借りてみたらこうだった!
GIGABYTEのAPU向け高品質マザー「GA-F2A88X-UP4」をテスト
2013年12月4日 13:00
どーも、こんにちは。師走の忙しさにかまけて、提督業が疎かになっている瀬文茶です。
今回お借りしたのは、AMD A88Xチップセットを搭載したGIGABYTE製のATXマザーボード「GA-F2A88X-UP4」です。新プラットフォームであるSocket FM2+対応製品として登場した新マザーボードの魅力を探ってみました。
Ultra Durable 5 Plus準拠のSocket FM2+マザーボード
今回紹介するGA-F2A88X-UP4は、AMD A88Xチップセットを搭載するSocket FM2+対応マザーボードです。現時点で対応しているAPUは、Socket FM2対応APUであるRichlandやTrinityですが、将来的に次世代APU「Kaveri」に対応することが予定されています。
GIGABYTEの製品説明において、GA-F2A88X-UP4は、次世代APU「Kaveri」向けに設計した製品であると説明されています。実際、拡張スロットのPCI Expressスロットが、PCI Express 3.0対応となっているなど、現行製品であるRichland、Trinityではサポートしていない機能が実装されています。
また、GIGABYTEがIntel 8シリーズチップセット搭載するマザーボードで採用した独自の品質規格「Ultra Durable 5 Plus」に準拠していることも、GA-F2A88X-UP4の特徴です。AMD対応マザーボードを選ぶ際、電源周りの作りが気になる筆者としては、International Rectifier社のMOSFETとPWMコントローラを採用した6+2フェーズデジタル電源回路と、肉厚のアルミを採用した重厚感のあるヒートシンクの採用は魅力的な感じです。
充実のディスプレイ出力 ~ デジタル出力のみでトリプルディスプレイが可能
CPUにリッチなGPUを統合したAMDのAPU。それに対応するGA-F2A88X-UP4では、当然ながらディスプレイ出力用のポートが充実しており、バックパネル用IOにD-Sub、DVI-D、DisplayPort、HDMIの4種類のインターフェースを各一系統ずつ備えています。
各端子の最大解像度
・HDMI 1.4a … 1920×1200(FM2+ APU利用時は最大4096×2160)
・DisplayPort 1.2 … 4096×2160
・DVI-D … 2560×1600
・D-Sub … 1920×1200
かつてのオンボードGPUマザーボードでは、複数のポートを備えていても、デジタル出力は排他利用でどれか一つしか利用できないという仕様がよくありましたが、GA-F2A88X-UP4では、HDMI、DVI-D、DisplayPortのデジタル出力3系統によるトリプルディスプレイが可能となっています。
トリプルディスプレイが可能な出力端子の組み合わせは、HDMI + DVI-D + DisplayPort、または、HDMI + DVI-D + D-sub。アナログ出力のD-Subを追加して4画面出力…とはいかないものの、ビデオカードの追加なしでトリプルディスプレイが構築できるのは、APU対応マザーボードならではの魅力ですね。
Intelのメモリプロファイル「XMP」にも対応
メインメモリをビデオメモリとして利用するAPUの場合、メモリの動作クロックがAPU内蔵GPUの3Dパフォーマンスを大きく左右します。APUが備えるGPUが強力なだけに、Socket FM2+プラットフォームは、かつて無いほどメモリのスペックにこだわり甲斐のあるプラットフォームであると言えます。
GA-F2A88X-UP4では、ハイクロックメモリが利用しやすいように、AMDが独自に策定したメモリプロファイル規格「AMP(AMD Memory Profile)」に加え、Intelが策定したメモリプロファイル規格「XMP(Extreme Memory Profile)」をサポートしています。AMD向けに最適化されたAMP対応メモリを使うのが理想的ではありますが、現実として世に出回っているハイクロックメモリの大半がXMP対応メモリであることを考えると、この対応はありがたいですね。
実際に、XMPに対応するDDR3-2400メモリ「OCM2400CL11D-16GBN」を搭載してみたところ、UEFIメニューの「M.I.T.」から「Advanced Memory Setting」を開き、「Extreme Memory Profile(X.M.P.)」を「Disabled」から「Profile1」に切り替えるだけで、メモリクロックや電圧、メモリタイミングの設定が完了しました。
APUのスペックを超えるオーバークロックメモリの場合、XMPを読み込んで設定できたからと言って、必ずしも動作するとは限りませんが、これだけ簡単にメモリの設定が行えるというのは手間が掛からなくて良いですね。
参考までに、A10-6800KにDDR3-2400 CL11を組み合わせた場合と、DDR3-1600 CL11メモリを組み合わせた際のパフォーマンスを比較してみました。PSO2ベンチマークはビデオメモリの帯域幅がスコアに影響しやすいベンチマークテストであるため、DDR3-2400とDDR3-1600では6割近いスコア差がついています。ファイナルファンタジーXIVベンチマークでも3割程度の差がついているのが分かります。
・テスト使用機材
CPU AMD A10-6800K メモリ OCMEMORY OCM2400CL11D-16GBN OS Windows 8.1 Pro 64bit ドライババージョン AMD Catalyst 13.9
扱いやすく高品質なA88Xマザーボード。拡張性に期待するならAPU+ATXもあり?
現在、GA-F2A88X-UP4の実売価格は14,000~15,000円程度となっており、現在までに発売されているGIGABYTE製A88Xチップセット搭載製品の中では最も高い価格となっています。
比較高価なGA-F2A88X-UP4ではありますが、高性能なパーツを用いた電源回路を採用した他、電源スイッチやPOSTコードLEDなど、自作に役立つギミックをボード上に配置することで、扱いやすく高品質な製品に仕上がっています。
多数の拡張スロットが利用できるという、ATXマザーボードならではの拡張性と、次世代APUへの対応が確約されている将来性が魅力のGA-F2A88X-UP4。後々パーツ構成のアップグレードを考えて自作をするなら、なかなか魅力的な製品と言えそうです。
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