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ワイヤレスHDMIでPCやゲーム機の楽しみ方が変わる!?j5create「JVAW65」を試す

遅延はほとんど気にならず、大画面化のメリットのほうが大 text by 竹内 亮介

j5create「JVAW65」。実売価格は10,000円前後。トランスミッターケーブルとレシーバーケーブル、そしてUSB延長ケーブルが1本ずつ同梱されている

 PCやゲーム機を、大画面テレビや液晶モニターなど映像機器に接続する場合、基本的にはHDMIやDisplayPortといった有線ケーブルで機器同士を接続する。しかしそうした有線ケーブルを使わずに映像を出力できるのが、今回紹介する「ワイヤレスHDMI」という機器である。

 今回はj5createから、比較的安価で購入しやすい「JVAW65」が発売されたので、早速購入していろいろと試してみた。

形状はほとんど同じだが役割の違う2本のケーブルがセットに

 今回取り上げる「ワイヤレスHDMI」とは、文字どおりHDMIでの映像出力をワイヤレスで行えるようにする機器を指す。ただ、広く通称として定着しているわけでもないようだ。このような機器/機能自体が一般化、普及の途上にある、ということだろう。

 一般的な有線ケーブルを利用する場合、デジタル機器は映像機器の近くに設置しなければならない。仮に離して設置する場合は、部屋の中をケーブルが這い回ることになるので非常に見苦しい。

PCなどから映像出力を行うには、通常はHDMIケーブルなどを利用する必要がある

 一方で今回のようなワイヤレスHDMIを利用する場合、デジタル機器と映像機器を直接接続する必要がない。ワイヤレスHDMIで伝送できる範囲であれば、広い部屋の離れた場所に置くとしても、ケーブルを長々と引き回す必要がない。またそれぞれの機器を、別の部屋に設置してもよい。

 購入したJVAW65の構成はシンプルで、片方がHDMI、片方がUSBポートになっているケーブルが2本入っている。見た目はまったく同じように見えるのだが、役割が違う。片方は「トランスミッター」であり、送信側のデジタル機器やPCに接続する。もう片方は「レシーバー」であり、液晶モニターや大画面テレビに接続する。トランスミッターのUSBコネクターには「TX」、レシーバーのUSBコネクターには「RX」と書かれているので、間違えないようにしよう。

JVAW65のレシーバーを挿した映像機器に表示される待機画面。これで本製品の使い方/構成がひと通り把握できる。なお、JVAW65のレシーバーは、Miracastのレシーバーとしても利用可能だが、その場合は著作権保護がかかった映像は表示できない
HDMIコネクター側に「TX」と印刷されているのが「トランスミッター」。こちらを出力機器のHDMI出力に接続。ケーブルのもう一方の端のUSBコネクターも必ず接続
こちらは「レシーバー」。HDMIコネクター側に「RX」と印刷されている。こちらは映像を表示する機器のHDMI入力に接続。こちらのケーブルもUSB接続は必須だ

 使い方は非常に簡単だ。トランスミッター側のHDMI端子とUSB端子をPCやデジタル機器に挿し、レシーバー側のHDMI端子とUSB端子を映像出力機器(モニターやテレビなど)に挿せばよい。USB接続は給電用で、トランスミッター、レシーバーともに、HDMIコネクターとUSBコネクターの両方を接続しておく必要がある。動作の目安として、パッケージには5V1A以上の給電能力を要求しており、標準で5V500mAのUSB 2.0ポートでは足りず、5V900mAのUSB 3.2 Gen 1(USB 5Gbps)およびGen 2(USB 10Gbps)ポートでもわずかに下回っている。

 ただし、今回の検証で使った液晶モニターのUSB 3.2 Gen 1ポート、PCのUSB 3.2 Gen 2ポート、PlayStation 5のUSB 3.2 Gen 2ポートでは、問題なく利用できた。SwitchのUSB 2.0ポートはダメだったが、余っていたスマホの充電器に本機のUSBコネクターを接続することで、問題なく利用できた。また必要なのは5V1A(5W)の出力なので、USB充電器ならまず大丈夫だ。

USB接続は給電のために接続必須。PCのUSB 3.2 Gen 1ポートとGen 2ポートでは問題なく利用できた
Switchのドックが搭載するUSB 2.0ポートでは、JVAW65のトランスミッターケーブルは動作しなかった。スマホなどのUSB充電器で給電しよう

意外なほど普通に使える、操作や表示の遅延はほとんどない

 トランスミッターとレシーバーはあらかじめペアリングされた状態で出荷されているため、ユーザーが何か設定する必要はない。トランスミッターを接続したPCやデジタル機器で映像出力を行えば、レシーバーを挿したモニターに映像が表示される。今回のワイヤレスHDMIで伝送できる映像の解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)まで、リフレッシュレートは60Hzまでの対応。欲を言えばキリはないが、モバイル環境での利用と考えれば十分納得できる仕様だ。

PCで利用する場合、解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)、リフレッシュレートは60Hzまで

 検証では、レシーバーを大画面テレビと液晶モニターに接続し、PC、各種ゲーム機、Blu-rayレコーダーにトランスミッターを挿して動作状況を確認してみた。

 まずはPCからWindows 11のデスクトップや各種アプリを表示させると、きちんとドットのエッジが立った映像が表示された。ウィンドウを高速に動かすと描画が追いつかなくてカクつく場面もごくまれにあるが、基本的には不満のない映像だ。操作のラグもほとんど感じない。各種動画配信サイトの動画も問題なく表示される。

 ゲーム機やBlu-rayレコーダーでも同様で、SwitchやPlayStation 5のゲーム、PlayStation 5で再生したBlu-rayビデオディスクの映像も普通に表示される。これらの機器ではPC/Windowsで感じたカクつきのような状況は見られなかった。操作の遅延もほとんど感じないこともあり、“フレーム単位での操作ミスが生死を分ける”ようなシビアなゲーム/遊び方でもなければ普通に楽しめそうだ。SLG/AVGをじっくり遊びたいオジサンユーザー的にはストレスはほぼなしだ。

リビングのテレビの活用や旅先へのお供に

 ワイヤレスHDMI以外にも、Miracastを筆頭に映像をワイヤレスで表示する機能はいろいろある。しかし本機は、今まで検証してきたそういった機能と比べると、表示の遅延はほぼ感じないし、表示のクオリティも高い。総合的に考えて、「思っていた以上に普通に使えるな」という印象だ。目立つところには置きたくない“大きめなPC”から出力した映像を、リビングの大画面テレビに表示させる、といった使い方にオススメだ。

 またHDMIポートが利用できる状態になっている大画面テレビが設置されているホテルなら、ホテルの大画面テレビをPCやゲーム機のモニターとして使うのもよいだろう。プレゼンテーションでも、モバイルモニターやプロジェクター、操作用のPCの場所を選ばないのはなかなか便利だ。トランスミッターのインターフェースがUSB Type-Cの「JVAW60」などのバリエーションもあるので、自分が使いたい環境に合わせて使えるもの・使いやすいものを選んでみよう。

Switchのようなモニター“も”出力可能なモバイルゲーム機をワイヤレスで映像出力できるメリットは大きい