーソドックスな3DダンジョンRPGとして進行します。敵とエンカウントするとコマンドバトルが展開されますが、要所で遭遇するデカキャラとの戦闘は画面奥に巨大な敵が表示され、そこへ向かい主人公が進むと徐々に小さく表示されるという仕組みが採用されていました。このおかげで、デカキャラのビッグなスケール感が上手に表現されています。
また、このときの戦闘はアクションとなり、敵の猛攻を避けつつ近づき攻撃するとダメージを与えられる、またはスペースキーで剣を振りタイミング良くアタック出来ればHPを減らすことが出来たというシステムでした。
他にも、移動しているとお腹が空くので食料を定期的に食べないといけなかったり、経験値が溜まっても女神を呼び出さない限りはレベルを上げてもらえない、お店でニセモノが販売されているなど、ちょっと変わったシステムも盛り込まれていました。もっとも、ゲームスタート時の場所から体力を回復してくれる魔導師の家を探すまでが苦労するポイントなので、早い人はそこで投げてしまったかもしれませんが……。
ステージも地上だけでなく空の面などバリエーション豊かに用意されていたので、飽きずにエンディングまで進むことができたと思います。呉氏をゲストにお招きしたトークショーにて「販売本数は約3,000本」という話が出ましたが、個人的にはとても面白く遊べたゲームでした。