ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
アドベンチャーゲームの老舗「マイクロキャビン」と、アーケードゲームの移植に定評があった「ニデコムソフト」
~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~
2019年7月23日 06:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、メジャーソフトハウス編から「マイクロキャビン」と、マイナーソフトハウス編から「ニデコムソフト」となる。
なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。
- メジャーソフトハウス編 ―マイクロキャビン― -
アドベンチャーゲーム・ブームを起こした老舗ソフトハウス
古くは『ミステリーハウス』、その後は『はーりぃふぉっくす』シリーズや『セイレーン』などで誰もがよく知るマイクロキャビン。もとは、1980年に大矢知電機のマイコン部から始まっている。
翌年81年にはマイクロキャビン四日市という名称で四日市市三栄町に店舗を構え、1982年にはAdventuer Game Series Vol1として、『ミステリーハウス』をMZ-80Bシリーズ用に発売。11月には社名がマイクロキャビンとなり、その後は数々のアドベンチャーゲームやRPGなどを世に送り出していく。現在は、株式会社フィールズの100%子会社として健在だ。
日本でアドベンチャーゲームをメジャーにしたといえる『ミステリーハウス』。どれだけ大ヒットしたかというと、当時の広告によれば売上3万本を突破したとのこと。ダビングされた本数なども合わせれば、かなりの人がプレイしたのだろう。
『ミステリーハウス』だけじゃない! 発掘タイトルの中にもユニークな作品が
マイクロキャビンからリリースされたタイトルは本数が多いため、掘り出しソフトも少なからず発売されている。過去には『ミッドナイト・コマンダー』や『ピコピコ』『忍者くん』などがあり、特に『忍者くん』はアーケード版が有名だが、ソフトとして先発なのはマイクロキャビンの方だ。
それらメジャーではないタイトルのうちの1本『宝ビルアドベンチャー』は、所持金1,000円で宝ビル内を歩き回り、シークレットテープを探し出して宝ビル5階にあるマイクロキャビンへ無事に届けるのが目的。
ゲーム中に「ダトウ! タイム ゾーン!!」と書いてあったり「オンセイ ニンシキ ソウチノ ツモリ」と書かれた音声認識装置が登場するなど、まさにサブタイトル通りのコミカルアドベンチャーだ。
作者は、『不思議の国のアリス』『カーマイン88』などに携わった多湖明雅氏で、当時は中学生だったとのこと。
- マイナーソフトハウス編 ―ニデコムソフト― -
アーケードゲームの移植に定評あり!
1946年に創業され、56年に日電テレビ産業として設立。74年に株式会社ニデコになり、マイコン関連ではディスプレイや外付けディスクドライブなどを販売するようになる。
80年代に入り、マイコン用ソフトブランドとしてニデコムソフトを立ち上げ、83年中頃からソフト販売を開始。第1弾として『シミュレーション コンボイ5000』『クイックス』などをリリースする。『クイックス』は、キャリーソフトが制作したということで、ニデコムキャリーブランドとして発売された。その後、2007年7月に株式会社エクセルに吸収合併され、長い歴史に幕を下ろしている。
ニデコムソフトの中でも『ランニングゲームPART II ハイスピード ジムカーナ』などは、まず見かけないレアタイトルだろう。また、ニデコムキャリーソフトでタイトーテーブルゲームシリーズ『スペースクルーザー』も、かなり貴重な作品といえるはず。持っていれば、自慢できるかも?
初期のニデコムソフトは広告にもあるように、黄色を中心とした暖色系が目に飛び込んでくるパッケージが特徴だ。ただし、第2弾以降のニデコムキャリーソフトになると、パッケージは大型化。外側の四角い紙パッケージ内に、カセットテープなどを納めるもう1つの片開きパッケージが収納されている、ちょっと豪華な感じになった。