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仮想通貨「ビットコイン」採掘用マザーボードが登場、約8千円~
独特なスロット構成
2013年12月28日 00:15
PCなどで「採掘」、実際の通貨と交換できることで話題になったP2Pタイプの仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」の採掘に最適、とうたうマザーボードが発売された。拡張スロット構成などが独特で、メーカーはもちろん(?)ASRock。
発売されたのは、LGA1150対応の「H81 Pro BTC」(H81チップセット)と、LGA1155対応の「H61 Pro BTC」(H61チップセット)の2製品。実売価格は順に9,280円、8,280円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
仮想通貨「ビットコイン」採掘用マザーボード
Bitcoinは、ピアツーピア(P2P)でやり取りされるネット上の仮想的な通貨。通貨を管理するサーバーや団体といった“中央銀行”はなく、クライアントソフトを導入したユーザー同士が決済に利用したりできるというシステム。「Open source P2P money」とも呼ばれている。
Bitcoinの入手方法は様々だが、大きな話題になったのが「採掘」で入手できること。これは、「miner」と呼ばれるソフトをPCに導入し、難解な数式を解くことでBitcoinを生成できる、というもの。PCのCPUやGPUのパフォーマンスが高ければ演算能力が上がり「採掘効率」も高くなるが、中でもGPUの並列演算は高効率とされており、ハイエンドビデオカードを並列動作させて「採掘」に励む向きもあるという。
最近では、オンラインゲーム会社がユーザーのPCにminerを仕込み、無断で“採掘”させていた例や、FPGAを使って「採掘チップ」を作成するといった例も報道されていた。
今回の2製品は、そうしたことを背景に、ビデオカードの搭載能力と安定動作に主眼を置いたもの。いずれも6基のPCIeスロットを備えており、マルチGPU構成にすることで演算能力を向上させようという趣旨だ。
とはいうものの、採掘に求められるのは「ビデオカードが多数搭載できること」だけらしく、スロット構成はPCIe x16が1基、PCIe x1が5基という偏った構成。マザーボード自体はシンプルで、DisplayPortや無線LAN、多数のSATA/USB 3.0ポートといった付加的な機能もなく、I/Oパネルの端子もHDMI、VGA、Gigabit Ethernet、USBなど必要最小限。メモリスロットも2基だけだ。H61 Pro BTCは6Gbps SATAとUSB 3.0も非搭載。
なお、基板上には「ビデオカードの外部電源供給用」という2基の4ピン電源端子が用意されており、マルチGPUでの安定動作も重視されているよう。また、PCIe x1スロットはエッジフリーではないので、その点には要注意。
ちなみにこのBitcoin、注目度の上昇からか、徐々に交換レートが上昇しているが、つい先ごろ「バブル崩壊」とも報道されている。ネット上のチャートを見ると、1単位1,200ドルにもなったビットコインが500ドル以下になるなど激しい値動きが記録されており、乱高下も激しいよう。通貨としての信認性があるのかどうかや、採掘効率の観点から「電気代をペイしないのでは」という意見、マネーロンダリング防止の観点など、様々な議論も出てきている。
[撮影協力:ドスパラパーツ館]