ニュース

教育向けロボット「RoboMaster S1」の講演会が開催、戦車風デザインでプログラミングや組み立ても楽しめる一台

製品の可能性や展望、意外な遊び方なども紹介

「RoboMaster S1」

 DJIの教育用ロボット「RoboMaster S1」の紹介イベント「『RoboMaster S1』講演会」が、8月28日(水)にTKP秋葉原カンファレンスセンターにて開催された。主催はツクモ。

 当日はメーカー担当者による製品解説や、DJI主催の大会に参加している競技者やガジェット好きの著名人によるRoboMaster S1の魅力の紹介、来場者向けの体験会なども行われた。

イベントはまずRoboMaster S1の紹介から、多くの機能を乗せたロボットを詳しく解説

DJI JAPAN株式会社プロダクトマーケティングマネージャーの皆川正昭氏。

 イベントでは、DJI JAPAN株式会社プロダクトマーケティングマネージャーの皆川正昭氏による「RoboMaster S1」についての製品解説がはじめに行われた。

 同製品は、教育用とされた組み立て式のロボット。Scratch 3.0とPythonによるプログラミングが可能で、モジュラー構造の本体は一からネジなどで組み立てる作業も楽しむことができるという。

組み立て作業も学べて楽しめるRoboMaster S1。
初心者向けと上級者向けに用意されたプログラミング機能。

 ハードウェアの機能として、AIと連動して使用することもできる「FPVカメラ」や高度な技術による振動制御を備えたピッチ回転範囲540度×65度の「メカニカルジンバル」、12個のローラーを装備した360度の移動を可能にする「メカナムホイール」などを搭載しているという。

本体の構造を解説。
一人称視点での映像をとらえる「FPVカメラ」、動作時のブレを補正する「メカニカルジンバル」、360℃移動を可能にする「メカナムホイール」などを備える。

 また、AI機能として人物を認識して追尾を可能とする「フォローモード」、数字やアルファベットが記載されている44種類のパネルを自動で読み取ることができる「ビジョンマーカー認識」なども備えられているという。

AIによる多くの機能を搭載している。
AIを使用した自動運転が行われている様子。ロボットが青のライン上で動作し、途中に信号機のマーカーを置くことで発進や停止の制御が行われている。

ロボット対戦競技「RoboMaster」の参加選手が語る競技向けの可能性や海外競技シーンについての解説も

小田英天氏と古澤美典氏。

 製品解説の後は、DJIが主催するロボット対戦競技「RoboMaster」に出場経験のあるニワカソフト株式会社取締役の小田英天氏と、九州大学大学院の古澤美典氏による「RoboMaster S1」の競技性と展望について語られた。

 RoboMasterは世界規模に成長した国際ロボット大会で、400校を超える学校から2万人以上の学生が参加し、知力・工学技術力・問題解決スキルを駆使して競い合うという。

大会での実際の様子
地上だけでなく空中で活躍するロボットも参戦。
大会の対戦ステージはかなり広いという。

 ロボットを使った大会というと、どちらかというと教育色が強いものが多い印象だが、「RoboMaster」はかなりエンターテイメント寄りな異色の大会となっている。

 大会はチームごとに戦闘を行うゲーム色が強いものになっており、各チーム7台のロボットを操り対戦を行う。地上を移動するロボットだけでなく、ドローンなども使用するため、空間の使い方も含めた戦略が勝敗を左右するとのこと。

 なお、ロボットの操縦はプログラムを併用して行うため、操縦の上手さだけでなく、いかに優秀なアシスト機能をプログラムで組めるかといった部分も勝敗に大きく左右する。実際、過去の大会ではプログラムを併用することで予想もしなかった攻撃方法を行ったチームもあったとのことで、対策不能なチームは何もできずに敗退することになったという。

 また、大会に参加するロボットはキットではなく各チームレギュレーションを満たしたロボットを開発する必要があり、自動車のレースに近い状況になっているとのこと。開発費がかなり高額になることもあり、海外では大手メーカーをスポンサーに持つチームも存在する。こうした部分もエンターテイメント色が強い要因になっているそうだ。

大会の「RoboMaster」で使用されているのはカスタム機だが、RoboMaster S1でも同様に楽しめる部分は多い。
RoboMaster S1には多くの可能性があるとのこと。
日本各地には8チームも存在するという。

RoboMaster S1を使って様々な遊び方を紹介、ユニークなアイディアに会場は驚愕

近藤義仁(GOROman)氏。

 講演の最後にはRoboMaster S1を使用して様々な遊びを株式会社エクシヴィ 代表取締役社長 近藤義仁(GOROman)氏が披露した。

 スマートフォンのジャイロ機能と同期してRoboMaster S1と一緒にダンスをしたり、VRを使用して仮想空間から現実に存在するRoboMaster S1を操作するSFの世界を思い起こさせるようなデモをおこなったりと、RoboMaster S1の可能性を紹介。

 クリエイターらしく、一般ユーザーがなかなか思いつかないようなユニークな使用方法を提案し、RoboMaster S1の様々な可能性を紹介した。

アーケードコントローラーを使用した操作の動画。
スマートフォンのジャイロ機能を利用して「RoboMaster S1」と一緒に踊る義仁氏。
RoboMaster S1とVRの同時使用のデモが行われている様子。

講演会後には体験会も実施、大会出場者の古澤美典氏と1on1も

 講演会後には来場者向けの体験会も実施され、「RoboMaster S1」を使用して来場者同士でのバトルロワイヤルや、古澤美典氏との1on1も体験することができた。

古澤美典氏と来場者の対戦中の様子。中には美典氏に勝利する人も。
[Amazonで購入]