ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
タカラのPCゲームブランド「フェニックス」と、広告で麻雀ソフトを前面に打ち出した「福山ソフテック」
~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~
2019年1月22日 07:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、マイナーソフトハウス編から「フェニックス」と「福山ソフテック」となる。
なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。
- - マイナーソフトハウス編 ―フェニックス― -
テレビ番組や映画のゲームなどもリリースしていた
フェニックスは、株式会社タカラのパソコンゲームソフトブランド名だ。84年を中心にソフトをリリースしていたが、当時広告を見て『ゲームパソコンM5』用のソフトと勘違いしていたほど、他機種用のソフトという宣伝印象の残らないページだった。
玩具メーカーという強みを活かし、『ボトムズ』『ウルトラマン』などの版権タイトルのほか、映画『時をかける少女』を題材とした『原田知世の時をかける少女』『原田知世のシネマパズル』や、TBS系列で放映されていたテレビ番組をモチーフにしたソフトなどもリリースしていた。なかでも驚くのは、PC-8001mkII用に“あの”『ムーンパトロール』を発売していたことだろう。
広告で麻雀ソフトを前面に打ち出していた広島のソフトハウス
83年中頃から84年中頃までの約1年間ほど、広告を出している。
最初の対応機種はX1で、『パーフェクトマージャン』『パーフェクトマージャンパート2』『ポーカーゲーム』など、5タイトルを発売していた。その後、4人で遊べる『パーフェクト四人麻雀』や『グラフィックエディター』を新たにリリース。なぜここまで麻雀にこだわったのかはわからないが、『パーフェクトマージャン2』の作品紹介文“あなたとの1対1の真剣勝負は、まさにコンピュータ対人間の頭脳の争い、あなたの全知全能を賭けて、挑んで下さい”を見ると、同社の気合いの入れようがわかる。のちに、固定画面アクションパズル『お花ばたけ』『ACTION HOUSE』と、既発売タイトルのMZ-2000/2200対応版をリリースし、そのままフェードアウトしていく。
福山ソフテックの商品を販売していた総発売元は、広島県南区にあった株式会社フタバ図書。2018年現在も広島県を本拠地にして、複合書店やインターネットカフェを経営している。
福山ソフテックを代表する『パーフェクトマージャンパート2』のデキばえは?
福山ソフテックの自信が現れている1本『パーフェクトマージャンパート2』は、中級者向けと書かれている麻雀ソフト。2人麻雀なので、ツモは20巡までとなっている。また、プレイヤー側がリーチをかけると、コンピュータはオープンで勝負してくるが、思考ルーチンはそれほど賢くない。
『四柱推命「易」プログラム』は、易者の慣習を受けた本格的な営業用プログラムと謳い、1912年から2083年までの性格、運勢、社会活動力、相性、未来の予測など600種類が鑑定できるというソフトだ。驚くべきは、対応機種がMZ-3500で、値段が300,000円だったということ。ビジネスソフトだからだと思われるが、ゲームを発売していた福山ソフテックとしては畑違いの1本だったのは間違いない。