ニュース
嫁にするならIntel、恋人にするならAMD?「AMD FAN DAY FESTIVAL」が開催
オリジナルの萌えキャラが登場、text by 関根 慎一
2017年11月22日 06:01
AMDのユーザーイベント「AMD FAN DAY FESTIVAL」が11月18日(土)に開催された。
AMD製品に関する最新情報を伝えるステージと、関連PCパーツメーカー、PCパーツショップによるブース出展からなるファン感謝イベントで、会場は秋葉原UDX2階のアキバ・スクエアで実施された。
会場はAMD製CPUの「Ryzen Threadripper」と、ビデオカードの「Radeon」シリーズを前面に押し出す構成となっており、PCパーツメーカーやパーツショップのブースでは、Ryzen ThreadripperとRadeonを組み込んだPCのデモを行なっていたほか、「PUBG」や「Forza Motorsport 7」といったゲームタイトルの試遊もできた。
本イベントの開催に合わせて、2つのスタンプラリーも実施。1つは会場内のブースを巡回した来場者にグッズを進呈するもので、もう1つは秋葉原に点在する6店舗のPCパーツショップを巡回した人にRyzenやディスプレイなどが当たる催しだ。
AMDは極冷実演デモブースや「FreeSync」体験コーナーも設営ステージではRyzenのパフォーマンスや、Radeonのマイニング最適化ドライバなども紹介
AMDはテーマ別に複数のブースを設けて製品アピールを実施。
オーバークロッカー清水 貴裕氏による液体窒素冷却によるオーバークロック実演や、PC組み立て実演コーナー、ディスプレイ同期技術「FreeSync」体験コーナー、プレイシートとハンドルコントローラーを使ったForza Motorsport 7の試遊スペースなどを設置していた。
また、ステージでは、ゲストによるトークセッションや、マザーボードが当たるクイズ大会が行なわれたほか、AMDやパーツメーカーの担当者から自社製品を紹介するプレゼンも実施された。
AMDでは仮想通貨のマイニングに向けたGPUドライバを配布しているが、プレゼンでは登壇者がこれに言及して、Radeonのマイニング活用を推奨する場面もたびたび見られた。
メーカー・ショップはMOD PCの展示やゲームの試遊コーナーを設営
会場では関連メーカーやショップもブースを設けて製品展示を実施。
MOD PCの展示やゲームの試遊、VR体験など、訪れたユーザーを楽しませていた。
ゲストトーク、「良い意味で驚かさせてくれるAMD、嫁にするならIntel、恋人にするならAMD」
ゲストによるトークセッションでは"改造バカ"高橋敏也氏とDOS/V POWER REPORTの佐々木編集長が登壇。
メディア関係者の視点から、RyzenシリーズやRadeonへの期待について語られたので、その一部をお届けしよう。
[高橋氏]Ryzen Threadripperを手にして感じた印象は"ついにAMDが帰ってきたぞ"といったところで、先日別のところでやったイベントにも、たくさんのお客さんに来場いただきまして、関心の高さを実感しました。赤いので"ジオン軍"的なイメージもありますよね。
今、会場にいらしている方の年齢層をざっと見ると、Thunderbirdを焼き鳥にしていた方も多そうです。あの頃(2000年頃)のAMDの盛り上がりを知っている人は、RyzenやVEGAで見られるような盛り上がりは、『ついに我々の時代がまた来た!』という感じなのではないでしょうか。
[佐々木編集長]性能ではまた、最前線に戻ってきた感はあります。Intelと比較して、お互いの良いところ、悪いところも見えてくるので、メディアとしては記事作りも楽しいですね。
[高橋氏]Intelは現行のCoffee Lake-Sで価格も下げてきたので、またライバル関係という構図にもなっています。
[佐々木編集長]コア当たり、スレッド当たりの価格を考えると、今のAMDのCPUはお得感がありますよね。
[高橋氏]昔は『マルチコア』なんて言っていましたが、今は『メニーコア』と呼ぶじゃないですか。今のCPUは、本当にたくさんのコアを積むようになりました。私はよく動画のストリーミング配信をするのですが、配信用のマシンをRyzen 7 1800Xにしてみたら、やはりマルチスレッドがよく効くんですよね。
ただ、心配なのは、互換性というか、相性の問題です。アプリケーションではよく『最適化が進んでいない』という批判が聞かれますが、AMDでも代表的なアプリケーションやゲームタイトルには相当プッシュしているようですので、Ryzen Threadripperへの最適化は今後どんどん進むようです。M.2のRAIDも拡張されましたので、これも期待したいところ。
[佐々木編集長]UEFIも最初は荒削りな部分はあったのですが、Ryzenの登場から半年経過し、安定感を増していて、Ryzen環境も使いやすくなってきた印象です。
[高橋氏]何らかの不具合への対応を重ねることが最適化なので、使っていて『おかしいな?』と思ったらとにかくフィードバックすることが大事ですね。
まあ正直に申し上げると、Ryzen Threadripperにはもう少し頑張ってほしいです。Ryzen 7とRyzen Threadripperの間には結構なギャップがあるので、このあたりがどう埋まっていくかが気になっています。
[佐々木編集長]かなりロマンのあるCPUなので、性能で勝負してほしいところですね。コアの数の多さからいくと、非常にコストパフォーマンスが高いですし、特に動画を扱う場合は効くんですよね。
[高橋氏]エンコード全般ですね。これはコアとスレッドの力が強力に効いてきますので、是非試してみてほしいですね。
個人的には、今度出る『Ryzen Mobile』にも注目しています。これがAMDの謳う通りならば、一発で相当なマシンが組めてしまうことになりますが。
[佐々木編集長]IntelにもNVIDIAにもできない、AMDにしかできないことがこれから世の中に出てくるので、これは相当期待できますよね。
[高橋氏]あとは、IntelのCPUにRadeonが入ってるアレも、気になるところです。
[佐々木編集長]今年のAMDさんには、本当に良い意味で驚かされてばかりですよね。
[高橋氏]『びっくりするのがAMD』なんです。マニアックでいい。メジャーになんてならなくていいんです。
ところでRadeonはどうなんでしょう?
[佐々木編集長]VEGAも含めて、(GPUは)全体的にマイニングでニーズがあると思っています。パワレポの次の号でもマイニングの特集をやるのですが、Radeon RXシリーズはEthereumの発掘によく効くので、実際、需要がありますね。
[高橋氏]まとめると、『嫁にするならIntel、恋人にするならAMD』ですね。