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つくる女がプロゲーマーとガチ(?)対戦
……ハンデ、妨害、リアル乗っ取りなど「何でもアリ」のお笑い対決に
text by 日沼 諭史
(2014/12/17 12:05)
恒例のAMD×つくる女イベントの6回目が12月13日(土)、ツクモパソコン本店で行われた。今回のお題は「ツクモDEつくる女 女の子がマルチゲーミングチームDetonatioNと戦っちゃうじょ!」だ。
このイベントは、女性クリエイターグループ「つくる女」のメンバーである声優の山下まみさんと、漫画家の羽生麻里さんが、PCに関連するディープなチャレンジを行っていくシリーズだ。
これまでは特定のテーマに沿ったPCを自作する内容が多かったが、この日は「プロゲーマーにFPSで対戦を挑む」という無謀な企画。対戦相手は、日本のe-sports拡大のために活動するプロゲーマーチーム「DetonatioN」に所属する、アジア大会優勝メンバーでもあるDustelBox選手。そして、DustelBox選手の応援として駆け付けたニコ生主で、「対戦中に顔がゆがむ」と話題の馬場祐樹選手の2人。馬場選手はDetonatioNに所属しているわけではないが、今回はこの2人で「DetonatioNチーム」を結成、つくる女と対決した。
つくる女の2人はFPSはほぼ素人のため、当然のことながらかなりのハンデ戦。しかし実際には、それを超えるあの手この手の“超ハンデ戦”に。果たして勝負の行方はいかに……!?
馬場選手、顔をゆがませ、体をのけぞらせる……
対戦に用いられたゲームは、FPSの金字塔Call of Dutyシリーズの最新作「Call of Duty: Advanced Warfare」。
マシンは、144Hz駆動を実現したBENQのゲーミングモニター「XL2430T」と、RADEON R9 280X 搭載PC 4セット。操作系は各自が自宅から持ち込んだが、「つくる女」勢はカラフルなイルミネーションが特徴のゲーミングキーボードRAZER「BLACKWIDOW CHROMA」と、RAZERの高精度マウス「DESTHADDER CHROMA」を持ち込んでいた。まさしくゲームに最適と言えるPCを4セット並べ、つくる女対DetonatioNチームの2対2のチーム戦が行われた。
4回戦い、勝ち数に応じて“独自の係数で”得られた点数が最終的に多い方が勝者となるルール。まず、DetonatioNチームが1回勝利した場合は10点だが、つくる女が勝利した場合は30点獲得できるという基本の(?)ハンデが設定された。
1回戦は、単純にキル数の多い方が勝ちということで、武器も制限することのないガチ勝負となった。
操作のおぼつかないつくる女チームの2人が右往左往している間に、的確かつ迅速な動きでDetonatioNチームの2人が狙撃し、あっという間につくる女チームの死体の山を築いていく。
一方、つくる女の山下さんはひたすらライフルをぶっ放し、「なかなか倒れないと思ったら(自チームのキャラだった)」などと言っている間にゲーム終了。キル数は4対34で圧倒的大差ではあるものの、山下さんが馬場選手を何度か倒すシーンも見られ、馬場選手が“顔をゆがませて”悔しそうに体をのけぞらせる場面もあった。
2丁拳銃状態の羽生さん、格好の餌食に
2回戦は、さらなるハンデを求めてDetonatioNチーム側にナイフ縛りの武器制限を課し、射撃は禁止された。
ここでつくる女の羽生さんは、何を思ったのかショットガンを2丁持ちする暴挙に出る。明らかに走るスピードが遅くなっていたが、武器の強力そうな雰囲気に気が大きくなったのか「動く必要などない」と余裕を見せる。
しかしながら、DetonatioNチームの2人は近接攻撃しかできなくなったにもかかわらず、迅速に間を詰めて「すっごく遅い」羽生さんを瞬殺。
その後もまるで忍者のように素早くトリッキーな動きで、つくる女の2人を追い詰めていく。さすがに動きの遅さに嫌気がさしたのか、羽生さんは2丁持ちを諦め、ナイフに持ち替える。DetonatioNチームをナイフ縛りにしたはずが、自身もナイフ縛りになるという意味不明な展開に。
不利な状況ながら確実につくる女を仕留めていくDetonatioNチームだったが、それでもやはりハンデが大きかったのか、最終的なキル数はつくる女が18、DetonatioNチームが28と、拮抗しそうなところまできた。
この時点でつくる女は2連敗、点数は0対20となっている。
山下さん、掟破りのキャラ乗っ取り
3回戦、このままでは勝てないと考えたつくる女は、観客席に代わりにプレーしてくれる助っ人を募った。立候補したのは、1人がFPSを「やったことがない」というあまり頼りにならなそうな人物、もう1人がFPS経験が豊富と思われるプレーヤーだ。
経験豊富と思われる助っ人プレーヤーは、巧みな操作で鋭い動きを見せ、馬場選手に「ヤバい」と言わせるほど追い込む。しかしながら、突如その助っ人プレーヤーの画面が真っ暗になるというマシントラブルが発生。
親切なDustelBox選手がPCのトラブル解決に当たっている間、なんと山下さんがDustelBox選手のマシンを乗っ取る。もはや「なんでもアリ」の体になってきた(笑
わざとらしくDustelBox選手のキャラの居場所を教え、丸腰状態で“的”になるようゆっくり動き、もう1人の助っ人プレーヤーに倒させるという、もはやハンデを超えた山下さんの単なる“ズル”により、PCトラブルを解決して戻ったDustelBox選手の必死の追い上げむなしく、つくる女の勝利となった。
3回戦までの点数は30対20となり、つくる女が逆転。
もはや「勝負」と言うより「ネタ大会」のような気もするが、とにかく勝利の行方は最終4回戦に。
謎のハンデが続々とDetonatioNチームを追い詰める……
そして4回戦。
最後は通常のバトルではなく、ステージのどこかにあるボールをゲットして自チームの枠に投げ入れる“Uplink”対決が行われた。
この対戦のハンデはなんと「50倍」。
つくる女側のシュートは1回50点、DetonatioNチーム側1回1点……というルールを見て「ちょっと待って下さいこれ、ポイントが…………」と気がつくDetonatioNチーム側、そして「あ……、これおかしいね、よく考えると」(山下さん)「だめ、、だめだよ気付いちゃ、現実をみちゃ……はい、そういうわけで~」(羽生さん)という、ネタそのもののやりとりを経てゲーム突入。
DetonatioNチーム側は、それでもプロの意地、1ポイントも入れさせまいと意気込んだものの、予想外とも言える羽生さんの活躍により、つくる女が5ポイント獲得。DetonatioNチーム側は、本来なら大差である20ポイントを稼いだものの、特別ルールを加味した結果は250対20、最終的な点数は280対50に。
プロゲーマーとのゲーム対決は、謎の大量ハンデ込みでつくる女の「勝利」という結果になった。
ちなみに、「敗者」のDetonatioNチームの2人は、わさびが大量に盛られた寿司をほおばることに。目を白黒させるDustalBox選手に、「リアクション芸じゃなく、本当にこれ、厳しいですよ」という馬場選手。そして最後に、つくる女メンバーのメークアップアーティストの手による女装まで両選手が約束させられる、という謎の展開をしつつ、お笑い番組化した「ガチ対決」は幕を閉じた。
次回のつくる女イベントは2015年1月17日(土)、同じくツクモパソコン本店にて、ASUSのタッチモニターを使った「液晶タブレットで書き初めしちゃうじょ!」というタイトルで開催される予定だ。
(12/18 5:22更新)ゲームPCの環境に誤りがあったため修正しました。
(12/19 19:50更新)選手の所属に誤解しやすい表記があったため修正しました。