借りてみたらこうだった!

約1.1万円で買えるB150搭載マザー「MSI B150M BAZOOKA」を試す

Windows 7インストール問題にも対応したコスパ良のゲーミングモデル text by 坂本はじめ

MSI B150M BAZOOKA

 今回、MSIよりIntel B150チップセットを搭載したmicroATXマザーボード「B150M BAZOOKA」を借用した。店頭価格(税込)約1.1万円と価格面でも魅力のあるLGA1151対応マザーボードの機能をチェックしてみよう。

モノトーンカラーのLGA1151対応ゲーミングマザーボードB150搭載の低価格モデル

バックパネルインターフェース。PS/2(マウス1/キーボード1)、HDMI、DVI-I、USB2.0×2ポート、USB3.1(Gen1)×4ポート、Gigabit LAN、音声入出力。

 MSI B150M BAZOOKAは、LGA1151対応の第6世代Core プロセッサをサポートするmicroATXマザーボード。コスト重視のゲーミング向けマザーボードという位置づけの製品であり、基板上に実装されたスロットやコネクタ類は白と黒のモノトーンで統一している。

 DDR4-2133動作に対応したDDR4メモリスロットを4基備え、最大で64GBまでのメモリを搭載可能。拡張スロットはPCI Express 3.0 x16スロット1基とPCI Express 3.0 x1スロットを2基装備。ストレージ用インターフェースにはSATA 6Gbpsを6ポートと、SATA 6Gbpsのうち2ポートとコネクタを共有する形でSATA Express 16Gbpsを1基備える。

 コスト重視のマザーボードであるB150M BAZOOKAだが、MSI独自の品質規格MILITARY CLASS 4に準拠しており、耐久性の高い固体コンデンサとチョークコイル(Dark Choke)を採用している。ボードサイズは235mm×228mmと、標準的なmicroATXマザーボード(244mm×244mm)よりやや小さい。

CPUソケット。LGA1151対応で、Intel第6世代Core プロセッサ(Skylake-S)に対応。
DDR4メモリスロット。DDR4-2133、64GB(16GB×4)対応。
SATA 6GbpsとSATA Express 16Gbps(PCI Express 3.0 x2)。
拡張スロット。x16スロット1基、x1スロット2基。いずれもPCI Express 3.0対応。
サウンド回路の分離設計を採用。

 ゲーミングマザーボードであるB150M BAZOOKAだが、搭載しているチップセットのIntel B150は、本来は小規模ビジネス向けとされているチップセットだ。パフォーマンス向けのIntel Z170 チップセットと比べると、マルチGPU対応、SATAのRAID機能、オーバークロック機能が省かれ、チップセットが提供するPCI Express 3.0レーン数も20から8に削減されている。

 もっとも、シングルGPU構成のゲーミングPCを作る場合、Intel B150 チップセットの仕様でも大きな支障はない。ミドルレンジGPUとCore i3~Core i5程度のCPUを組み合わせて作るゲーミングPC用としては好適だ。

Windows 7インストール時にUSBキーボード/マウスを強制認識既知の問題を回避する機能を搭載

 LGA1151プラットフォームをサポートするIntel 100シリーズチップセットは、USB 2.0コントローラの規格「EHCI」のサポートを終了し、USB 3.0の「xHCI」のみをサポートする仕様になっている。

 現行のWindows 10をはじめ、Windows 8以降のOSは標準でUSB3.0(=xHCI)をサポートしており、EHCIコントローラのサポート終了が問題になることは無いのだが、USB3.0が規格として成立する以前に発売されたWindows 7などは、標準でUSB3.0コントローラ用のドライバを持っていない。

 このため、LGA1151対応マザーボードにWindows 7をインストールしようとすると、マウスやキーボードなどを含め、USB機器を一切認識しないという問題が発生してしまう。

 MSI B150M BAZOOKAが備えるUSBポートも全てIntel B150チップセットによるものであり、Windows 7インストール時にこの問題が発生してしまうのだが、USB接続のマウスとキーボードをWindows 7インストール時に使用可能にする機能がUEFI上に「Windows OS Configuration」として用意されており、この問題を回避している。

「Windows OS Configuration」はUEFIの「Advanced」下のメニューとして用意されている。
Windows 7 InstallationをEnabledに設定すると、Windows 7インストール時にUSB接続のマウスとキーボードが使用可能になる。

 Windows OS Configurationにおいて、「Windows 7 Installation」を「Enabled(有効)」にすることで、USBポートに接続したマウスとキーボードが、xHCIドライバを持たないWindows 7のインストーラーでも使用可能となる。

 ただし、注意しなければならないのは、この機能で使用可能となるUSB機器はマウスとキーボードに限られるということだ。USBメモリやUSB接続の光学ドライブなどは利用することができないため、SATA接続の光学ドライブなどが必須となるが、事前にUSB 3.0ドライバを組み込んだインストールディスクを用意する手間を省くことができる。

USB接続の光学ドライブでWindows 7のインストールを試みた場合。インストーラー自体は立ち上がるが、この時点で光学ドライブが認識できないため、インストール作業は続行できない。
もっともシンプルな対策はSATA接続の光学ドライブを用意することだ。DVDドライブなら2,000~3,000円と安価で、Windows 7が必要な環境なら、無くて困ることはあっても、あって困ることは少ないだろう。

ゲームに限らず使えるコストパフォーマンスの高いmicroATXマザーボード

 ゲーミングマザーボードという位置づけのB150M BAZOOKAだが、約1万円というLGA1151対応マザーボードとしては安い価格と、MILITARY CLASS 4に準拠した耐久性の高さは、ゲーム用に限らずコストを抑えた自作PCを望むユーザーにとって魅力的だ。

 Intel 100シリーズチップセットでは一筋縄ではいかないWindows 7のインストールをサポートする機能も備えており、周辺機器やビジネスの都合でWindows 7環境の維持が必要なユーザーでも、選択肢に加えることができる。

 シングルGPU構成のミドルレンジ・ゲーミングPCを自作するもよし、トータルコストを抑えたPCを組むもよし。B150M BAZOOKAは、オーバークロックや豪華なオンボード機能を必要としない、割り切った自作に適した一枚である。

[制作協力:MSI]

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