パワレポ連動企画

エントリーモデル&メモリ増量モデルが新たに登場、GPU Round-Robin Benchmark【Round 8】

DOS/V POWER REPORT 2022年春号の記事を丸ごと掲載!

 今回より検証環境をWindows 11(コア分離有効)に改めた。使用するカードは原則リファレンス仕様のカードを中心にしている。今回新たに3GPUを比較に追加したが、旧世代代表(GTX 970)は検証環境で動作しなかったため割愛した。

エントリーモデル&メモリ増量モデルが新たに登場

 今回も「3DMark」のFire Strikeのスコアで大きく三つにグループ分けしている。各グループのトップ3は全体にGeForceが多いが独占しているわけではなく、上~中位グループはRDNA 2世代のRadeonが入っている。今世代のRX 6000シリーズとRTX 30シリーズのパワーバランスはきわめて良好だ。

 消費電力はカード単体の消費電力(TBP)を測定したが、ファクトリーOCカードを使用したRTX 3080 12GBのTBPがとくに高く、逆にRDNA 2世代のRX 6900 XTや6800XTの低さが際立っている。

【検証環境】CPU:Intel Core i9-12900KF(16コア24スレッド)、マザーボード:ASRock Z690 PG Velocita(Intel Z690)、メモリ:Kingston FURY Beast KF552C40BBK2-32(PC5-41600 DDR5 SDRAM 16GB×2)、システムSSD:Corsair CSSD-F1000GBMP600[M.2(PCI Express 4.0 x4)、1TB]、データSSD:Silicon Power SP002TBP34A80M28[M.2(PCI Express 3.0 x4)、2TB]、電源:Super Flower LEADEX TITANIUM 1000W(1,000W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 11 Pro、Total Board Power:レインボーシックス シージ(フルHD、画質“最高”+レンダースケール100%設定で実行)でカスタムゲームを作成、同じシーンでのTBPをNVIDIA「PCAT」で計測した最大と平均、アイドル時:OS起動10分後の安定値

描画負荷の軽いeスポーツ系FPS

R6SもApexも入力遅延低減技術「Reflex」に対応しているが、Radeon環境と合わせるためにすべて無効化して検証している。©2015 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved.

 軽量FPSは前号と同じ「レインボーシックス シージ」と「Apex Legends」で検証する。

 まずR6Sでトップを獲ったのは新星RTX 3080 12GB。ただこれはGPUの性能と言うよりもファクトリーOC版だから、という理由。どのグループでもGeForce系のほうが高fpsを出している。中位グループならWQHDまで、下位ならフルHDまでが実用限界だ。

 Apexは144fps制限を解除してのテストだが、Fire Strikeスコア上位グループではフルHDでは平均フレームレートにほぼ差が出ないが、WQHD以上の解像度ではよりメモリバス幅が広くシェーダー数が多いGPUが優位に立つ。中〜下位グループではフルHDでも結果に差が付いたが、GeForceが有利な点は変わらない。

レインボーシックス シージ:APIはVulkan、画質“最高”+レンダースケール100%+Reflex “OFF”に設定、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測、Apex Legends:画質最高設定+Reflex “OFF”、起動オプション「+fps_max unlimited」を追加して起動し、射撃訓練場における一定の動作をした際のフレームレートを「CapFrameX」で計測

GPUの限界が試される重量級ゲーム

Forza Horizon 5もレイトレーシングが使えるが、レイトレーシングは決まった場所・モードでしか有効にならないという制限がある ©2021 Microsoft

 中重量級ゲームの検証は今回より「Forza Horizon 5」と「Halo Infinite」を組み入れた。

 「Forza Horizon 5」はレイトレーシングの設定がある“エクストリーム”設定でテストしたが、とくにレイトレーシングは無効化せずに実行した。上位グループはRadeon勢がトップ3を独占。

 もともとRadeonが強いことで定評のあるシリーズなのだが、中位・下位グループではGeForce勢に追い上げを食らっている。RX 6600 XT以下のRadeonだとメモリバス幅が128bit以下に制限されているため、その影響が大きいと考えられる。

 HaloもトップはRX 6900 XTだが、こちらは意外とGeForce勢も健闘。ビデオメモリ消費の多いゲームだが、ビデオメモリ8GBのRTX 3070 Ti〜3060 Tiも良好な結果に。

【検証環境】Forza Horizon 5:画質“エクストリーム”に設定、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測、Halo Infinite:画質“ウルトラ”+非同期コンピューティングをONに設定。マップ“Fragmentation”内の一定のルートを移動する際のフレームレートを「CapFrameX」で計測、ファークライ6:画質“最高”+高解像度テクスチャ+レイトレーシングおよびVRSをすべて有効化、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測、サイバーパンク2077:画質“レイトレーシング:ウルトラ”をベースにDLSSを無効化、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測

DXR(DirectX Raytracing)対応ゲームでの実力

 DXRの検証は「ファークライ6」と「サイバーパンク2077」の超重量級で検証する。ファークライ6では上位グループはRadeon勢がトップ2を独占、AMD肝入りタイトルでの実力を見せ付けた。ただしRadeon勢は全般的にフレームレートが暴れる傾向が強く、GeForce勢のほうが安定感があった。

 サイバーパンク2077はGeForce優勢だが、“レイトレーシング:ウルトラ”設定(DLS
SはOFF)ではRTX 3090でも平均60fps程度。ただ、GeForce勢も中位グループ以下ではフルHDであっても苦しい。実際にプレイする場合は、レイトレーシングまわりの設定を適宜下げるとともに、DLSS/FSRなどを使って負荷を下げる工夫が必要だ。

今回使用したビデオカード

GeForce系の上位はFounders Editionを極力揃えたが、RTX 3080 12GBは入手できなかったため、MSIのファクトリーOCモデルを使用
GPU性能評価に使用したカード
NVIDIA GeForce RTX 3090 Founders Edition
NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition
MSI GeForce RTX 3080 GAMING Z TRIO 12G LHR
NVIDIA GeForce RTX 3080 Founders Edition
NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Founders Edition
NVIDIA GeForce RTX 3070 Founders Edition
NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Twin Edge OC
ASUSTeK ROG Strix GeForce RTX 3050 OC Edition 8GB
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 Twin Fan 12GB
NVIDIA GeForce RTX 2060 Founders Edition
ZOTAC GAMING GeForce RTX 1660 Ti AMP
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 AMP
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC
Radeon RX 6900 XT リファレンスカード
Radeon RX 6800 XT リファレンスカード
Radeon RX 6800 リファレンスカード
Radeon RX 6700 XT リファレンスカード
ASRock Radeon RX 6600 XT Phantom Gaming D 8GB OC
GIGA-BYTE Radeon RX 6600 EAGLE 8G
Sapphire PULSE Radeon RX 6500 XT GAMING OC 4G GDDR6
Radeon RX 5700 XT リファレンスカード
ASRock AMD Radeon RX 5500 XT Challenger D 8G OC

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 今回は、DOS/V POWER REPORT「2022年春号」の記事をまるごと掲載しています。

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