ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
タイムシリーズで名を馳せた「ボンドソフト」と、持ち込みソフトも取り扱っていた「ツクモオリジナルソフト」
~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~
2019年7月17日 08:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、メジャーソフトハウス編から「ボンドソフト」、マイナーソフトハウス編から「ツクモオリジナルソフト」となる。
なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。
- メジャーソフトハウス編 ―ボンドソフト- -
カリスマプログラマ“ネコジャラ氏”の作品が際立っていた
静岡県にあった株式会社パスカルIIが、ソフトを流通させるときに使用していたブランド名がボンドソフトだ。誰もが知っているであろう「タイム」シリーズを制作したところでもある。
広告によれば、ブレイク作となる『不思議の森のアドベンチャー』は、1983年7月に発売されたようだ。手がけたのはネコジャラ氏で、その後は「タイム」シリーズでも手腕を発揮した。
そんなタイムシリーズのストーリーは、以下のようだった。
『タイムシークレット』の舞台は西暦2552年。地球連邦の植民地ファラス星に、ダナーク人が侵入する。タイムマシン研究所に勤める主人公はタイムマシン試作号「メタフォトン号」に乗り、地球の歴史からダナーク人の攻撃方法を見つけ、ファラス星を救出すること。
『タイムトンネル』では、ダナーク人の弱点を見つけて宇宙に飛び立つものの、思わぬ異星に不時着してしまったところから始まる。
それ以前の同社は中古マイコン販売なども行っていたほか、X1用に『怪盗XI ダイヤを盗め』や、MZ-700用『ダイナマイトアドベンチャー』も発売している。なぜ、この時期のボンドソフトは、X1 を“XI”と表記していたのかは不明だが……。
ほかにも、PC-6001シリーズ用『漢字ワープロ』やホームデータベース『スーパー・ベース』、さらにはX1用ワープロ『弘法大師』といった、ビジネスソフトもリリースしていた。
『タイム』シリーズ意外にも掘り出しソフトがザックザク
あまりにも「タイム」シリーズが有名だが、それ以外にも複数の作品を発売しており、そのうちの1本だったのが『ロリータ姫の伝説』。1986年に登場したコマンド入力式アドベンチャーで、ロリータ姫の救出が目的。女の子のグラフィックはかなり可愛い。ただし、一方通行なので、ハマる可能性があるのが厳しい。製作者は、MAYAこと山本正彦氏だ。
なお、第2弾として『ロリータ姫の絵日記』、第3弾『メロンソーダ』とシリーズ化もされている。
- マイナーソフトハウス編 ―ツクモオリジナルソフト- -
ハード販売だけでなく、ソフトも大量に発売していた
母体は、かつての九十九電機株式会社。
1947年という戦後まもない時期に創業し無線機器などを販売してきたが、マイコンが登場し始めた時期からマイコン向け各種ソフト・ハードの発売も手がける。FM-8用倍速ボードやPC-8001用ROMボードなどのハードウェア、オリジナルジョイスティックなども販売していた。
持ち込みソフトなども取り扱っていたほか、PC-8801用の本格的漢字ワードプロセッサ『Super Writer』や、『札幌エイリアン』『今更インベーダー』のようなさまざまなアーケード版ゲームの勝手移植もの、『炎の館』といったオリジナルソフトも発売している。
83年には、ナムコのアーケードゲーム『ギャラガ』ライクなタイトル『ギャラックス』を登場させているが、これはこの時期にあってモニタを縦に配置し縦画面でプレイするという、かなり気合いの入った作品だった。今も所有していれば、かなりのお宝ソフトかと。