借りてみたらこうだった!

赤軸で9,800円、Corsairの手堅いゲーミングキーボード「Corsair K63」をチェック

テンキーレスで高剛性、Windowsキー無効化やマクロ機能も text by 浅倉吉行

 今回のレビューでは、CHERRY MX Redスイッチを搭載したテンキーレスのゲーミングキーボード「K63」を紹介する。

 同社のゲーミングキーボードの中ではエントリーに位置する製品だが、キースイッチのほかにも、Nキーロールオーバーやアンチゴースト、マクロ機能など、ゲーミング向けの機能を一通り備えた本格的な仕様になっている。

 実売価格は税込で9,800円前後と、エントリークラスとしては上級モデルになるが、価格分手堅い製品に仕上がっているのか、製品の特徴を紹介しよう。

K63の外観をチェック、オーソドックスな日本語配列のテンキーレスモデルWindowsキー無効化ボタンやマルチメディアキーなども搭載

 まずはK63の外観から見ていこう。

 キーレイアウトは標準的な91キー日本語配列タイプ。特にクセのある配置のキーも無いので、使いにくいと感じる部分はほぼ無いだろう。

 フレーム部分は浅い構造になっており、ゴミなどがたまりにくい構造となっている部分も特徴だ。本体重量は約1.12kgと比較的重めで、キー入力時にキーボードがずれるようなことは無いだろう。また、本体の剛性も高く、キー入力時に本体がしなるようなこともない。

標準的なテンキーレスの日本語配列
フレーム部分は浅く、ゴミがたまりにくい
キーボード背面
キーバックライト点灯時

 キースイッチは、メカニカルキースイッチのCHERRY MX Redを採用しており、赤色LEDのバックライトも備えている。刻印のフォントは太めのゴシック体といった感じで視認性も高い。

 また、K63はキーの同時入力制限がない「完全フルキーロールオーバー」をうたっており、キー入力の取りこぼしがない「100%アンチゴースト」もうたわれている。このあたりの機能はゲーミングキーボードとしてポイントになるだろう。

キースイッチはCHERRY MX Redを採用。
刻印の文字は太めで視認性が高い

 本体上部には追加キーが搭載されており、左側にはマルチメディアキー、中央にバックライトの輝度調整ボタンとWindowsキーの無効/有効化ボタンを備えている。Windowsキーをコントロールできるボタンを備える点はゲーミングキーボードらしい。

本体左上のマルチメディアキー
本体上部中央にはバックライト輝度調整ボタンとWindowsキーを無効化できるボタンを備えている。
USBコネクタ部分も凝ったデザインになっている。

マクロや細かい輝度調整が可能なユーティリティ「CUE」Corsair製ゲーミングデバイスを一括管理可能

 本体の設定などはユーティリティソフト「CUE(CORSAIR Utility Engine)」から行うことが可能だ。マクロや本体の設定、バックライトの調整などが行える。

 バックライト輝度調整ボタンやWidowsキー無効化ボタンをキーボード側に備えているが、CUEからはより細かい設定が行える。

CUEのメインメニュー画面、接続したCorsair製機器が自動的に認識され、上部に表示されるようになっている。

 マクロの設定は左側のアクションの項目から行える。マクロは一度実際にキー入力を行い、実行する秒数などを後から設定していくタイプ。パフォーマンスの項目からはWindowsキーの無効化ボタンの挙動や一部イルミネーション機能の設定が行える。

 照明効果のメニューからはLEDの発光パターンや色合いなどを設定可能で、K63ではバックライトオフの状態を含めると数値上は256段階の設定が可能になっている。上部メニューにあるグローバル設定からはポーリングレートなどが選択できるようになっている。

 CUEは接続したCorsair製デバイスの一括管理が可能になっているので、ゲーミングデバイスをCorsair製でかためると便利だろう。

マクロは一旦入力を記録してから細かく調整していくタイプ。
パフォーマンスの項目からはWindows無効化キーの挙動などを設定可能
イルミネーション機能は輝度などを細かく設定できる
CUEはポーリングレートの設定なども行える

マウスとキーボードの距離を近づけて使用できるテンキーレスモデルの利点卓上スペースが限られるユーザーにもおすすめ

 一通り機能を紹介したところで、テンキーレスモデルのメリットを紹介しておこう。下の画像は上位にあたるフルキーモデル「K68」との比較だ。凄く単純ではあるが、テンキー分コンパクトだ。

上がK68、下がK63。コンパクトさもK63の魅力だ。

 卓上のスペースが限られる場合や、マウスをなるべくキーボードに近づけて使用したいユーザーには大きなメリットになる。拳一個分程度のわずかな幅だが、実際に使用してみるとその差は意外と大きい。筆者はそれほど肩幅が広くないので、マウスをキーボードに近い位置に配置できた方がより正確にマウス操作を行える。

テンキーが無い分、マウスをより体の正面に近い位置で操作できる。占有スペースを抑えられる点もメリットだ。

 テンキーレスモデルはフルキーの下位と見られてしまうことが多いが、フルキー使用時にマウスの位置が若干遠いと感じるユーザーや、なるべく体の正面に近い位置でマウス操作を行いたいユーザーには是非テンキーレスモデルを試してみてもらいたい。フルキーの下位というわけではなく、テンキーレスならではの魅力が感じられるはずだ。

一通りの機能を備えた手堅いエントリーモデル、コスパ重視のユーザーにもお勧め

 K63はエントリーモデルに属するものの、キースイッチにCHERRY MX Redを採用し、完全フルキーロールオーバーや100%アンチゴースト機能も備えた手堅い一台だ。RGB LEDバックライトなど遊びの機能は無いが、ゲームをする上で必要となる機能は一通り備えており、ゲーム向けの性能としては高級モデルに近い仕様といえるだろう。

 エントリークラスのモデルはキー入力時に本体がたわんでしまうものもあるが、K63は本体の剛性が高いので、キー入力時の安定感も高い。また、卓上スペースが限られるユーザーや、マウスとキーボードを近づけて使いたい場合にもこのモデルは適している。キースイッチや機能面でデメリットとなる部分も無いので、コストパフォーマンス重視のユーザーにもお勧めできるモデルだ。

 1万円以下でなるべくしっかりとしたモデルを探しているユーザーや、手堅いエントリークラスのゲーミングキーボードを探しているユーザーは是非選択肢に加えてもらいたい。

[制作協力:Corsair]

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