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PCMを超える高音質デジタル方式「DSD」に特化したショップブランドPCが発売
DSDを手軽に再生、DLNAでの操作も可能
(2013/2/2 01:52)
PCMを超える音質を持つとされるDSD(Direct Stream Digital)再生に特化したオーディオ向けPC「Ritmo DSDPlay」がオリオスペックで販売中だ。
同店ブランドPCにラトック製USB DACを組み合わせたモデルで、DSD再生用ソフトもプリインストール、「細かい設定をしなくても、DSDの再生がすぐに行える」(ショップ)のがウリという。実売価格は268,000円。
同店では店頭デモも実施しており、DSDの再生を実際に聞くことも可能。また、発売を記念した「リニューアルレセプション」も2月2日(土)の13時まで実施。「温かいお飲み物を用意してお迎えします」(同店)としている。.
PCMとは異なるPDM方式でデジタル化、再生には専用DACが必須
DSDは、Super Audio CD(SACD)でも採用された高音質なデジタル技術。PCM方式の16bit/44kHzといったデータではなく、パルス密度変調(PDM)方式で1bit/2.8MHzなどといったかたちでデータ化されるもの。メーカーでは「1bitオーディオ」などと呼んでいる例もある。
PDMはPCM用のA/D変換の前段に使われており、通常は不要なデータを削除した上でPCMデータに変換されるが、DSDではこれをそのまま記録。再生時も(PCMに変換せず)そのままD/A変換することで『100kHzをカバーする再生周波数範囲と可聴帯域内120dB以上のダイナミックレンジを確保。「原音」にきわめて近い録音・再生を実現した』(Super Audio CDの解説より)とされる。
DSD自体は、以前より音質重視のオーディオマニア間で知られていたが、上記のような仕組みのため、録再ともにDSDに対応したDAC/ADCが必須。PCで再生するためのDACはこれまで10万円超の高価なものが中心だったが、昨年頃から6万円程度の安価な製品が徐々に出てきた。
DSD環境をプリセット、DLNAにも対応
今回オリオスペックが発売する、Ritmo DSDPlayは、同店が2012年10月に発売した完成PC「Ritmo」に、DSD対応のラトック製USB DAC「RAL-DSDHA1」を組み合わせたモデル。
PCには音楽プレイヤーソフトの「foobar2000」やDSD再生プラグインもプリインストール。PCを起動すると、foobar2000が自動的に起動するように設定されており、同店は「面倒な設定をすることなく、すぐにDSD再生が楽しめる」とアピールしている。
PC本体のRitmoは、同店が「Ripping Music Server」と呼ぶオーディオ向けのファンレスPC。DLNA対応のメディアサーバー機能も搭載されており、 DLNAコントローラーアプリを組み込んだタブレットからのリモート操作にも対応、PCディスプレイレスでiPadやAndroid端末などから再生操作を行うことも可能。
PCの主なスペックは、Core i5-2390T、Intel H61 Expressチップセット、メモリ8GB、SSD 120GB、DVDマルチドライブ、HDMI、DVI-D、Gigabit Ethernet、USB 3.0、8チャンネルサウンド(Realtek ALC898)、Windows 7 Professional 64bit。
本体サイズは幅390×奥行き225×高さ40mm。電源はファンレスの160W ACアダプタ。
ちなみに、オリオスペックでは、RAL-DSDHA1も単品販売中(59,800円/詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。他の安価な製品としては、コルグが1,000台限定で販売した「DS-DAC-10」(5万円前後)、ファームウェアでUSB経由のDSD再生が可能になるフォステクスの「HP-A8」(8万円前後)などが存在する。
[撮影協力:オリオスペック]