ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

3D視点で立体感のあるアクションシューティング『ジェルダ』

この時期のキャリーラボのソフトは紙パッケージで、本作も同一形態となっていました。通し番号が振られているのも共通で、本作はPP17です。ちなみに、PP1はMZ-2000/2200用のタイトル『フライトシミュレーター+バクテリア』でした。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、まだまだパソコンが非力だった時代の1983年11月にキャリーラボから発売された、意欲的な3Dアクションシューティングゲーム『ジェルダ』です。

1983年12月号のパソコン雑誌に「3次元空間の敵を撃破せよ!」とのキャッチコピーで広告を掲載して、新発売をアピールしていました。通し番号はPP17-20でしたが、シリーズの最初となったPP1は『フライトシミュレーター』ともう1本のセットでした。

 1980年前後にマイコン・パソコンが登場すると、それらをターゲットとしてさまざまなソフトが発売されます。ゲームソフトもそのうちの1種類で、アクションやシューティング、パズルゲームなどが多数リリースされました。しかし、当時のマシンはどれも現代のPCほどパワフルではなかったため、多かったのはそれほどパワーを食わない固定画面のアクションやシューティングなどです。

 しかし、そんな時代でも処理の重い3D描画を用いたゲームに挑戦したソフトハウスもあったわけで、そのうちの1社が今回取り上げた『ジェルダ』を手がけたキャリーラボでした。月刊『ログイン』1986年10月号を見ると、キャリーラボは1981年に設立されたソフトハウス。1982年12月にソフトウェア開発専門会社の有限会社ゼロソフトを設立していて、『ジェルダ』を発売したのは1983年11月とあります。

 パッケージには「リアルタイムシミュレーションゲーム」と書かれていますが、今のジャンル分けでは「3Dアクションシューティング」となるのではないでしょうか。そんな本作のストーリーはゲーム中で語られるのですが、すべてローマ字で表記されていて読みづらかったため、漢字かなに変換して掲載しました。

タイトル画面では、操作方法を表示してくれます。ゲームが始まると自機が基地から旅立っていくデモシーンが流れるのですが、速度の速い機種でプレイすれば滑らかに動くので感動もひとしお。

 これは、惑星ジェルダの最終戦争の物語である。ジェルダ歴11259年、ジェルダ内で2大勢力、アンドロス国とメルデス国があった。両国は仲が悪く、経済関係も良くなく、その最中アンドロ国の大統領が暗殺され、それをきっかけに戦争が勃発したのである。メルデス国では最新戦闘兵器ヴェルガスを開発していた。この戦闘機は重力工学によって生み出された重力制御装置を装備しているため、機動性が良く前後左右に自由に移動できる。また強力ミサイルを同時に2発しかも4連射可能で、同時に爆弾を落とすことも出きる。しかし、この時点では4機しか製造されていなかった。

 一方アンドロス国では機能こそ良くは無いが多種多様の兵器を生産し、膨大な数を誇っていた。例を挙げると、偵察機テスラ、ピメル、無人機ジェミルダー、地上を歩くウォーカー、地上レーダーのトリピラム、その他さまざまな兵器を保有していた。しかもこれらをすべて次々に生産していたので、数ではこの国に勝る者はないというほどであった。この戦争は量のアンドロス軍と質のメルデス軍との戦いということができる。メルデス軍はヴェルガスの生産ピッチはそれほど速くないから、ヴェルガスが早めにやられてしまうと降伏しか無かった。そこで有能な戦士を選び、その結果あなたが選ばれたのである……。

BGMもなにも流れない静かな中を自機が進んでいくと、前方に敵が出現します。空中であればミサイル、地上物には爆弾を当てて破壊していきましょう。

 プレイヤーは最新鋭戦闘機ヴェルガスを操縦し、敵国アンドロス軍を撃滅することが目的となります。自機ヴェルガスの操作は、テンキーの2468でそれぞれ上下左右の移動、Xでミサイル、Zで爆弾となっていました。一部機種ではミサイルと爆弾がまとめて1つのキーに設定されていますので、あらかじめデモ画面で確認しておくのがよいかもしれません。

地上の何も無いところに爆弾を投下すると、ニョキニョキと地上物が生えてくることがあります。これがTOWERで、出現と破壊でそれぞれ2,000点獲得できます。自機は2万点で1UPするので、エクステンドのためには見逃さずにゲットしておきたいところ。

 ゲームが始まると、自機の離陸シーンが3Dワイヤーフレームで流れた後、ゲーム画面へと移ります。今回取り上げたPC-8801版では、ミサイルはXを押しっぱなしでも最大で4連射されるので、多数の敵が現れても対処可能でした。Zで投下される爆弾は照準が表示されないため、慣れるまではどのあたりに落ちるのかがやや分かりづらいのが難点でしょう。しかし、プレイ回数を重ねていけば自然と射程なども見えてくるため、問題はないかと思われます。こちらは1発ずつしか撃つことが出来ませんので、大事に狙っていきたいところ。

 画面右側上半分にはスコアとハイスコア、残機がそれぞれ表示されています。右側下半分はレーダーになっていて、メインスクリーンに表示されない敵キャラや敵弾などが描かれるので、適宜チェックしておきましょう。なお、敵弾はヴェルガスが止まっていると必ず当たるように飛んできますので、常に動き回っているのがコツです。

地上物の中には、ものすごい勢いで弾を吐いてくるものも。先手を取り損なって破壊できないと、画面外に消えても弾を撃たれることがあるので、出現即撃破が基本となります。

 画面写真を見れば何となくどんなゲームなのかが分かるかと思いますが、この当時のパソコン雑誌などでは本作を紹介するのに『3Dゼビウス』という表記が使われることもありました。実際にプレイしてみると確かにそれっぽい感じになっていて、アーケードゲームで例えるのであれば“非常に質素な”ワイヤーフレーム版『ソルバルウ』かもしれません。処理速度はやや遅いものの、1983年にこのレベルのシューティングゲームを実現していたことに関しては、さすがキャリーラボと言えるのではないでしょうか。

 地上のグラフィックに関しては、敵キャラ以外は道路が描かれる程度でしたが、簡素なラインだけではあるものの真っ暗な画面ではないので、空中を飛んでいる雰囲気がにじみ出ていたのはナイス演出だったといえます。

 難易度はやや高めで、例として挙げられる『ゼビウス』ほど多数の敵が一度に襲ってくることはありませんが、それでも弾を避けながら敵を破壊して先へ進んでいくのは苦労させられることでしょう。道中には、『ゼビウス』のソルと同じように隠された敵“タワー”が仕込まれていて、爆弾を落として出現させれば2,000点、破壊するとさらに2,000点といった隠し要素も盛り込まれていました。

『ゼビウス』に無敵のキャラクター・バキュラが登場したことで、似たような無敵キャラがさまざまなシューティングゲームに現れますが、本作にも六角形のヘキサという破壊不能キャラが出てきます。バキュラと違い、斜めに飛んでくるものもいるので油断は禁物。他の登場キャラは、ゲームを始めずにデモ画面を見ていると紹介してくれます。

 今回使ったPC-8801版は、PC-8801を使用している時であればゲーム中にFキーを押すと画面の乱れと引き替えに動作が速くなり、Sキーを押すと画面ノイズのない普通の動きへと戻ります。しかし、今ならばもっと早い機種を引っ張り出してきて遊ぶのが快適かもしれません。

 1983年当時としては最先端の雰囲気を感じさせてくれた『ジェルダ』はその後、続編となる『ジェルダ][』をリリースすることとなるのですが、そちらはまたの機会に取り上げたいと思います。

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