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“ポンプを使わない水冷クーラー”をNoctuaが開発中、新製品紹介イベント「Noctua Vision」が開催

Noctuaブランドオーナーも来日

 秋葉原の通運会館にて、Noctuaのファンミーティングイベント「Noctua Vision」が22日(土)に開催。

 当日はNoctuaブランドオーナー ローランド・モシック氏が初来日し、製品展示のほか、開発中の製品やNH-D15 G2シリーズ、Seasonicとのコラボ電源についてのプレゼンテーションが行われた。

開発中の製品がお披露目!ポンプ不要な水冷CPUクーラー「二相サーモサイフォンクーラー」

 今回のイベントで特に注目を浴びたのは「二相サーモサイフォンクーラー」という冷却システム。

 通常の簡易水冷クーラーはクーラント液をポンプで循環させているが、二相サーモサイフォンクーラーでは冷媒がCPUで熱され一度気化し、蒸気がコンデンサー(ラジエーター部分)で冷やされ、蒸気が液体に戻ることで再度CPU側へ冷媒が送られる仕組みが採用されている。

 このシステムを活用することでポンプが不要となり、ポンプの動作音や故障を気にすることがないとローランド氏は製品をアピールした。

 なお、発売時期については「2026年に製品を市場に投入できると考えている」というコメントを発表した。

独自形状のファンブレード設計を採用した「NF-A14x25 G2」の120mmモデルも紹介

 上記のほか、液晶ポリマーを採用した冷却ファン「NF-A14x25 G2」の120mmモデルも紹介された。

 製品は、進行方向に曲げられた独自形状のインペラを備えた120mmファンで、フレームとブレードの間隔をわずか0.7mmに減らすことで静音冷却性能をさらに向上させており、回転時には遠心力によりさらに間隔が小さくなるよう設計されている。

 また、etaPERFモーターやSupraTorqueによって気体圧力及び流量性能を向上させるという。

使用するCPUに最適なモデルを選べる「NH-D15 G2」やSeasonic×Noctuaでコラボした1,600W電源も解説

 開発中の製品だけではなく、販売されている製品「NH-D15 G2」や「PRIME TX-1600 Noctua Edition」についても語られた。

 NH-D15 G2は、同社製サイドフロー型CPUクーラーのフラグシップモデル。過去に発売された「NH-D15」と比較してヒートシンク表面積が20%増加したほか、ヒートパイプは6本から8本に増えており、Torxネジを使用したSecuFirm2取り付けシステムを採用している。

 最も注目すべき点は3種類のバリエーションが用意されていることだ。これらの3つのバリエーションはCPUとの接触面の凹凸に違いがあり、AMD及びIntel CPU各種の表面形状に合った設計が採用されているという。

 また、CPUのコア配置にも注視されている製品で、オフセットマウントを使用するとクーラーを少しずらして取り付けることができ、特にAM5環境では最大の熱源位置に圧力ポイントを移動させることが可能としている。

 PRIME TX-1600 Noctua Editionは、Noctuaの120mm径ファン「NF-A12x25」を搭載した容量1,600WのPC用電源。80 PLUS Titanium認証、Cybenetics ETA Titanium認証、Cybenetics Lambda A++認証を取得している。

 この製品の注目点は、NF-A12x25ファンと組み合わせて使用するために設計されたファングリルだ。

 できる限り乱流を減らすように設計・最適化されたグリルの支柱はファンの回転方向に対して放射状に配置されており、同じ風量でも騒音レベルが約2dBA軽減する効果があるという。

 また、全回転範囲において、Noctua Editionは通常版よりも8~10dBAほど静かな動作を実現したとアピールした。

過去に発売されたCPUクーラーやファンを多数展示ローランド氏のサイン会にはASUS×Noctuaコラボのビデオカードを持ち込むユーザーも

 製品プレゼンテーションのあとは、質疑応答の時間が設けられた。過去に発売された製品の後継機の有無、デイジーチェーン対応ファンが今後発売されるかどうかなど、質問が多く寄せられていた。

Noctuaブランドオーナーのローランド・モシック氏。
イベントではじゃんけん大会も行われ、多くのユーザーが参加していた。

 このほかイベントでは、ローランド氏のサイン会や、じゃんけん大会が行われ、多くの来場者が集ったイベントとなった。

製品展示も多数用意された。