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第3世代Ryzen Threadripperがデビュー、上位の3970Xは驚異の32コア/64スレッド
2019年11月30日 11:00
新CPUソケットを採用した第3世代Ryzen Threadripperが発売された。ラインナップは32コア/64スレッドの「Ryzen Threadripper 3970X」と、24コア/48スレッドの「Ryzen Threadripper 3960X」の2モデル。店頭価格は前者が税抜き233,800円(税込257,180円)、後者が税抜き164,800円(税込181,280円)。
新たなCPUソケット「Socket sTRX4」に対応した第3世代Ryzen Threadripper
Ryzen ThreadripperはAMDのHEDT(ハイエンドデスクトップPC)向けCPUで、今回の製品で3世代目となる。大きなトピックはプラットフォームの変更で、新たなCPUソケット「Socket sTRX4」とチップセット「AMD TRX40」が採用されている。Socket sTRX4では第1/第2世代のSocket TR4との互換性が無くなっており、従来のマザーボードに第3世代のCPUを搭載できないので注意が必要だ。
CPUには、デスクトップPC向けのRyzen 3000シリーズと同世代のZen 2マイクロアーキテクチャが採用。チップレット技術により、7nmプロセスのCPUダイ「CCD」と12nmプロセスのI/Oダイ「cIOD」とが1パッケージ化されており、CPUコアやキャッシュメモリのほかに、4チャネルのDDR4-3200メモリコントローラ、64レーンのPCIe 4.0インターフェイスなどを持つ。
AMD TRX40チップセットにも24レーンのPCIe 4.0が装備。NVMe RAIDをサポートするほか、USB 3.2 Gen2、SATA 6Gbpsなどの機能を備える。
なお、CPUとチップセットのそれぞれで、8レーン分のPCIeインターフェイスが双方の接続に用いられるため、プラットフォーム全体で使用できるのは72レーン(CPU 56レーン+チップセット16レーン)となる。
CPUのスペックをZen+アーキテクチャの第2世代と比較すると、最大コア/スレッド数は32コア/64スレッドで変わらないものの、ベース/ブーストクロックの向上や、L3キャッシュの倍増(64MB→128MB)、最大対応メモリの向上(DDR4-2933→DDR4-3200)、PCIeのバージョンアップ(PCIe 3.0→PCIe 4.0)などの多くの強化点がある。電力効率も最大で66%向上したという。
また、HEDT向けCPUのライバルであるIntel Core Xシリーズより高性能とアピールしており、ベンチマークテストの「Cinebench R20 nT1」において、Core i9-9980XEとの比較でRyzen Threadripper 3970Xが最大90%高いパフォーマンスを発揮したとしている。レンダリングソフト「V-Ray」の動作や、AndroidカーネルのコンパイルなどもCore Xシリーズより高速という。
Ryzen Threadripper 3970Xの主なスペックは、32コア/64スレッド、ベースクロック3.7GHz、ブーストクロック4.5GHz、L2キャッシュ16MB、L3キャッシュ128MB、TDP 280W。
Ryzen Threadripper 3960Xの主なスペックは、24コア/48スレッド、ベースクロック3.8GHz、ブーストクロック4.5GHz、L2キャッシュ12MB、L3キャッシュ128MB、TDP 280W。
CPUクーラーについては、リテールパッケージ品にも同梱されておらず、自前で用意する必要がある。ただ、Socket TR4とSocket sTRX4とでソケットの形状は変わらないため、従来製品を流用することもできる。ただし、TDPが第2世代CPU(250W/180W)より高いため、冷却性能が不足することの無いように要注意だ。
販売ショップはツクモeX.パソコン館、ツクモパソコン本店、パソコン工房 秋葉原BUYMORE店、ドスパラ秋葉原本店、ソフマップAKIBA②号店 パソコン総合館、パソコンショップ アーク、オリオスペック。
[撮影協力:ツクモパソコン本店とパソコン工房 秋葉原BUYMORE店]