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Windows 11がインストールできない(もっと知りたい人のためのよくある質問と回答)

DOS/V POWER REPORT 2022年春号の記事を丸ごと掲載!

Q2 Windows 11がインストールできない

 やや古めのマシンですが、要件を満たしているはずなのにWindows 11を導入できません。ほかにチェックすべき点があったら教えてください。

A パーティション形式をチェックしてMBRならGPTに変更する

 Windows 10からWindows 11にアップグレードする際に、「TPM 2.0」や「セキュアブート」、「CSM無効化」が必要であることはご存じのとおりです。システム要件を満たすためにマザーボードのUEFIをアップデートした人もいるかと思います。しかし、事前に準備・確認はしたものの、「システム要件を満たしているはずなのにできない」という声も聞かれます。

 この原因の一つに挙げられるのが、パーティション形式がMBR(Master Boot Record)になっていることです。今ではGPT(GUID Partition Table)が当たり前ですが、Windows 7ではGPTを使ったストレージから起動するには64bit版が必要であったことから、32bit版ユーザーはMBRでインストールし、そのままWindows 10にアップグレードしたと考えられます。

 まずは「コンピューターの管理」にある「ディスクの管理」からシステムディスクを指定し、「ボリューム」タブ内に表示されるパーティションのスタイルをチェックしてみてください。MBRだった場合は、次に紹介するツールを使ってGPTに変換します。また、システムディスクのディスク番号も指定する際に必要になるのでメモしておきましょう。

 MBRからGPTに変換するには、Microsoftが用意している「MBR2GPT」ツールを使います。こちらのツールはWindows 10のバージョン1703以降に含まれており、別途ダウンロードして用意する必要はありません。MBR2GPTは回復コンソールのコマンドプロンプトか、Windows 10の「Windows PowerShell(管理者)」で実行できます。ここでは、Windowsからの操作例を紹介します。操作をする前に、ストレージのバックアップをしておきましょう。

 まずはスタートの右クリックメニューから「Windows PowerShell(管理者)」を起動します。起動したら、MBR2GPTを次のように記述して実行します(MBR2GPTの実行例「ストレージを検証する命令」を参照)。「/validate」は指定したストレージがGPTに適合するかチェックするオプションで、「allowFullOS」はWindows上でも実行可能にするものです。ここで、「Validation completed successfully」と表示されたら変換可能なので次に進みましょう。

 今度はMBR2GPTに変換命令「/convert」を入れて実行します(下のMBR2GPTの実行例「GPTに変換する命令」を参照)。変換は一瞬で終わり、「Conversion completed successfully」と表示されれば完了です。これでパーティション形式はGPTに変換されました。UEFIに変更することで、Windows 11の導入が可能になります。

MBR2GPTを使ってGPTに変換する
MBR2GPTの実行例
「コンピューターの管理」にある「ディスクの管理」からシステムディスクを指定する
プロパティの「ボリューム」からパーティション形式をチェックできる
「Windows PowerShell(管理者)」を起動する。MBR2GPTで①のコマンドでストレージが適合しているかチェックする
変換可能であれば、②のコマンドを使って実行する。変換作業は一瞬で完了する。再起動させる際はUEFIセットアップでUEFIモードに設定を変更する

[回答者:野村晋也]

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