借りてみたらこうだった!
影Mod入りマイクラもバイオ7も遊べる!MSIの薄型ゲーミングノートPC「GP62MVR 7RF Leopard Pro」
薄型でハイスペックは両立するのか?ゲームで性能をチェック text by 加藤勝明
2017年3月21日 13:20
以前はデスクトップPCの独擅場だったゲーミングPCにも、ノート型がグイグイと浸食。今では市場の中でも大きなカテゴリーを形成している。
だが、ゲーミング向けのノートPCはパワーと発熱のバランスをどうとるかが難しい。ここがメーカーの腕の見せ所なのだが、薄型となるとさらに難度があがる。
そこで、今回はMSI「GP62MVR 7RF Leopard Pro(239JP)」を簡単にレビューしてみたい。デスクトップPC並のスペックを薄型筐体に詰め込み、その性能を発揮するための高性能な冷却機構を搭載。ゲーミングデバイスメーカーのキーボードやゲーム向けのサウンド機能を採用するなど、最新ゲーミングノートのお手本ともいえるモデルだ。
わずか2~3cmの厚さにCore i7-7700HQとGeForce GTX 1060(3GB)を組み込み、どうバランスが取られているのか、性能と薄さは両立できるのか、主要ゲームタイトルを使って見ていこう。
搭載機能を総チェック、写真で見るGP62MVR 7RF Leopard Pro
まずは写真等で各部をチェックしていこう。
GP62MVR 7RF Leopard ProのスペックはCPUに物理4コア版の第7世代Core i7-7700HQ、GPUはモバイル向けのGeForce GTX 1060(VRAM 3GB)。これを15.6インチフルHD液晶と組み合わせ、重量2.2kgの比較的薄型ボディーに納めている。
ベンチマークで基本的な性能をチェック、搭載ストレージは3.2GB/sとかなり高速
それではGP62MVR 7RF Leopard Proの基本的なパフォーマンスをチェックしよう。まずはCPUの馬力を見るために「CINEBENCH R15」を使うが、3種類のShiftモード(Sport/Comfort/Eco)が性能にどう影響するかもチェックしてみたい。
Ecoモードに設定するとCPUのクロックを1.37GHzが上限になるため、スコアも一気に下がる。ゲームというよりはバッテリの限界まで書類仕事をしたい時のモードといえるだろう。ただComfortとSportモードには目に見える差はなかった。
続いては主にGPUのグラフィック性能をみる「3DMark」だ。GP62MVR 7RF Leopard Proの搭載液晶はフルHDなので、テストもフルHD環境を想定した“Fire Srtike”を使用する。
このテストではSportとComfortモードの明確な違いが見られた。Comfortでもそこそこのスコアは出せるが、GTX 1060のパフォーマンスをキッチリ出すならSportモードを選ぶべきだろう。という訳でこの後のテストは全てSportモードで実施することとする。
最後にSSDの読み書き性能を「CrystalDiskMark」で計測してみた。
PCI-E Gen3 x4接続のM.2 SSDとして十分満足できるパフォーマンスを出している。容量が256GB(Cドライブは237GB)と大作ゲームを仕込むにはやや少なめな印象はあるが、ムービーなど大容量ファイルの読み書きは快適だ。
影Mod入りマイクラもバイオ7も快適に遊べる!実ゲームでパフォーマンスをテスト
続いて実ゲームをベースにしたパフォーマンスを検証する。
手始めに描画負荷の軽い「ファンタシースターオンライン2(PSO2)」の公式ベンチを使用した。画質は一番高い“6”、解像度はフルHDに設定している。スクリーンショット左上に「Fraps」のフレームレートカウンターを表示しているので参考にして欲しい(以下共通)。
続いては「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド(FF14)」公式ベンチを使用する。画質設定はDirectX11の“最高品質”、解像度はフルHDに設定した。
次はちょっと目先を変えて「Minecraft(JAR版)」も試してみた。Mod類を一切入れないヴァニラ状態と、影Mod……ここではOptiFine+Sonic Ether's Unbelievable Shaders(設定は“High”)+Chromahill's Resource Packを指す……を組み込んだ状態の2通りで検証してみた。マップは非常に多くのブロックが表示される“Amplified”で作成し、表示範囲などの設定はデフォルトのままにしている。
さすがGeForce GTX 1060を搭載しているだけあって描画が軽めのゲームなら最高画質で存分に攻められる。では最新のグラフィックエンジンを使用した描き込み重めのゲームではどうだろうか?
そこで直近の人気タイトルである「バイオハザード7 レジデント イービル」で試してみた。結論から先に言うと、画質設定を全て“オン”もしくは一番高くした設定(アンチエイリアスはFXAA+TAA)だと、VRAM使用量がGeForce GTX 1060のそれ(3GB)を超えてしまい、カクつきが酷くなる。そこで画質を少々落とす(グラフ中の“オススメ設定”)のがポイントだ。ここではゲーム開始間もなく入る廃屋内を歩き回った時のフレームレートを「Fraps」で測定している。
ゲーム検証の最後は先日リリースされたばかりの「Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands」だ。
これは描き込みが多いためGeForce GTX 1060クラスのGPUでは画質は“中”程度に抑えておかないと非常に辛い(最高画質だと最低でもVRAMは6GBは必要になるため、GTX 1060 VRAM 6GBが搭載されているGSシリーズなどの上位モデルが欲しくなる)。ここでは内蔵ベンチマークモードを使用してフレームレートを計測した。
冷却能力が最大になる「Cooler Boost」機能は高負荷ゲームに有効、クーラーの性能をテスト
これだけのパフォーマンスを薄型ボディーに詰め込んでいるだけに、冷却が間に合うのか知りたいところだろう。
そこで最後に検証したTom Clancy's Ghost Recon Wildlandsをおよそ20分プレイした時のCPUおよびGPU温度、および両クロックを「HWiNFO64」で追跡してみた。CPU温度はコアではなくパッケージ温度(Tcase)を比較している。さらに冷却能力が最大となる「Cooler Boost」をオン・オフの2通りで計測することで、冷却力の違いも検証する。
まずここでプレイした最新ゲームだけにCPU占有率もCore i7全体で6割~8割と高い。GPUはほぼ10割の力で動いているので、冷却性能を試すには格好のテストといえる。
まず温度推移をみると、ヒートパイプの数がCPUより1本多いGPUの方が低めになっている。特にGPUはCooler Boostを効かせることで3~4℃下がることが確認できた。
しかし、CPUはCooler Boostを効かせても温度に大きな違いは見られない。今回の検証ではどのコアもサーマルスロットリングに突入しており、特にテスト後半にクロックがダレてしまっているのがわかる。
ただクロックの推移をチェックすると、Cooler Boost有効下ではCPUクロックの落ちかたが少ない(つまり、サーマルスロットリングの時間が相対的に短い)ことから、Cooler Boostは重いゲームを遊ぶ際には非常に有効な機能といえる。
ただし、Cooler Boostは効かせるとアイドル時でもファンが全力で回転するため、常用という訳にはいかない。次のグラフは騒音計「AR815」のマイク先端部をパームレストの手間端、上空約10cmに置いた時のものだ。高負荷時とは前述のGRWプレイ約20分後、GRWを終了させアイドル状態に戻して15分後をアイドル時としている。
Cooler Boostを有効にした場合、冷却能力は向上するものの、ファンノイズがかなり大きくなるため、内蔵スピーカーで音を楽しめるとは言いがたい状態になる。Cooler Boostを使用する際は、密閉性の高いヘッドフォンと併用するなど、サウンド環境を工夫をするとよいだろう。
設定を詰めれば最新ゲームも快適、キータッチの良さにもこだわりたいユーザーへ
GP62MVR 7RF Leopard Proを暫く使って感じたのは、比較的軽めのゲームにおいてはパフォーマンスを出しやすく、キーボードの感触の良さも好印象なゲーミングノートであるということだ。
Core i7-7700HQとGeForce GTX 1060(3GB)を搭載することで、ミドルクラスのデスクトップ型ゲーミングPCと比較しても遜色ない性能を持っているといえ、バイオハザード7のような最新ゲームでも、VRAM使用量に気をつければ快適に遊べる性能なのは◎だ。
ゲーミングデバイスはRGB LEDが流行なので、キーボードのバックライトがホワイトのみなのは好みが分れるかもしれないが、軽いタッチでタイピングする筆者にとっては肩への負担も少なく非常に快適だった。
一方、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsのような超高負荷なゲームでは、冷却力に制約のあるノートPCの弱点を強く意識せざるを得ない場面もあったが、そうした場面では、ノートPC用冷却台などを併用することでさらに上の快適性を追求できるだろう。
[制作協力:MSI]
バックナンバー
- 借りてみたらこうだった!バックナンバー
- http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/mreview/rental/