借りてみたらこうだった!

低価格でもゲームサウンドにはこだわりたい、「GA-B85M-Gaming 3」をチェック

1万円以下で購入できるB85搭載/microATX対応のGIGABYTE製マザー

GA-B85M-Gaming 3

 今回はGIGABYTEより、GA-B85M-Gaming 3 (rev. 1.0)をお借りしました。1万円以下という低価格で購入できるIntel B85マザーボードです。


ゲーミングモデルでは最安クラスのIntel B85 Express搭載microATXマザーボード

基板表面。一般的なmicroATXマザーボードより一回り小さい基板を採用。

 Intel B85 Express チップセットを搭載するGA-B85M-Gaming 3は、HaswellやHaswell Refreshなどの第4世代Intel Core プロセッサをサポートする、LGA1150対応のmicroATXマザーボード。

 基板の大きさは226mm×174mmで、244mm四方のフルサイズmicroATXより小さい基板を採用しています。

バックパネルIO。画面出力はHDMIとD-Subの2系統。
拡張スロット。PCI Express 3.0 x16と、2本のPCI Express 2.0 x1を備える。
基板裏面。

 限られた基板スペースに、LGA1150対応CPUソケットの他、SATA 6Gbps×2、SATA 3Gbps×4、PCI Express x16などを搭載。メモリスロットについては2本搭載しており、DDR3-1600/1333(搭載CPUの仕様に準拠)のデュアルチャンネル動作に対応。最大で16GB(8GB×2)までのメモリを搭載可能です。

 1万円を切る価格を実現するため、コストを重視した設計を採用しているGA-B85M-Gaming 3ですが、独自品質基準「Ultra Durable 4 Plus」に準拠しています。

 これにより、長寿命な固体コンデンサを基板全体に使用し、CPUに電力供給を行うVRMに発熱の少ない低RDS(on)MOSFETを採用するなど、使用するコンポーネントには一定の質が確保されています。

メモリスロット。両ラッチ式でメモリモジュールの着脱は容易。
ストレージ接続用のSATAコネクタ。黒色が6Gbpsポートで、白色が3Gbpsポート。
LANコントローラ「Intel I217-V」。
CPUに電源を供給するVRM。Driver MOSFETでは無いが、発熱の少ない低RDS(on)MOSFETを採用している。ヒートシンクは非搭載」。
台湾APAQ製の固体コンデンサを採用。サウンド回路以外の電解コンデンサは、全てAPAQ製の固体コンデンサを使用している。
GeForce GTX 960搭載ビデオカード「GV-N960IXOC-2GD」を搭載したところ。ある程度長さのある拡張カードを取り付けても、SATAポートやUSB 3.0ヘッダーは問題なく利用できる。


低価格ながらサウンド回路は分離設計、オーバークロックもサポート

オーディオ回路とその他の回路を分離するノイズガード設計を採用。上位製品とは異なり、LEDなどの発光機能は持たない。

 製品名に「Gaming」が含まれていることからも分かるように、GA-B85M-Gaming 3はGIGABYTEのゲーマー向け製品「G1 Gamingシリーズ」の一つです。

 ゲーミングマザーボードとしてのGA-B85M-Gaming 3は、サウンド回路のクオリティに注力しており、サウンド回路と他の回路を分離するノイズガード設計や、日本ケミコンのオーディオ用コンデンサを採用。

 基板の分離部分をライティングするLEDは省かれていますが、同社のゲーミングマザーボードらしさを感じられる作りとなっています。

サウンド回路には、日本ケミコンのオーディオ用コンデンサを採用。
オーディオコーデック「Realtek ALC892」

UEFI「K OC」に対応。KモデルやPentium G3258など、倍率ロックフリーCPUのオーバークロックが可能。
筆者手持ちのPentium G3258を4GHzで動かす程度のOCは可能だった。

 また、GA-B85M-Gaming 3は、Intel B85 Express チップセット搭載マザーボードでありながら、UEFI上に「K OC」という項目が用意されています。

 本来、LGA1150対応チップセットの中で、オーバークロック関連の機能はIntel Z97 Express チップセットなど、Z系のチップセットでのみ有効なのですが、GA-B85M-Gaming 3は「K OC」を有効化することで、倍率ロックフリーCPUのオーバークロックが可能となっています。

 可能とは言っても、CPU用のVRMが3フェーズのGA-B85M-Gaming 3で、上位CPUのオーバークロックを行うことはお勧めできません。GA-B85M-Gaming 3のオーバークロック機能は、Pentium 20周年記念モデルであるPentium G3258を軽く弄る程度のオマケ機能と考えておくと良いでしょう。

 なお、Intel B85 Expressチップセットでのオーバークロックは非公式な対応であるため、今後UEFIがアップデートされるタイミングで、「K OC」の項目自体が削除される可能性がある点には注意が必要です。


PentiumやCore i3との組み合わせに適した低価格LGA1150マザー

製品パッケージ
ビジネス向けのB85チップセットを採用

 GA-B85M-Gaming 3最大の魅力は、実売価格で1万円を下回る安さでしょう。

 この価格帯のマザーボードは、部品に掛けられるコストが著しく限られるため、あらゆる面で簡素かつ低廉さを感じる仕様になりがちなのですが、GA-B85M-Gaming 3では、オーディオ用コンデンサとノイズガード設計を採用したサウンド機能を備えることで、他の低廉なLGA1150マザーボードとの差別化を図っています。

 メモリスロットや高速なストレージ用インターフェースの少ないGA-B85M-Gaming 3は、高価なCPUやビデオカードとの組み合わせには適しませんが、より安いコストでPCを組みたいというニーズに適したマザーボード。PentiumやCore i3あたりのCPUにはちょうど良い製品と言えそうです。

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