借りてみたらこうだった!

ゲーム環境をより快適に、高性能ゲーミング無線LANルーター「Archer C5400X」をテスト

日本先行発売のTP-Link製トライバンド無線LANルーター text by 坂本はじめ

 7月5日、TP-Linkより同社初のゲーミング無線LANルーター「Archer C5400X」が、全世界に先駆けて日本で発売された。

 非常に強力なハードウェアを備える最新鋭のトライバンド無線LANルーターであるArcher C5400Xがどのような製品なのかチェックしてみよう。

クアッドコアCPU + 1GB DRAMを備えるトライバンド無線LANルーター

 Archer C5400Xは、IEEE 802.11a/b/g/n/acに対応するTP-Link初のゲーミング無線LANルーター。5GHz帯×2系統 + 2.4GHz帯×1系統のトライバンドを備えており、最大通信速度は、5GHz帯が最大2,167Mbps、2.4GHz帯が最大1,000Mbps。

 アンテナから発射する電波を接続端末に指向する「ビームフォーミング」、複数端末との同時通信を可能にする「MU-MIMO」、帯域幅の利用効率を高める「エアタイムフェアネス」、無線LANの接続範囲を拡大する「レンジブースト」など、複数の端末をルーターに接続することの多い昨今の無線LAN事情に適した機能を備えており、利用可能デバイス数は80台とされている。

 ルーター本体には着脱可能なアンテナを8本装備。アンテナの接続端子には、従来のねじ止め式ではなく直挿し式の端子を採用。挿し込むだけで取り付けることが可能な他、安定性も従来型より改善したとされている。

8本のアンテナを備えるトライバンド無線LANルーター「Archer C5400X」。
トライバンドと複数端末の接続に適した機能により、利用可能デバイスは80台に達している。
着脱可能なアンテナは接続端子に直挿し式を採用した。TP-Linkによれば、この端子の採用によって取り付けやすさと安定性が向上したとしている。

 Archer C5400Xは本体背面側に、Gigabit LAN対応の有線LANを8ポート備えている。有線LANの2番ポートと3番ポートでは、2系統のGigabit LANを束ねて高速化する「リンクアグリケーション」が利用できる。

 この他、本体背面にはWANポートと電源スイッチ。本体正面にWPSやWi-FiとLEDのオンオフボタン。右側面にUSB 3.0ポート×2を備えている。

本体背面。有線LAN×8、WAN、電源スイッチ、電源入力を備える。
有線LANポートの2番ポートと3番ポートはリンクアグリケーションに対応している。
本体正面。WPSボタンの他、Wi-FiとLEDのオンオフボタンを備えている。
本体右側面。USB 3.0ポートを2基備えている。

 この他、VPN接続を最大5倍高速化する「VPNアクセラレーション」や、通信の優先度を調整するQoS機能などを備えている。

 Archer C5400Xには、1.8GHzで動作するクアッドコアCPU、3基のコプロセッサ、1GB RAMという非常に強力なハードウェアが搭載されている。これにより、多数のデバイスを同時に利用した場合でも安定した通信を実現する。

Archer C5400XのQoS機能は、通信の優先度をアプリケーションまたはデバイス単位で調整できる。
CPUには1.8GHzで動作する64bitクアッドコアCPUを搭載。この強力なCPUの処理性能により、多数のデバイスを搭載しても安定した通信を実現する。

環境によってはゲームがより快適になる場合も回線の余力があれば旧式ルーターからの乗り換えは効果的

 Archer C5400Xは、非常に強力なハードウェアを備える最新鋭の無線LANルーターなのだが、実際のところArcher C5400Xに乗り換えることでどのようなメリットがあるのだろうか。2012年頃に発売されたIEEE 802.11n対応の旧式無線LANルーターと比較してみよう。

 テストに用いたデバイスは第2世代iPad Pro 10.5インチモデル。Archer C5400XにはIEEE 802.11ac(5GHz)、旧式ルーターにはIEEE 802.11n(5GHz)でそれぞれ接続した。インターネットの回線は最大1Gbps(ベストエフォート)のプランを利用している。

 まずは「SPEEDTEST」の実行結果だ。旧式ルーターが上りと下りで共に100Mbpsであるのに対し、Archer C5400Xは上り下りとも400Mbpsを超えており、旧式ルーターより4倍以上高速な結果を記録した。

Archer C5400Xの結果。上り下りとも400Mbpsを超える速度を記録した。
旧式ルーター(IEEE 802.11n)の結果。

 続いて、ゲームアプリの「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」を起動し、サウンドデータのダウンロードに要した時間と、通信を伴う画面遷移に要したロード時間を測定して比較する。

 サウンドデータのダウンロードは、一旦端末上のサウンドデータを削除した上で、約756MBのデータのダウンロードする。ダウンロード時間はネットワークの混雑具合にも左右されるため、Archer C5400Xと旧式ルーターを交互に各3回ずつ測定した。

 結果は旧式ルーターが2分前後の時間を要したのに対し、Archer C5400Xは僅か20~23秒でダウンロードを完了した。

サウンドデータのダウンロード時間 (約756MB)

 画面遷移時のロード時間測定については、「メニュー」画面から「営業」画面へ遷移する際のロード時間を測定した。ここでは、10回の画面遷移を1セットとし、セット単位で交互に両ルーターでの測定を行った。

 測定の結果を平均値で見ると、旧式ルーターの約1.70秒に対し、Archer C5400Xは約1.62秒。それほど大きな差は無いのだが、平均値から大きく外れて遅い結果が目立つ旧式ルーターに対し、Archer C5400Xの測定結果はバラツキが少なく、より安定して通信が出来ていることが見て取れる。

画面遷移時のロード時間 (「メニュー」 → 「営業」)

 今回のテストでは、通信速度だけでなく、通信の安定性でもArcher C5400Xが旧式ルーターより優位であることが確認できた。IEEE 802.11ac対応デバイスを持っていながら、ルーターは旧式の物を使っているようであれば、Archer C5400Xのような最新鋭ルーターに乗り換えることで、無駄に消費される時間をずいぶん減らせるはずだ。

高性能ハードによる同時接続能力の高さが魅力のゲーミングルーター

 TP-LinkのArcher C5400Xは極めて高性能なゲーミングルーターだ。有線LAN機能もかなり充実しているが、やはりその魅力はトライバンドに対応する強力な無線LAN機能だ。

 MU-MIMOやビームフォーミングといった機能に加え、強力なCPUによって裏打ちされた同時接続能力の高さは、複数の端末が同時に利用されることの多い家庭でも良好なゲーミング環境を提供してくれるだろう。

[制作協力:TP-Link]

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