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USBの表記が分かりづらい【もっと知りたい人のためのよくある質問と回答】

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Q1 USBの表記が分かりづらい

 USB の表記がころころ変わっていて、とくにType-C の転送速度がいくつなのか分かりづらい。簡単に見分ける方法はないのでしょうか?

A 今後はロゴに転送速度が明記される

 USBは以前からあるシリアル接続の「RS-232C」やパラレル端子に代わる高速なインターフェースとして1996年に登場しました。当時の転送速度は最大12Mbpsで、2000年に登場した「USB 2.0」では最大480Mbps、2008年に登場した「USB 3.0」では最大5Gbpsと、高速化が図られています。ここまでは非常に分かりやすく、コネクタやポート部分が青色であればUSB3.0対応なので5Gbps、それ以外なら12Mbpsか480Mbpsと、使う側からすれば見ればすぐに判別できました。

 しかし、2013年に「USB 3.1 Gen 2」が最大10Gbpsで登場すると、以前のUSB 3.0は「USB 3.1 Gen 1」に呼称が変更され、USB 3.1には二つの転送速度が存在することになりました(しかも、後継規格の登場時にそれぞれ名称がUSB 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 1に変更)。さらに2017年には最大20Gbpsの「USB 3.2 Gen 2x2」が追加。前述の従来規格の名称変更もあり、ますます混乱する場面が多くなりました。もちろん混乱を防ぐため、5Gbps対応は「SuperSpeed USB」、10Gbps対応は「SuperSpeed USB 10Gbps」、20Gbps対応は「SuperSpeed USB 20Gbps」という呼称が用意されていましたが、実際の製品にこれだけの表記を加えるのはスペース的にもムリがありました。さらに2019年に新しく策定された「USB4 Version 1.0」では最大20Gbpsと40Gbps、2022年に策定された「USB4 Version 2.0」では最大80Gbpsが加わるなど、複雑怪奇な仕様に拍車がかかっています。

 そこで規格策定団体のUSB Implementers Forum(USB-IF)は9月30日にUSB4を含む表記ガイドラインを改訂し、ユーザーがUSB機器の性能について分かりやすいようにマーケティング名の設定やロゴなどを変更しています。具体的には、40Gbpsの性能を持つ製品は「USB 40Gbps」、5Gbpsの性能を持つ製品は「USB 5Gbps」とシンプルになりました。USB-IFは消費者向けの製品やカタログなどには今後、マーケティング名を使うことを推奨しています。

マーケティング名と新しいUSBのロゴ
新しいロゴはユーザーが製品仕様を把握しやすいように転送速度が表記されている
マーケティング名相当する規格(旧称を含む)対応コネクタ
USB 40GbpsUSB4 Version 1.0Type-C
USB 20GbpsUSB 3.2 Gen 2x2Type-C
USB 10GbpsUSB 3.2 Gen 2、USB 3.1 Gen 2Type-A、Type-C、Type-B※
USB 5GbpsUSB 3.2 Gen 1、USB 3.1 Gen 1、USB 3.0Type-A、Type-C、Type-B※
※Type-B はUSB 2.0とUSB 3.2 Gen 1(USB 3.0)で形状が異なる

[回答者:野村晋也]

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