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嫁にするならIntel、恋人にするならAMD?「AMD FAN DAY FESTIVAL」が開催

オリジナルの萌えキャラが登場、text by 関根 慎一

スタンプラリー参加者にはオリジナルグッズのプレゼントも行われた

 AMDのユーザーイベント「AMD FAN DAY FESTIVAL」が11月18日(土)に開催された。

 AMD製品に関する最新情報を伝えるステージと、関連PCパーツメーカー、PCパーツショップによるブース出展からなるファン感謝イベントで、会場は秋葉原UDX2階のアキバ・スクエアで実施された。

 会場はAMD製CPUの「Ryzen Threadripper」と、ビデオカードの「Radeon」シリーズを前面に押し出す構成となっており、PCパーツメーカーやパーツショップのブースでは、Ryzen ThreadripperとRadeonを組み込んだPCのデモを行なっていたほか、「PUBG」や「Forza Motorsport 7」といったゲームタイトルの試遊もできた。

 本イベントの開催に合わせて、2つのスタンプラリーも実施。1つは会場内のブースを巡回した来場者にグッズを進呈するもので、もう1つは秋葉原に点在する6店舗のPCパーツショップを巡回した人にRyzenやディスプレイなどが当たる催しだ。

事前登録した来場者にはグッズを進呈
キャップ、マウスパッド、ハンドスピナー、スマホスタンドの中から好きなグッズを選べた
インプレスが製作した冊子も無料配布された

AMDは極冷実演デモブースや「FreeSync」体験コーナーも設営ステージではRyzenのパフォーマンスや、Radeonのマイニング最適化ドライバなども紹介

 AMDはテーマ別に複数のブースを設けて製品アピールを実施。

 オーバークロッカー清水 貴裕氏による液体窒素冷却によるオーバークロック実演や、PC組み立て実演コーナー、ディスプレイ同期技術「FreeSync」体験コーナー、プレイシートとハンドルコントローラーを使ったForza Motorsport 7の試遊スペースなどを設置していた。

"改造バカ"高橋氏(左)とDOS/V POWER REPORTの佐々木編集長(右)による自作PC実演コーナー
FreeSync体験コーナーでは、ベンチマークやゲームでFreeSyncの有無を比較できた
オーバークロックコーナーで作業する清水貴裕さん
Ryzen Threadripper 1950Xに液体窒素を注いでいるところ
オーバークロックの様子はリアルタイムで背後のディスプレイに映されていた
プレイシートとハンドルコントローラーを使ったForza Motorsport 7の試遊コーナー
自宅ではなかなか構築しにくい環境とあってか、人気の展示となっていた
仮想通貨マイニング向け製品の展示
実際に稼働させているところ。マイニングについて係員に問い合わせている来場者もそこそこ見かけた

 また、ステージでは、ゲストによるトークセッションや、マザーボードが当たるクイズ大会が行なわれたほか、AMDやパーツメーカーの担当者から自社製品を紹介するプレゼンも実施された。

 AMDでは仮想通貨のマイニングに向けたGPUドライバを配布しているが、プレゼンでは登壇者がこれに言及して、Radeonのマイニング活用を推奨する場面もたびたび見られた。

ステージイベントはかなり盛況だった
AMDのステージ。プロセッサの歴史を振り返った
Ryzenの登場以来、世界的にも評判は上々の模様
ゲームでのパフォーマンスをアピール
こちらはPUBGのフレームレート
Radeonに関しては、仮想通貨のマイニング用途についても言及した
AMDはマイニング向けのドライバも公開している
メーカーのプレゼンは自社製品をアピール
マイニング用途に注目しているパーツメーカーもあった
クイズコーナーでステージに登壇する高橋氏と佐々木編集長
Ryzen Threadripperに関するクイズを出題
じゃんけんのハンドサインで回答。問題が簡単すぎて結局じゃんけんで絞りこむことに

メーカー・ショップはMOD PCの展示やゲームの試遊コーナーを設営

ブーススペースの様子。スタンプラリーも実施され、多くのユーザーが訪れていた。

 会場では関連メーカーやショップもブースを設けて製品展示を実施。

 MOD PCの展示やゲームの試遊、VR体験など、訪れたユーザーを楽しませていた。

AMDがスポンサードするプロゲーミングチーム「SCARZ」のブース
ASRockのブースでは、X399チップセット対応の「Fatal1ty X399 Professional Gaming」と「X399 Taichi」などを展示。「World of Tanks」の試遊が行なえた
ASUSはゲーミング向けの最上位モデル「ROG」シリーズのマザーボードを展示
「ROG ZENITH EXTREME」を使った作例で「PUBG」を試遊できた
MOD PCの作例を展示したBiostarのブース
関口徹氏によるMOD PCの作例
関西で行なわれた「自作erオフ会」で組まれたAMDテーマのMOD PC
前面は滝のように液体が流れている
GIGABYTEのブースでは「AORUS Gaming」シリーズのデモを実施
組み込んだ際に対応パーツのLEDが光るギミックを紹介していた
MSIでRyze Threadripper対応マザーボードの作例を展示。「CS:GO」の試遊も行なっていた
「X399 GAMING PRO CARBON AC」の作例
アークはゲーミングBTO PC「CROYDON」のRyzen 7搭載モデルで、「AVA」の試遊を実施
サイコム「G-Master Spear」の展示
ツクモは「G-GEAR」の台数限定モデルを用意
ツクモのLINEに登録した来場者向けに、つくもたんのA5判ノートを配布していた
ユニットコムブースでは、「Level∞ F-Class」のPCで、Acer「Acer Windows Mixed Reality HMD」を使ってGoogle Earth VRを試せた
セットアップの手間が軽く、安価で取り回しやすいのでブース展示でも使いやすいという
ドスパラは、GALLERIAのRyzen 5搭載モデル「ATR 5」を展示
マウスコンピュータ「NEXTGEAR-MICRO」を使って、いくつかのVRタイトルを試遊できた

ゲストトーク、「良い意味で驚かさせてくれるAMD、嫁にするならIntel、恋人にするならAMD」

高橋 敏也氏(左)、DOS/V POWER REPORTの佐々木編集長(右)

 ゲストによるトークセッションでは"改造バカ"高橋敏也氏とDOS/V POWER REPORTの佐々木編集長が登壇。

 メディア関係者の視点から、RyzenシリーズやRadeonへの期待について語られたので、その一部をお届けしよう。

[高橋氏]Ryzen Threadripperを手にして感じた印象は"ついにAMDが帰ってきたぞ"といったところで、先日別のところでやったイベントにも、たくさんのお客さんに来場いただきまして、関心の高さを実感しました。赤いので"ジオン軍"的なイメージもありますよね。

今、会場にいらしている方の年齢層をざっと見ると、Thunderbirdを焼き鳥にしていた方も多そうです。あの頃(2000年頃)のAMDの盛り上がりを知っている人は、RyzenやVEGAで見られるような盛り上がりは、『ついに我々の時代がまた来た!』という感じなのではないでしょうか。

[佐々木編集長]性能ではまた、最前線に戻ってきた感はあります。Intelと比較して、お互いの良いところ、悪いところも見えてくるので、メディアとしては記事作りも楽しいですね。

[高橋氏]Intelは現行のCoffee Lake-Sで価格も下げてきたので、またライバル関係という構図にもなっています。

[佐々木編集長]コア当たり、スレッド当たりの価格を考えると、今のAMDのCPUはお得感がありますよね。

[高橋氏]昔は『マルチコア』なんて言っていましたが、今は『メニーコア』と呼ぶじゃないですか。今のCPUは、本当にたくさんのコアを積むようになりました。私はよく動画のストリーミング配信をするのですが、配信用のマシンをRyzen 7 1800Xにしてみたら、やはりマルチスレッドがよく効くんですよね。

ただ、心配なのは、互換性というか、相性の問題です。アプリケーションではよく『最適化が進んでいない』という批判が聞かれますが、AMDでも代表的なアプリケーションやゲームタイトルには相当プッシュしているようですので、Ryzen Threadripperへの最適化は今後どんどん進むようです。M.2のRAIDも拡張されましたので、これも期待したいところ。

[佐々木編集長]UEFIも最初は荒削りな部分はあったのですが、Ryzenの登場から半年経過し、安定感を増していて、Ryzen環境も使いやすくなってきた印象です。

[高橋氏]何らかの不具合への対応を重ねることが最適化なので、使っていて『おかしいな?』と思ったらとにかくフィードバックすることが大事ですね。

まあ正直に申し上げると、Ryzen Threadripperにはもう少し頑張ってほしいです。Ryzen 7とRyzen Threadripperの間には結構なギャップがあるので、このあたりがどう埋まっていくかが気になっています。

[佐々木編集長]かなりロマンのあるCPUなので、性能で勝負してほしいところですね。コアの数の多さからいくと、非常にコストパフォーマンスが高いですし、特に動画を扱う場合は効くんですよね。

[高橋氏]エンコード全般ですね。これはコアとスレッドの力が強力に効いてきますので、是非試してみてほしいですね。

個人的には、今度出る『Ryzen Mobile』にも注目しています。これがAMDの謳う通りならば、一発で相当なマシンが組めてしまうことになりますが。

[佐々木編集長]IntelにもNVIDIAにもできない、AMDにしかできないことがこれから世の中に出てくるので、これは相当期待できますよね。

[高橋氏]あとは、IntelのCPUにRadeonが入ってるアレも、気になるところです。

[佐々木編集長]今年のAMDさんには、本当に良い意味で驚かされてばかりですよね。

[高橋氏]『びっくりするのがAMD』なんです。マニアックでいい。メジャーになんてならなくていいんです。

ところでRadeonはどうなんでしょう?

[佐々木編集長]VEGAも含めて、(GPUは)全体的にマイニングでニーズがあると思っています。パワレポの次の号でもマイニングの特集をやるのですが、Radeon RXシリーズはEthereumの発掘によく効くので、実際、需要がありますね。

[高橋氏]まとめると、『嫁にするならIntel、恋人にするならAMD』ですね。