ニュース

魔改造の夜で製作した機体の展示やワークショップなどが人気、新しく生まれ変わった「Kyoto Micro Maker Faire 2026」企業ブースレポート

Kyoto Micro Maker Faire 2026は、京都工芸繊維大学 松ヶ崎キャンパスで開催された

 2026年4月26日、京都工芸繊維大学で、インプレス主催の「Kyoto Micro Maker Faire 2026」が開催された。

 Maker Faireは、メイカーと呼ばれるものづくり愛好家が、その成果を披露するお祭りであり、世界中で開催されている。日本では、毎年夏に東京で開催されているほか、京都やつくばなどでも開催実績がある。

メイン会場として使われた60周年記念会館

 京都では、過去に2019年、2023年、2024年の3回Maker Faireが開催されたが、今年から学生メイカーを主体とした「Kyoto Micro Maker Faire―Young Maker Edition」(以下KMMF)として再スタートした。Micro Maker Faireになったことで、以前より規模は小さくなっているのだが、その分入場料も無料になり、親子連れなどが気軽に参加できるイベントになった。

 KMMFでは、中学生や高校生、大学生といった学生ブースが中心であったが、学生を支援するスポンサー企業も出展していた。株式会社島津製作所やローム株式会社など、NHKの「魔改造の夜」への出場経験を持つ企業も展示を行っており、注目を集めていた。

 そこで本稿では、主に企業ブース展示を紹介する。なお、学生ブースの展示については、こどもとITにレポート記事が掲載される予定だ。

マイクロモビリティ開発体験ワークショップを行っていたスズキ

60周年記念会館1階の様子。来場者で一杯であった

 KMMFは、京都工芸繊維大学 松ヶ崎キャンパスの60周年記念会館をメイン会場として開催された。60周年記念会館は2階建ての建物だが、1階も2階も展示ブースと来場者で混雑しており、非常に盛況であった。

スズキ株式会社のブース
マイクロモビリティ開発体験ワークショップを無料で行っていた

 1階では、スズキ株式会社が、マイクロモビリティ開発体験ワークショップを行っていた。これは、モーターに偏心した重りをつけ、その振動で進むマイクロモビリティの組み立てを通じて、モノを作り上げるプロセスを体感できるというものだ。

 対象年齢は小学生以上で、所要時間は15分程度である。全部で6回開催されていたが、無料で参加でき、作成したマイクロモビリティを持ち帰ることができるということで、すぐに整理券がなくなっていた。

マイクロモビリティ開発体験ワークショップの様子。1回につき参加者は4名だ
モーターの後ろに電池ボックスを取り付ける
1階にはTシャツなどの公式グッズの物販コーナーもあった

魔改造の夜で製作した機体や社内モノづくりサークルの製作品を展示していた株式会社島津製作所

 株式会社島津製作所は、KMMFで最も大きなブースを出展していた。

会場内で最も大きなブースを出展していた株式会社島津製作所

 NHKの人気番組「魔改造の夜」のビニール傘滞空時間マッチで製作した「バサバサカサフライさん」に関する展示やデモを展示。

NHKの人気番組「魔改造の夜」のビニール傘滞空時間マッチで製作した「バサバサカサフライさん」に関する展示とデモを行っていた
「バサバサカサフライさん」と同じ仕組みで動いている
実際の動作の様子

 「魔改造の夜」出演がきっかけで誕生したモノづくりサークル「モノトコ」のメンバーが製作した、どんなものでも鑑定してくれる「映像言語変換式自動鑑定儀アポロ号」やAI搭載自動操縦ミニ四駆、オリジナルキャラの重ね押しスタンプなども展示されており、人気を集めていた。

「魔改造の夜」出演がきっかけで誕生したモノづくりサークル「モノトコ」
「モノトコ」のメンバーが製作した「映像言語変換式自動鑑定儀アポロ号」
アポロ号の下に鑑定したいモノを撮影したスマホを置くことで、そのモノの価値を鑑定する
「映像言語変換式自動鑑定儀アポロ号」の説明。鑑定が完了すると鑑定書が印刷される
鑑定士は5人いて、それぞれ何を重視して鑑定するかが異なる
ミニ四駆をAIによる自動操縦車に魔改造した
こちらの緑の車がAI搭載自動操縦ミニ四駆
オリジナルキャラの重ね押しスタンプも置かれていた
魔改造の夜で製作した機体を元にしたキャラクターの重ね押しスタンプ
2階には30以上のブースがあったがこちらも常に人で一杯だった

ロームは魔改造の夜で製作した機体や完全自立型AIチップを展示

ローム株式会社のブース

 ローム株式会社は、「魔改造の夜」で製作した「ヘラクレスリッパ」に関する展示や同社が開発した完全自立型AIチップ「Solist-AI」に関する展示を行っていた。

 ヘラクレスリッパは、実機や実機の分解モデルなどが展示されており、注目を集めていた。

「魔改造の夜」で製作した「ヘラクレスリッパ」に関する展示
「ヘラクレスリッパ」の実機
「ヘラクレスリッパ」の飛行動画

 また、Solist-AIは、クラウドやネットワークが不要で、単体で学習が可能なAIチップである。実際にブースでは、Solist-AIがセンサーの値を学習する様子のデモが行われていた。

ロームが開発した完全自立型AIチップ「Solist-AI」に関する展示
Solist-AIのデモ。ネットとの通信不要で、簡単な学習が可能
Solist-AI搭載評価用ボードの表面
Solist-AI搭載評価用ボードの裏面。中央のチップがSolist-AIである

独自の立体不織布製造技術Melooopを展示していた株式会社ワコール

株式会社ワコールのブース

 株式会社ワコールは、同社が独自開発した立体不織布製造技術Melooopに関する展示を行っていた。

独自の立体不織布製造技術Melooopについての展示が行われていた
手前にあるブラジャーや牛乳パックなどはすべてMelooopで製造されたものだ

 Melooopは、3台のロボットアームを使い、ロボットアームに持たせた3Dプリント型に溶けた樹脂繊維を吹き付けることで、立体成型を行う一種の3Dプリンターであるが、吹き付ける樹脂の種類、温度、距離、速度などのパラメータをコントロールすることで、成形物の固さなどの物性を自由に制御できることが特徴だ。

 Melooopは、実際に同社のブラジャーの製造に使われているほか、さまざまな応用が期待され、協業相手を探しているとのことだ。

Melooopの動作の様子。吹き付け装置と3台のロボットアームが分担して製造を行う
ロボットアームの制御プログラムの様子

UVプリンターと切削加工機を展示していたローランドディー.ジー.

ローランドディー.ジー.株式会社のブースに展示されていたUVプリンター「BD-8」

 ローランドディー.ジー.株式会社は、同社のUVプリンター「BD-8」とコンパクトな切削加工機「SRM-20」の展示を行っていた。

 BD-8は、重ねて印刷することで、凹凸のテクスチャをつけることが可能であり、実際に印刷物を触って手触りを実感することができた。

BD-8によるスマホケースへの印刷例
重ねて印刷を行うことで、凹凸のテクスチャをつけることができる
BD-8のカバーを開けたところ

 また、3つのつまみを回すことでさまざまな幾何学模様を作り出すSPIRO MAKERと、その模様を印刷するデモも行われていた。

3つのつまみを動かすことで、さまざまな幾何学模様を作り出す「SPIRO MAKER」

 SRM-20については、実際に切削されたものが展示されていたほか、SRM-20を使ったものではないが、金属の切削加工による部品を多用したかわさきロボット競技大会への出場ロボットも展示されていた。

切削加工機「SRM-20」
SRM-20で削り出したもの
かわさきロボット競技大会の出場ロボット

新製品を含むさまざまな製品を展示していたM5Stackのブース

さまざまな製品を展示していたM5Stackのブース

 M5Stackブースでは、新製品を含むさまざまな同社製品を展示していた。

StackChanが一斉に動くデモ
ピラミッド型の「AI Pyramid」によるリアルタイムビジョンのデモ
工業向けの製品。下にある製品は発売前のものも含まれる
カラー電子ペーパーを搭載した「Paper Color」
未発売の「CARDPUTER ZERO」。CARDPUTERの液晶を大型化したものだ
M5Stackの主力製品。5cm×5cmのStackシリーズはさまざまな場面で使われている

3DプリンターやCNC工作キットなどモノ作りを支える機器も展示

 その他の企業ブースもまとめて紹介。

 AvalonTech株式会社は、同社のCNC工作キットや直動スライダーのデモを行っていた。

CNC工作機械キットなどを展示していたAvalonTech株式会社のブース
CNC工作機械キットで削り出したもの
女の子の絵が直動スライダーによって動くデモ
先ほどとは手の位置や顔の向きなどが変わっている
裏側はこのようになっている

 また、株式会社サンステラは同社が代理店となっているBambuLabの3Dプリンター「A1 mini」と「X2D」を展示していた。

BambuLabの代理店である株式会社サンステラのブース。左がハイエンドのX2D。右がエントリーモデルのA1 miniである
X2Dは、デュアルノズル搭載でカラー印刷も高速にできる

 株式会社スイッチサイエンスは、M5Stackの「RollerCAN Lite」や6軸アームロボット「myCobot 280 RDK X5」のデモを行っていた。

株式会社スイッチサイエンスのブース
M5StackのRollerCAN Liteを利用して車を操縦するデモ
手前の黒い丸いものがRollerCAN Liteである
6軸アームロボット「myCobot 280 RDK X5」のデモ
前にはカメラが搭載されており、ハンドサインを読み取ることができる