パワレポ連動企画

進む低価格化・大容量化で今が買い時!?Gen 4/Gen 3 SSDの現状

DOS/V POWER REPORT 2023年夏号の記事を丸ごと掲載!

Gen 4は“高性能”と“お手頃”に二分、Gen 3は価格勝負?

 Gen 5のSSDは発売されたものの、現在の主力はGen 4のSSDだ。Gen 4 SSDは、シーケンシャルリードが7,000MB/sを超えるハイエンドクラスと、3,000 ~ 5,000MB/sのエントリークラスに分けられる。動画編集など大容量ファイルを扱うクリエイターにとってストレージの速度は作業効率に直結するためハイエンドモデルが有効だが、一般的な用途であればエントリークラスで速度的にも使用感としても十分なのは事実で、現在人気の中心となっている。PS5はGen 4にさえ対応していれば増設に利用できる、という点でも低価格エントリークラスは強い。

 Gen 3のSSDは性能面のインパクトは弱くなっているが、Crucial P3など大容量モデルが強烈に安くなっている製品もあり、“速度よりも容量を求める”というユーザーに売れている。実際、大容量化が進むゲームを何本もインストールしたい人は2TBでも不足を感じがちで、安い4TBが欲しいと思っている人は多いのではないだろうか。

 現在は世界的なNANDの過剰供給から価格下落が続いているが、いつ需要と供給のバランスが取れて価格が上昇するか分からない。安いと思ったら買っておくのが吉だ。

2.5インチSerial ATA SSDの役割は?

増設にはケーブル接続の手間はあるが、ハイエンドではヒートシンクが必須のNVMe SSDと違って発熱を気にする必要がないのはよい

 Serial ATA接続のSSDは性能的には完全に頭打ちだが、4TB以上で価格が安めの製品が複数あり、大容量を求めるユーザーには人気がある。ヒートシンク不要で手軽に扱えるのも強みだ。

4TB以上モデルがある2.5インチSSD
メーカー名製品名実売価格
SamsungSSD 870 EVO(4TB)28,000円前後
SamsungSSD 870 QVO(4/8TB)36,000円前後(4TB)、60,000円前後(8TB)
MicronCrucial MX500(4TB)34,000円前後
Western DigitalWD Blue 3D NAND SATA(4TB)43,000円前後
Western DigitalWD Red SA500 NAS SATA(4TB)61,000円前後
旭東エレクトロニクスSUNEAST SE900(4TB)30,000円前後

ECサイトに並ぶ“超激安”M.2 SSDを買ってみた

ヒートシンクを外すと、Maxio製のコントローラ「MP1602A」とYMTC製の3D TLC NAND搭載を確認できた。DRAMレスの製品だが、2,400MT/sの速度に対応した最新のYMTC製232層NAND採用することで7,000MB/s以上の速度を実現している
HayneとHIKSEMIの製品の基板は、驚くほどそっくり。コントローラ、NAND型フラッシュメモリともに同じものを採用している。エントリークラスのDRAMレス設計の4チャンネルのコントローラだが、最新の高速NANDを組み合わせることで性能を稼いでいる

 大手ECサイトでこの数カ月大きな話題を集めている中国発の激安S S D。最大速度7,000MB/s以上の速度をうたうGen 4接続のNVMe SSDでありながら、2TBモデルがわずか1万3,000円ほどで購入できるなど、その価格の安さは驚きだ。そこで2製品を実際に購入してチェックした。

激安中華SSDに採用されているNAND型フラッシュメモリを製造しているYMTCのWebサイト。最新世代のNANDは他社に先駆けて投入された232層で、2,400MT/sのI/F速度に対応する

 搭載コントローラはいずれもMaxio製のMAP1602Aで、中国YMTC製の3D NANDを組み合わせたもの。それに加えて、基板が同じものにしか見えなかった。

 実際の性能だが、両者ともに公称値どおりの7,000MB/s以上の速度を得られたほか、PCMark 10や3DMarkなどでも、Gen 4 SSDのトップクラスではないものの十分に高いスコアをマーク。ただし、ランダムライトの長時間実行など、一般的ではないちょっと意地悪なテストを行なうと、性能が大きく低下する一面もあった。安価なわりに性能が高い部分は評価できるが、完成度の高さで大手メーカーに劣る部分も残っているこれら製品は、多少の不安定さも楽しめる玄人向け、というのが筆者の個人的な印象だ。

今回は買わなかったけどこっちも安ッ!
激安SSDの代名詞として名をはせたSUNEASTのSE900 NVMe 70も公称読み出し7,000MB/sで2TBが1万5,000円以下と注目の安さ
Samsungの上位モデルとは思えない価格まで下がっているSSD 980 PRO。2TBモデルが2万円を割り込んでいるとエントリークラス並だ
【検証環境】
CPUIntel Core i5-11600K(6コア12スレッド)
マザーボードASUSTeK ROG STRIX Z590-F GAMING WIF(I Intel Z590)
メモリKLEVV BOLT KD4AGU880-32A160U(PC4-25600 DDR4 SDRAM 16GB×2)
システムSSDSolid State Storage Technology Plextor M9Pe(G) PX-512M9PeG[M.2(PCI Express 3.0 x4)、512GB]
OSWindows 11 Pro

[TEXT:芹澤正芳、北川達也]

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 今回は、DOS/V POWER REPORT「2023年夏号」の記事をまるごと掲載しています。

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