借りてみたらこうだった!
Thunderbolt 3を搭載したZ170マザー「GA-Z170X-UD5 TH」をテスト
耐久性重視の手堅い設計をベースに最新デバイスを搭載 text by 瀬文茶
2015年10月27日 11:30
今回はGIGABYTEより、Intel Z170チップセット搭載のATXマザーボード「GA-Z170X-UD5 TH」をお借りしました。
SkylakeことIntel第6世代Coreプロセッサーに対応するLGA1151マザーボードで、Intel製のThunderbolt 3/USB 3.1コントローラなどの最新機能を備えるほか、高耐久パーツの採用をウリとしたモデルです。
次世代インターフェースThunderbolt 3を搭載したIntel Z170マザーボード
GIGABYTE GA-Z170X-UD5 THは、Intel Z170チップセットを搭載したATXマザーボードで、基板サイズは305×244mm。
製品名の末尾に付与された「TH」は、多機能インターフェース「Thunderbolt」のサポートを示しており、GA-Z170X-UD5 THは最新のThunderbolt 3をバックパネルインターフェースに備えています。
専用ケーブルを用いることで、最大で40Gbpsの転送速度をサポートする次世代インターフェースのThunderbolt 3。コネクタには「USB Type-C」を採用しており、USB3.1やDisplayPort 1.2としても利用できる汎用性の高さも特徴。
GIGABYTE GA-Z170X-UD5 THでは、IntelのThunderbolt 3コントローラ「DSL6540」をPCI Express 3.0 x4(32Gbps)接続で実装することで、このインターフェースをサポートしています。
CPUソケットのLGA1151は、Intel第6世代Coreプロセッサー(Skylake-S)に対応。メモリスロットにはDDR4対応スロットを4本搭載。最大64GB(16GB×4)までのメモリを搭載可能で、メモリクロックは最大でDDR4-3800(オーバークロック対応)をサポート。
ストレージインターフェースとして、SATA 6Gbpsを6基、SATA Express(16Gbps)を3基、32Gbps M.2を1基、それぞれ搭載。このうちSATA 6GbpsとSATA Expressについては物理的のポートを共有しているほか、32Gbps M.2は拡張スロットのPCI Express x16(x4接続)と帯域を共有しています。
拡張スロットはPCI Express x16スロットと、PCI Express x1スロットを3基ずつ装備。いずれもPCI Express 3.0に対応しており、x16スロットがサポートしている最大レーン数は、CPUソケット側から順にx16、x8、x4。CPUソケット側から数えて2スロットは、CPU内蔵PCI Expressコントローラの提供によるもので、両スロットの拡張カードを搭載した場合は両方ともx8レーンでの動作となります。
サウンド回路以外の電解コンデンサには、高温環境で1万時間以上の長寿命を謳う日本ケミコン製の固体コンデンサを採用。銅配線層の厚みを2倍に増やした基板「2X Copper PCB」や、Dual BIOS(UEFI)など、耐久性や品質を重視した設計がなされています。
クロックジェネレータ―「Turbo B-Clock IC」搭載、ベースクロックのOCチューニングも可能
Skylake-SのオーバークロックモデルであるCore i7-6700KとCore i5-6600Kでは、マザーボードがクロックジェネレーターを外部に用意することで、ここ数世代のIntel製メインストリーム向けCPUでは困難だったベースクロックを調整するオーバークロックが可能となりました。
GA-Z170X-UD5 THはオーバークロック向けの製品という訳ではありませんが、この新たな仕様に対応するため、「Turbo B-Clock IC」と呼ばれるクロックジェネレーターを実装。UEFIの「M.I.T. → Advanced Frequency Settings」か、Windows上で動作するオーバークロックユーティリティ「EasyTune」で、ベースクロックの調整が可能となっています。
GA-Z170X-UD5 THが備える「Turbo B-Clock IC」は、Skylake-Sの定格ベースクロックである100MHzに対し、80~500MHzという幅広い設定値を持っています。ただ、ベースクロックはCPU、L3キャッシュ、内蔵GPUコア、メモリと連動しているため、ただ大きな数字を設定すればいいというものではありません。
外部クロックジェネレーターに対応するCore i7-6700KとCore i5-6600Kは、もともと倍率ロックフリーCPUでもあります。倍率で大まかなクロックに設定しつつ、ベースクロックで各ユニットのクロックを微調整することで、各ユニットのポテンシャルをより引き出せるオーバークロックを狙うのが、Skylake世代のベースクロック・オーバークロックなのです。
CPUやメモリの倍率だけを調整するオーバークロックは、簡単に性能の向上を図れる反面、調整できるクロックの最小単位が数十~100MHzと大きく、大味な設定になってしまうのが欠点です。倍率オーバークロックに柔軟なベースクロック調整を組み合わせれば、より細やかなクロック調整が可能となり、各パーツのポテンシャルをムダ無く引き出すオーバークロックが可能となります。
外部クロックジェネレータ―「Turbo B-Colock IC」を備えたGA-Z170X-UD5 THは、カジュアルなオーバークロックで簡単に性能向上を狙いたい方はもちろん、カリカリにチューニングしたいこだわり派の方まで楽しめるオーバークロック機能を備えたマザーボードであると言えるでしょう。
Kモデルとの相性もばっちりなIntel Z170マザーボード、Thunderbolt 3の将来性にも期待
GA-Z170X-UD5 THは、柔軟な調整ができるオーバークロック機能を持ったIntel Z170チップセット搭載マザーボードに、次世代インターフェースのThunderbolt 3を搭載したATXマザーボードです。
Thunderbolt 3を実装することでIntel Z170チップセット搭載マザーボードとしての機能がおざなりになっているようなことはなく、倍率ロックフリーCPUのKモデルと組み合わせでも、その特性を十分に楽しむことができます。
USB Type-Cコネクタを採用したThunderbolt 3やUSB3.1機器は、今はまだ普及が期待される段階ですが、最新の構成でPCを自作して長く使いたいと考えている方にとって、高速な外部機器との接続に利用できるインターフェースを標準で備えていることは魅力となるでしょう。
[制作協力:GIGABYTE]
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