プロダクトレビュー・ショーケース
CORSAIRの高コスパ水冷クーラーにLCDパネル搭載モデルが登場、「NAUTILUS RS LCD」を試してみた
光らないけどワンポイントアクセントは欲しい人向けの高性能モデル text by 坂本はじめ
2025年8月29日 00:00
CORSAIRのオールインワン水冷クーラー「NAUTILUS RS シリーズ」に、2.1型LCD(液晶)パネルを搭載した新作「NAUTILUS RS LCD」が追加された。ラジエーターサイズは240mmと360mmの2種類で、それぞれ黒と白のカラーバリエーションが用意される。
今回、NAUTILUS RS LCDの360mmホワイトモデルをテストする機会が得られたので、Ryzen 9 9950Xを搭載した白いPCに搭載して、2.1型LCDパネルのビジュアルや冷却性能をチェックしてみた。
2.1型LCDパネルを搭載したCORSAIRのオールインワン水冷クーラー
NAUTILUS RSシリーズは、CORSAIRの水冷クーラーとしては導入コストを抑えたモデル群で、LEDやファンの制御をマザーボード側で行う方式の製品。サイズやRGB LEDの有無などでバリエーションモデルが複数投入されている。
今回紹介する「NAUTILUS RS 360 LCD White(CW-9061030-WW)」は、360mmラジエーターにLED非搭載のファンを3基備え、ヘッド部分に2.1型のLCDを搭載したホワイトモデル。同タイプの製品には、同じく360mmラジエーターのブラックモデル「NAUTILUS 360 RS LCD Blck(CW-9061033-WW)」のほか、240mmラジエーターのブラックモデル「NAUTILUS 240 RS LCD Black(CW-9061031-WW)」およびホワイトモデルの「NAUTILUS 240 RS LCD White(CW-9061032-WW)」も用意されている。
対応CPUソケットはAMDのSocket AM5/AM4、およびIntelのLGA1851/1700。各CPUソケットに合わせたリテンションが付属している。水冷ヘッドの取り付けに使うネジは黒だが、ファンやラジエーター固定用のネジは本体カラーのホワイトに合わせたシルバー系のものとなっている。
表示のカスタマイズが可能な2.1型LCDパネル搭載水冷ヘッド
NAUTILUS RS 360 LCD Whiteの水冷ヘッドには、2.1型の円形LCDパネルが標準搭載されている。このLCDパネルはマザーボードのUSB 2.0 ヘッダーと接続することで動作し、ユーティリティソフトの「iCUE」で表示内容のカスタマイズが行える。前述のとおり、ファンとポンプの制御はiCUEでは行わない。
iCUE起動中はCPU温度をはじめとするPCのステータス情報や時刻などを表示することが可能なほか、クーラー側に設定を保存するデバイスメモリモードを利用することで、iCUEを立ち上げなくても任意の画像(GIF画像を含む)を表示することができる。
なお、水冷ヘッドには冷却液を循環させるためのポンプが内蔵されており、ポンプへの電力供給は4ピンFANケーブルを介して行う仕様となっている。
Ryzen 9 9950XでNAUTILUS RS 360 LCD Whiteの冷却性能をテスト
ここからは、Ryzen 9 9950Xを搭載したテスト環境でNAUTILUS RS 360 LCD Whiteの冷却性能をテストする。
なお、冷却性能に直接影響する要素ではないが、今回のテスト環境は白いPCパーツを中心に構築してみた。デザインもシンプルで白が際立つモデルなので、白系のPCを構築する際におすすめのモデルだ。
電力リミット=200WのRyzen 9 9950Xを冷やすにあたって、今回はNAUTILUS RS 360 LCD Whiteのファンおよびポンプの速度を最大の「PWM制御=100%」に設定した場合と、「PWM制御=50%」に絞った設定の2パターンで計測を行う。
テスト時の室温は約26℃で、負荷テストはCinebench 2024の「CPU (Multi Core)」。その他の条件などは以下の表の通り。

計測の結果、Ryzen 9 9950Xの温度リミット(TjMax)が95℃であるのに対し、PWM制御=100%設定時のCPU温度が平均74.4℃(最大75.9℃)、PWM制御=50%設定時は平均78.5℃(最大81.0℃)を記録。いずれも温度リミットまで十分に余裕のある温度を維持できていた。
今回のテストにおいて、Ryzen 9 9950Xは電力リミットの200Wの枠内で許容される最大限のパフォーマンスを発揮している状況であり、それだけの発熱をPWM制御=50%に絞っても余裕で処理できるNAUTILUS RS 360 LCD Whiteの冷却性能は、相当に優れたものであると言える。



冷却性能も十分、LCDパネル付きで手堅い水冷クーラーが欲しい人におすすめの1台
NAUTILUS RSシリーズは、CORSAIR製水冷クーラーとしては低価格帯モデルでありながら、ハイエンドクラスに引けをとらない冷却性能が魅力の製品だ。今回テストしたNAUTILUS RS 360 LCD Whiteも優秀な冷却性能を備えることは、Ryzen 9 9950Xを余裕で冷やせていたことからも伺える。
2.1型LCDパネルを標準装備するNAUTILUS RS LCDは、冷却性能やコストパフォーマンスの高さに魅力を感じながらも、ビジュアル面の物足りなさからNAUTILUS RSを選択肢から外していたユーザーにとって魅力的な製品となりそうだ。