プロダクトレビュー・ショーケース
ASRockマザーのWi-Fiカード用M.2スロットにカードを後付けして無線機能を追加してみた
チョイ前のお安めマザーにIntel AX210モジュールを導入する text by 芹澤 正芳
2024年10月3日 09:00
ASRockのマザーボードは、Wi-Fi/Bluetooth非搭載モデルでも後から追加できるように「M.2 Wi-Fi 向け Key Eスロット」を用意しているケースが多い。バックパネルカバーにもアンテナ取り付け用の穴が用意されている。
では、実際に増設する場合の手順はどうなのか。「B650 Pro RS」を例に試してみた。
安さ優先でWi-Fiなしにしたけど、やっぱりあったほうが使いやすい
ASRockの「B650 Pro RS」は、B650チップセットを搭載するATXサイズのマザーボード。ネットワーク機能は2.5Gの有線LANは備わっているが、Wi-Fi/Bluetoothは非搭載だ。筆者が機材のテスト用に購入したもので、そのときは「安いし、有線LANだけあれば十分」と思っていたが、場所を選ばずネットワークに接続したり、ゲームパッドやヘッドセットのテストにも使えたりするので、やはりWi-Fi/Bluetoothがあったほうが便利だなと最近では考えるように。
手っ取り早くUSBタイプのWi-FiやBluetooth子機を追加してもよいのだが、せっかく「M.2 Wi-Fi 向け Key Eスロット」があるのだから、それを有効活用するのがスマートというものだ。
ところがここで一つ難点が。ASRock純正のWi-Fiキットは、Intelチップセット向けの「Intel 802.11ax Wi-Fi 6E Kit」は国内でも流通しているが、AMDチップセット向けの「AMD 802.11ax Wi-Fi 6E Kit」は国内では発売されていないのだ。
ないものはどうにもならないし、Key E対応のWi-Fiカードなら大丈夫だろうという見込みで製品を探すことにした。バックパネルカバーの穴からアンテナを出すことを考えると、Wi-Fiカードだけではなく、アンテナやケーブルがセットになっているものがベスト。ということで選んだのがOKNの「AX210 WiFi 6e lanカード」だ。
IntelのWi-Fi 6E対応モジュール「AX210」を搭載したカードと長さ30cmのアンテナケーブル2本、アンテナ2本、拡張スロットに取り付けるためのブラケットがセットになったもの。カードは、2230サイズでKey EとKey Aに対応している。ワイヤレス機能はWi-Fi 6E(最大2.4Gbps)とBluetooth 5.3をサポートする。
M.2カードなので取り付けは簡単
早速取り付けてみよう。カードを固定するネジはマザーボードに付属しており、取り付けにはSSDと同じくプラスの精密ドライバーが必要になる。
マザーボード上で「M.2 WiFi」と印字されているのが「M.2 Wi-Fi 向け Key Eスロット」だ。ネジ穴にはオレンジのフィルムが貼られているのでそれをはがしてカードを取り付けてネジで固定。アンテナケーブルはカードに取り付けたままでOKだ。
続いて、マザーボード裏面にあるバックパネルカバーを固定しているネジを外して、カバーを取り除く。そして、アンテナケーブルをバックパネルの裏側を通して引き出す。このとき、ケーブルの先端にある六角ナットも外しておく。バックパネルカバーのアンテナ用の穴からアンテナケーブルの先端を出す。そして、六角ナットでケーブルを固定し、バックパネルカバーを戻してアンテナを取り付ける。これでハードウェアの作業は完了だ。
Windows 11 Pro(23H2)では、OSのインストール時に自動的でWi-Fiカードを認識した。OSインストール後に追加する場合も自動的に認識。Bluetoothドライバはインターネットに接続されている状態ならば、自動的に導入された。すんなり使えるようになるのはありがたい。
ちなみに、ASRockに確認したところ、AX210などPCI Express接続のWi-Fiモジュールであれば原則として対応できるそうだ。ただし、アンテナケーブルがバックパネルカバーまで届くかには注意してほしい、とのこと。B650 Pro RSでのアンテナケーブルは、筆者の実測では20cmでバックパネルカバーの穴までギリギリ、22cm以上あれば確実に大丈夫だった。Wi-Fiカード選びの参考にしてほしい。