プロダクトレビュー・ショーケース

CORSAIRの人気高コスパ水冷クーラー「NAUTILUS」が進化、冷却性/扱いやすさを改良した「NAUTILUS II 360 RS」をテスト

デスクトップ画面が表示できるLCD搭載モデルもラインアップ text by 坂本はじめ

CORSAIR NAUTILUS II 360 RS LCD White

 CORSAIRの新型水冷CPUクーラー「NAUTILUS II RSシリーズ」が10月22日に発売される。一体型フレームの冷却ファンや新設計のFlowDrive 2Sポンプの採用を特徴としており、ラジエターサイズや本体カラー、RGB LEDやLCDパネルなどの違いにより、全部で10種のバリエーションが存在する。

 今回紹介するのは、白色の本体にLCDを搭載した「NAUTILUS II 360 RS LCD White」。新たに導入された一体型フレーム採用冷却ファンやLCDパネルなどのビジュアルや機能を確認しつつ、Ryzen 7 9850X3Dに搭載してその冷却性能を検証してみた。

よりシンプルで使いやすく進化したNAUTILUS II RSシリーズ

 10月22日に発売予定のCORSAIR NAUTILUS II RSシリーズは、一体型フレーム冷却ファンやFlowDrive 2Sポンプの採用を共通の特徴とするオールインワン水冷クーラーで、水冷ヘッドにLCDパネルを搭載する「NAUTILUS II RS LCD」、水冷ヘッドとファンにARGB LEDを搭載する「NAUTILUS II ARGB」、LCDパネルもRGB LEDも非搭載の「NAUTILUS II RS」の3モデルが存在する。

 NAUTILUS II RSの本体カラーはブラックのみだが、NAUTILUS II RS LCDとNAUTILUS II ARGBはブラックとホワイトの2色展開となっている。ラジエーターサイズは、全モデル240mmと360mmの2種類が用意されている。

 今回のレビューで使用するNAUTILUS II 360 RS LCD Whiteは、LCD搭載モデルであるNAUTILUS II RS LCDの360mm/ホワイトモデルだ。対応CPUソケットはIntel LGA1851/1700およびAMD Socket AM5/AM4。

 360mmサイズのラジエーターには一体型フレームの3連ファン「RS360 II Unified Frame Fans White」を標準で搭載。ラジエーターに冷却ファンを取り付ける作業は不要で、箱から取り出してすぐにPCに組み込むことができる。また、一体型フレームを採用したことで冷却ファンのケーブルも一元化され、PC接続用とデイジーチェーン用の4ピンFANケーブルを備える形となった。

ほぼ完成状態で箱に入っているので、取り出してすぐにPCに取り付けられる
360mmサイズのラジエーターを採用。標準の一体型3連ファン「RS360 II Unified Frame Fans White」だけでなく、120mmファンを3基搭載することもできる
CPUと接触するベースプレートは銅製で、CORSAIRブランドのサーマルグリスが塗布されている
対応CPUソケットはIntel LGA1851/1700およびAMD Socket AM5/AM4で、リテンションキットが付属している
一体型フレームを採用する3連120mmファン「RS360 II Unified Frame Fans White」
デイジーチェーン用の4ピンFANケーブルを備えている
3連120mmファンはPWM制御に対応しており、回転数は420~2,100rpm(±10%)

 水冷ヘッドに搭載するLCDパネルは、480×640ドット/60Hz駆動の3.5型IPS液晶パネル。PCとの接続にはDisplayPortを用いる仕様となっており、NAUTILUS II RS LCDはケース外にDisplayPortケーブルを引き出す際に利用できる拡張スロットカバーを同梱している。

 水冷ヘッド内部には7枚羽根のインペラを備えるFlowDrive 2Sポンプが内蔵されており、銅製のベースプレートから吸い上げたCPUの熱を効率的に冷媒へと伝導する。ベースプレートのCPU接触部には最初からCORSAIRのサーマルグリス「XTM60」が塗布されており、グリスを塗る手間を省いてCPUに取り付けられる。

水冷ヘッドには3.5型LCDを搭載。表示部には480×640ドット/60Hz駆動のIPS液晶パネルを採用
水冷ヘッドの動作に必要なケーブルは、LCDパネル用のDisplayPortと、ポンプ駆動用の4ピンFANコネクタの2本
DisplayPortケーブルをケース外に配線するための拡張スロットブラケットが用意されている

 NAUTILUS II RS LCDが備える3.5型LCDパネルは、DisplayPortケーブルをPCの映像入力に接続した状態でCORSAIRのユーティリティソフト「iCUEソフトウェア」を起動することで表示を制御することができる。

 iCUEソフトウェアでは、LCDパネルにCPUやファン速度などのステータス情報を表示するウィジェットを設定できるほか、480×640ドットのディスプレイとしてWindowsのデスクトップ画面を表示するモードに切り替えることができる。また、ディスプレイの表示方向の変更にも対応しており、90度ずつ画面表示を回転させることが可能だ。

3.5型LCDにはPCのステータス情報や天気/時刻などウィジェットを表示できる
表示するウィジェットなどはiCUEソフトウェアからカスタマイズ可能、表示方向の調整もできる
デスクトップ画面を表示するモードを選択することで、480×640ドットのディスプレイとしても使用可能

 NAUTILUS II RS LCDではLCDパネルの制御にはiCUEソフトウェアを利用する一方で、冷却ファンやポンプの制御にはマザーボードのUEFIやユーティリティソフトなどで行い、iCUEソフトウェアは使用しない。これは汎用の4ピンFANコネクタを使用しているためだ。

 先日レビューしたiCUE LINK TITAN II RXシリーズは、独自ケーブルを用いるiCUE LINKエコシステムとiCUEソフトウェアによって高度な制御を提供していたが、NAUTILUS II RSシリーズには専用ソフトウェアによる制御を必要としない汎用性とシンプルさに強みがある。さらに、冷却ファンの一体型フレーム化によって先代のNAUTILUSより配線がシンプルになった点は嬉しい進化ポイント。

冷却性能をRyzen 7 9850X3Dでテスト上位CPUをしっかり冷やして静音動作も狙える

 ここからは、Ryzen 7 9850X3DにNAUTILUS II 360 RS LCD Whiteを搭載して冷却性能を検証する。

 今回のテストでは、NAUTILUS II 360 RS LCD Whiteを長尾製作所製のオープンフレームケースに取り付け、冷却ファンのPWM制御を100%、50%、30%の3通りに設定して計測を実施した。テストに用いる機材や環境は以下の表の通りで、室温は約25℃。

NAUTILUS II 360 RS LCD WhiteをRyzen 7 9850X3Dに搭載して冷却性能を検証する

 冷却性能テストに用いる負荷テストは、CPUの全てのコアに高負荷をかけるCinebench 2026のMultiple Threadsテスト。これを最低実行時間30分で実行し、HWiNFO64 ProでCPU温度などのモニタリングデータを計測した結果が以下のグラフだ。

CPU温度│Cinebench 2026
ベンチマークスコア│Cinebench 2026
CPU消費電力│Cinebench 2026
冷却ファン/ポンプ速度│Cinebench 2026

 各設定ごとのCPU温度は、PWM制御=100%で平均81.4℃(最大83.1℃)、PWM制御=50%で平均85.6℃(最大87.2℃)、PWM制御=30%で平均90.0℃(最大92.0℃)。いずれもCPUの温度リミット(TjMax)である95℃未満を保っており、Ryzen 7 9850X3Dから最大限の性能を引き出している。

 TDP=120Wで電力リミットも162WのRyzen 7 9850X3Dは、現代のCPUとしては消費電力(=発熱)がそれほど大きい方ではないようにも見えるが、1基のCPUダイ(CCD)で100Wを超える電力を消費するその熱密度は相当に高く、冷却の難しいCPUのひとつだ。それを冷却ファンを600rpm弱にまで絞っても冷やしきれるNAUTILUS II 360 RS LCD Whiteの冷却性能は間違いなく優秀であると言える。

CORSAIR NAUTILUS II 360 RS LCD (ファン速度=PWM 100%)
CORSAIR NAUTILUS II 360 RS LCD (ファン速度=PWM 50%)
CORSAIR NAUTILUS II 360 RS LCD (ファン速度=PWM 30%)

優れた冷却性能をよりシンプルに実現するCORSAIR NAUTILUS II RS

 NAUTILUS II 360 RS LCD Whiteは、優れた冷却性能を備えたオールインワン水冷クーラーであり、3.5型LCDの制御を除けばCORSAIR独自のエコシステムに依存しない汎用性を備えている。そのうえで、一体型フレームの3連ファンの導入により配線も必要最小限となるように改良されており、先代のNAUTILUS以上に使いやすいCPUクーラーへと進化を果たした。

 10種類ものバリエーションが存在するのもNAUTILUS II RSシリーズの魅力であり、使用中のPCケースやマザーボードに適したビジュアルのモデルを選ぶことができる。高性能なオールインワン水冷クーラーを求めているユーザーにとって、機能面のみならず見た目の汎用性も高いNAUTILUS II RSシリーズは注目に値する新製品だ。