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Intel最強CPU「Cascade Lake-X」の実力を徹底解説!年末のアキバでハイエンド自作を語りつくした!!

「年末特番!冬のハイパフォーマンスPC自作祭り!! 」レポート

DOS/V POWER REPORT誌上でもおなじみの顔ぶれが“ハイパフォーマンスPC自作”をテーマに語りつくしていじり倒す! 軽口を叩きつつもデータ満載の濃厚な内容
リアルタイム検証を含む長時間イベントながら会場は満員に!

 年の瀬迫る2019年12月22日、主催インプレス・協賛TSUKUMOの自作PCイベント「年末特番!冬のハイパフォーマンスPC自作祭り!! 」が東京・秋葉原のツクモパソコン本店で開催された。

 テーマは「ハイパフォーマンスPC自作」。11月末から販売が開始されたIntelの自作PC向けスーパーハイエンドCPU、Cascade Lake-Xこと新Core Xシリーズをお題に、CPUの実力チェック、4大マザーボードメーカーの新Core X対応製品のプレゼン、液体窒素による極冷オーバークロック実演など、“ハイパフォーマンス”なPC自作の世界を体感する盛りだくさんのイベントとなっていた。

改造バカ”高橋敏也氏と“KTU”加藤勝明氏が新Core Xを解説&検証実演

 第1セッションは“改造バカ”高橋敏也氏と“KTU”加藤勝明氏による、新Core Xの解説と実力検証の実演セッション。この日のために用意したベンチマークテストの結果をベースに、ライバルから1歩遅れて登場した新Core Xの実力や製品の立ち位置、具体的な用途と現状の課題などを考察した。第3世代Ryzen/Threadripperが登場し、CGレンダリングや動画エンコードなどでは絶対的なコア数に劣るIntel CPUが劣勢な点も見られたが、深掘りしていくと、コアあたりの性能という面では新Core Xのほうが強い面もあるという見解を示した。

 また加藤氏は、12月時点での流通量の少なさを指摘。プロ向け用途などにおいて安心感のあるCPUとして支持され、ソフトの最適化やプラットフォームの安定性などに優れている点には一定の評価をしつつ、そうしたニーズに応えるためにも「まずは製品の安定した供給を!」と述べた。

第1セッションに登壇した“KTU”加藤勝明氏と“改造バカ”高橋敏也氏

新Core X向けX299マザーボードを各社がプレゼンバトル、製品の魅力を余すことなく解説

 第2セッションは、コンシューマー向けマザーボードを展開するトップ4社による「プレゼンバトル」。ASRock 原口有司氏、ASUSTeK 市川彰吾氏、日本ギガバイト 渡辺隆之氏、MSI 新宅洪一氏の4氏が、新Core Xに向けてリリースしたX299マザーボードの新作のメリットをそれぞれアピールした。

 CoreX用マザーボードということで、各社とも製品グレードは高め。とはいえ、単に機能全部入り・高級部品で固めたリッチ構成に走った結果、見栄え以外に差がない、などということにはなっておらず、それぞれの特色が見える設計とアピールポイントが組み込まれており、ユーザーの志向によってメーカーと製品を選ぶことができるだろう。

ASRock 原口有司氏。この日はハイエンドモデル「X299 Creator」を中心に、高い拡張性や高品質・高安定設計のポイントなどを解説
ASUSTeK 市川彰吾氏。ASUSTeKの新X299マザーはグレードごとに絶妙な強弱をつけた3ラインナップ。最上位のRAMPAGE VI ENCOREはさすがの超リッチ仕様
日本ギガバイト 渡辺隆之氏。ラインナップは“ハイエンド”から“万人向け”まで3製品。「AORUS XTREME WATERFORCE」は水冷対応のスペシャルモデル
MSI 新宅洪一氏。ラインナップは2製品で、上位モデルは強力な電源回路と冷却装備、カードタイプのSSDインターフェースやリッチなLAN機能を搭載する

ハイパフォーマンスPCの最新自作事情、パーツの人気ランキングも発表

第3セッションは、高橋氏、加藤氏に加えて、急きょテクニカルライターの芹澤氏も登壇。加藤氏、芹澤氏(さらに佐々木編集長、第4セッションの清水氏も)はついウン時間前まで年末号の作業中だった

 第3セッションは、高橋氏、加藤氏に加え、自作PC系テクニカルライターの芹澤正芳氏も加わっての「ハイパフォーマンスPC自作最新事情」。ここでは、このイベントの直前に校了したばかりの「DOS/V POWER REPORT 2020年冬号」の特集「PCパーツ100選+700」を振り返りつつ、2019年を彩ったPCパーツのトークが繰り広げられた。

 この日は、ビデオカード、ストレージ、CPUクーラーを中心にベンチ結果やランキングが紹介されたが、イベントのテーマとリンクした話題としては、CPUクーラーが印象的。読者人気と汎用性という点では“今回も”サイズの虎徹 MarkⅡが高い評価を集めていたのだが、第1セッションの加藤氏の検証からもわかるとおり、新Core XをはじめとするハイパフォーマンスなCPUの運用には不安も。今後は簡易水冷クーラーという選択の重要性がさらに高まりそうだ。

絶大な読者人気を得ているサイズ 虎徹 Mark II。手頃な価格で扱いやすく、かつハイエンドCPUにも対応できる汎用性だが、2番手以降は性能重視のハイエンド空冷や簡易空冷が並ぶ

最後は清水貴裕氏による新Core Xの極冷オーバークロック実演、2つの環境を同時に操る

オーバークロッカーの清水氏

 第4セッションは、オーバークロッカーの清水貴裕氏による新Core Xの極冷オーバークロック実演が披露された。まずは小手調べ(と言うにはなかなかホットな展開)にCore i9 9900KSの極冷からスタートしたが、CINEBENCH R15完走は6.9GHz(スコアは3,013cb)、Windows起動は7.3Gzを達成した。メインのお題の新Core Xは、従来のCore i9/i7に比べると、冷やしにくく結果を伸ばしにくいとのこと。ただ、面白みがないかと言うとそうではないそうで、「当たりコアだけ倍率を上げるなど細かく設定していけるので、いじるのが好きな人にはいいCPU。ただ、そういうのをやっていると外が明るくなっていたりもする」と述べ、“いじり甲斐があるCPUである”という見解を示した。

 なお、Core Xは「じっくり冷やしこんでいったほうが安定しやすい」傾向だそうで、短時間で結果を出さなくてはならないイベントでのOCはなかなか難しとのこと。そのため、CINEBENCH完走にはかなり苦労していたが、複数回施行するうちに挙動がだんだん安定、最終的には5.6GHzで完走(スコアは5,436cb)を達成した。

今回も液体窒素を注ぐ注ぐ!何度見ても強烈なインパクト
2つの環境を同時にOCチャレンジするのは初めてかも?とのことだったが、なかなかのスコアが生で目撃できた

 なお、大盛況のうちに閉幕となった本イベントはYouTubeで生配信された。この模様は現在YouTubeのImpress Watch公式チャンネルでアーカイブを視聴できる。各種検証やランキング情報、各社のプレゼン内容の詳細については動画でご覧いただきたい。

【【年末特番!冬のハイパフォーマンスPC自作祭り!!】】