借りてみたらこうだった!

GIGABYTEのZ97搭載Mini-ITXマザー「GA-Z97N-GAMING 5」をテスト

ゲーム向けのポイントを押さえた小型モデル

GIGABYTE GA-Z97N-GAMING 5

 今回お借りしたのは、Intel Z97 Expressチップセット搭載のGIGABYTE製マザーボード「GA-Z97N-GAMING 5」。Mini-ITXフォームファクター準拠のLGA1150対応製品です。

ゲーミング仕様のLANとサウンドを備えるMini-ITXマザーボード

バックパネルIO。ゲーミング向けマザーボードながら、ディスプレイ出力はDVI-I、HDMI、DisplayPortと充実している。

 GIGABYTE GA-Z97N-GAMING 5は、同社のゲーミングモデル「G1 Gaming シリーズ」に属するMini-ITXマザーボードです。ゲーミング製品らしく、LANやサウンドにはこだわって設計されており、LANコントローラには「Qualcomm Atheros Killer E2201」を搭載。サウンド機能は「GIGABYTE AMP-UP Audio」に準拠しており、ニチコンのオーディオ用コンデンサや、バックパネルIOのヘッドホン端子出力用オペアンプを採用。Creativeのソフトウェアスイート「Sound Blaster X-Fi MB3」が利用できます。

 また、バックパネルIO付近に実装したmini-PCI Expressスロットに「Intel 7260HMW」を標準搭載。これにより、Wi-Fi(IEEE 802.11 a/b/g/n/ac)とBluetooth 4.0をサポート。M.2スロットやSATA Expressなど、Intel Z97世代のマザーボードのトピックとなった最新ストレージインターフェースは備えていませんが、Killer NICやこだわりのサウンド機能といった、ゲーミングマザーボードらしい装備はしっかりと備えています。

ゲーミング向けLANコントローラとしておなじみの「Qualcomm Atheros Killer E2201」。
Wi-FiとBluetoothを提供する「Intel 7260HMW」。
VRM部にヒートシンクを搭載。チップセット用ヒートシンクとはヒートパイプで接続されている。
オーディオコーデックはカニのマークの「Realtek ALC1150」。
ヘッドホン出力端子用のオペアンプ「N5532」。
サウンド回路にはニチコン製のオーディオ用コンデンサを採用。
拡張スロットはPCI Express 3.0対応のx16スロット。
SATAポートは6Gbps×5。全てIntel Z97チップセットによる提供。
GIGABYTE UEFI Dual BIOSに対応。


基板裏面は比較的シンプルでサードパーティー製CPUクーラーとの相性は良好

マザーボード裏面。実装部品の少ないさっぱりしたレイアウト。

 Mini-ITXマザーボードの場合、ATXやMicro ATXのように基板面積が広くないため、機能を満載した製品は基板裏面に実装部品を多く配置していることがあります。機能が多いことは悪いことではないのですが、裏面に実装部品が多いマザーボードは、干渉問題によりバックプレートを用いるタイプのCPUクーラーが取り付けられないことが珍しくありません。

 GA-Z97N-GAMING 5はオンボード機能の充実したマザーボードですが、基板裏面は実装部品が少なくさっぱりしています。特に、CPUソケット裏面周辺に大きな実装部品が無いので、バックプレートを用いるタイプのCPUクーラーとの相性は良好。Intelソケット専用のバックプレートが用意されたCPUクーラーであれば、バックプレートと裏面実装部品が干渉して取り付けられないという悲劇は起こらないでしょう。

CPUソケット周辺の実装部品が少ないので、バックプレート式CPUクーラーも搭載可能。
バックプレート式のCPUクーラー「CRYORIG C1」を搭載したところ。


最新版UEFIでDevil's Canyon/Pentium Anniversary Editionに対応

Core i7-4790Kも正式サポート

 GA-Z97N-GAMING 5は最新版(記事執筆時点)のUEFI(F3)で、話題のDevil's Canyonと20周年記念Pentiumに対応しています。Devil's Canyonの上位モデルであるIntel Core i7-4790Kは、単にオーバークロック対応というだけでなく、定格で4.0GHz、Turbo Boost時には最大4.4GHzで動作する、Intel最速の4コア8スレッドCPUです。

 Mini-ITXマザーボードというコンパクトさを生かして、基板サイズの小さいGeForce GTX 750 Tiあたりと組み合わせるのも面白いGA-Z97N-GAMING 5ですが、Intel Core i7-4790KとハイエンドGPUを搭載した強力なゲーミングPCを作るというのも面白そうです。

 幸い、Mini-ITX専用PCケースには、2スロットを占有する長大なビデオカードが搭載可能なものも多いので、コンパクトな高性能ゲーミングPCの自作はそれほど難しいものではありません。(予算が許すなら、ではありますが。)

GeForce GTX 750 Ti搭載カード「GV-N75TWF2BK-2GI」を搭載したGA-Z97N-GAMING 5。ややビデオカードがマザーボードからはみ出すものの、なかなかバランスが取れている印象。黒基板同士というのも統一感があって良い感じ。
Radeon R9 290X搭載カード「GV-R929XOC-4GD」を搭載したGA-Z97N-GAMING 5。170mm四方のMini-ITXマザーボードから大きくはみ出す長大なカードですが、キューブ型Mini-ITXケースなら、搭載可能な製品は珍しくありません。


ゲーミングマザーボードの要素を170mm四方に濃縮した1枚

 GA-Z97N-GAMING 5は、ゲーミング仕様のLANとサウンド、さらにWi-Fi・Bluetoothを備える充実したオンボード機能が魅力のMini-ITXマザーボードです。筆者としては、VRM部に放熱用ヒートシンクを備えている点と、バックプレート式CPUクーラーとの相性が良い点も見逃せません。CPUや電源回路の冷却がしやすいGA-Z97N-GAMING 5は、発熱が高めのDevil's Canyonとの組み合わせでも安心して利用できますね。

 GA-Z97N-GAMING 5の実売価格は税込18,500円弱と言ったところ。「とにかく安くコンパクトに」という目的にはマッチしませんが、Intel Z97 Expressチップセット搭載マザーボードとしてはそれほど高くない価格です。ミドルレンジ以上のGPUを搭載したゲーミングPCのベースとなるマザーボードとしては、適切な価格設定であると言えるでしょう。ゲームを楽しむという目的に特化した、シンプルかつコンパクトなゲーミングPCの自作を目指す方にお勧めの1枚です。