ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
富士通のパソコン「FM」シリーズ前期モデルと、1980年代後半のソフトハウス「スクウェア」編
~永久保存版 80年代マイコン大百科~
2018年7月24日 08:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、懐かしのマイコンたち!!編から富士通「FM」シリーズ編Part1と、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から1980年代後半の「スクウェア」。
なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。
- 懐かしのマイコンたち!! -富士通「FM」シリーズPart1- -
1981年、富士通は640×200ドットで8色カラーが表示でき、さらにRAMを64KB備えたFM-8を誕生させる。
堅調な人気を得た同機を受けて1年後に発売されたFM-7は、FM-8からいくつか機能を削り高速化を図った廉価モデルという位置づけだが、値段とスペックのバランスが非常によく、ホビーユースとして大きな人気を博す。これにより、俗に言うシャープ・NEC・富士通の御三家による、マイコン三国時代が始まることとなる。
FM-7はその2年後、基板のレイアウトを変更しチップの集積率を上げ廉価になったFM-NEW7が登場し、そして同じ年にFM-77シリーズへと進化した。初代FM-77は、ホワイトのボディに3.5インチFDDを内蔵し、228,000円(FM-77D2)で誕生。オプションを取り付ければスーパーインポーズ機能が使えるなど、AV機能も備えていた。
そのFM-77シリーズは2代目となるFM-77L2にて、FM音源カードを初搭載。価格も193,000円と競争力のある値付けで、市場へと打って出る。シリーズ最上位機種のFM-77L4は、400ラインが標準で表示できる強みをアピールしつつ、勢いをつけてFM77AVシリーズを迎えることに。
- ボクたちを虜にしたソフトハウス・80年代後半編 -スクウェア- -
80年代、パソコンゲーム業界を駆け抜け、コンシューマへ
スクウェアは1983年に創業し、84年に『ザ・デストラップ』でパソコンゲーム業界にデビューする。『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親として知られる坂口博信氏がテキストやマップ画面などを担当しており、その渋い物語やマルチストーリーマルチエンディングは一躍話題にもなった。
翌85年には、「デストラップ」シリーズ第2弾『ウィル』が登場。メカが登場する展開は前作には見られなかったものの、アドベンチャーゲーム初といえる隠れキャラクターを登場させたり、美少女キャラ・アイシャがアニメーションして目覚めるなど、意欲的なシステムを取り入れている。
より同社の名前を有名にしたのは、随所でアニメーションが見られるアドベンチャーゲーム『アルファ』と、サンライズがメカデザインとアニメーションを担当した『クルーズチェイサー ブラスティー』だろう。特に後者は大ヒットとなり、スクウェアの次回作を期待させるユーザを増やした。
だが残念なことにその後、スクウェアもエニックスと同様にパソコンゲーム業界から撤退し、その土俵をコンシューマゲーム機へと移してしまう。