借りてみたらこうだった!
Plextor M6 PROの「付属キャッシュソフト」をテストしてみた
キャッシュONなら3,000MB/s超に
2014年9月30日 12:10
今回は、PlextorブランドのSSDの中でもフラッグシップと言える「M6 PRO」を国内正規代理店の株式会社リンクスインターナショナルから借りてみた。
PlextorブランドのSSDは、高性能でかつ信頼性が高い製品としてハイエンドユーザーに人気のある製品のひとつ。「M6 PRO」は「6Gbps SATAの限界」を追求したという性能や耐久性、安定したパフォーマンスが特徴とされている。
下位モデルのM6Sシリーズと比較して最大性能が高いのもウリで、M6 PRO専用の高速化ツール「PlexTurbo」やデータ移行ソフトの「NTI Echo3」、バックアップソフト「NTI Backup Now EZ3」が付属するなどの差別化が図られているのも特徴。
今回は、その「PlexTurbo」を中心にベンチマークの性能を紹介していこう。
SATA 6Gの限界性能に到達、専用ユーティリティで差別化
まず、ハードウェアのおさらいから。
搭載コントローラは同社お得意のMarvell製のサーバグレード品。ただし、M6Sシリーズとは型番が異なり、M6Sシリーズが採用していた(廉価版とみられる)「88SS9188」ではなく、8ch接続の高性能品となる「88SS9187」を採用している。
NANDメモリは、M6Sシリーズ同様にA19世代と呼ばれる東芝の第二世代19nmプロセスで製造されたToggle DDR対応のNANDメモリを採用、バッファ用のDRAMは今回お借りした256GBモデルでは512MBを搭載している。
なお、製品のラインナップは容量別に128GB、256GB、512GB、1TBの4種類。実売価格は税抜き10,000円弱(128GB)、17,000円前後(256GB)、35,000円前後(512GB)、65,000円強で、モデルによる主な仕様差は以下の通りだ。
型番 | 容量 | バッファ用メモリ | Seaquential Read/Write | Random Read/Write(IOPS 4KB) |
---|---|---|---|---|
PX-1TM6Pro | 1TB | 1,024MB | 545MB/s・490MB/s | 100,000・88,000 |
PX-512M6Pro | 512GB | 768MB | 545MB/s・490MB/s | 100,000・88,000 |
PX-256M6Pro | 256GB | 512MB | 545MB/s・490MB/s | 100,000・86,000 |
PX-128M6Pro | 128GB | 256MB | 545MB/s・330MB/s | 100,000・82,000 |
PlexTurboはソフトウェアによるライトバックキャッシュ6Gbps SATAの限界突破
さて、M6 PROは、実測で最大読み出し速度「542.8MB/s」をマークするなど、その性能は、6Gbps SATAのほぼ限界に達している。その限界を打ち破り、更にM6 PROを快適に利用するために付属しているのが、M6 PRO専用の高速化ツール「PlexTurbo」だ。
PlexTurboは、システムメモリをキャッシュに利用することでM6 PROの性能を高めるツール。PlexTurboは、ライトバックキャッシュとして動作しており、この機能を利用することで6Gbps SATAの限界を突破する超高速な読み書き性能を実現できる。
また、実際の書き込みは、一旦データをキャッシュに蓄えてから、M6 PROへ書き込まれるため、書き込み効率が最適化される。これによって、M6 PROの寿命を延長できるというメリットもある。
PlexTurboは、寿命推測やTRIM機能のオンオフ、Secure Eraseなどの機能を提供する「Plextools」の機能の一部として搭載されており、この機能のオン/オフは、Plextoolsから行う必要がある。Plexturboをオンに設定すると、OSが再起動されて、この機能が有効になる。
PlexTurboオンなら3,000MB/s超も
PlexTurboの効果は、以下のベンチマーク結果を見ても解るようにかなり大きい。
最大読み書き速度は、いずれも3,000MB/sオーバーを記録し、4KBのランダムリードライトも大幅に高速化。キャッシュに利用されている容量は「1GB」ほどで、この容量に収まるデータを扱っている限り、データの読み書きが大幅に高速化される、という寸法だ。
なお、グラフにはしていないが、Microsoft RichCopyで3.7GB分のファイルコピーを行ったところ、検証環境ではPlexTurboオンで124秒、PlexTurboオフで128秒だった。こうしたキャッシュ機能は、「キャッシュに収まらない場合の効果」も気になるものだが、少なくともある程度の高速化の効果はあるようだ。
8GB以上のメモリをパソコンに搭載しているなど、メモリ容量に余裕があるユーザーは、Plexturboをオンにしておくと良さそうだ。
【検証環境】CPU:Intel Core i5-4460(3.2GHz)、マザーボード:ASRock Z97 Extreme6(Intel Z97)、メモリ:ADATA Technology XPG Gaming Series AX3U1600GC4G9-2G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB ×2)、グラフィックス機能:CPU内蔵(Intel HD Graphics 4600)、シス
テムSSD:Samsung Electronics 840 MZ-7TD250B/IT(6Gbps SATA、TLC、250GB)、OS:Windows 8.1 Enterprise Update 64bit版。フ
ァイルコピー:Microsoft RichCopyを使用。1GBのファイル1個、4KBのファイル1.2GB分(30万個)、5MBのファイル1.5GB分(300個)の計
3.7GBのファイルのコピー時間。ファイルのコピーは、Microsoft Richcopyを利用し、コピー時のスレッドはすべて32に設定して計測
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