PCパーツ名勝負数え歌

【新連載/第1戦】白き冷却テクニシャン降臨! 「ASUS Dual GeForce RTX 4070 SUPER White OC Edition 12GB GDDR6X」

ASUSの価格重視ラインはデザインも冷却も魅力的 text by 芹澤 正芳

 ウィー! インプレスの配信ではスタン・ハンセン風の出で立ちでおなじみ? の芹澤正芳です。今回から、オッサンながら現役ゲーマーの筆者がゲーミング系を中心に気になるPCパーツをレビューしていく連載「PCパーツ名勝負数え歌」をスタートします。プロレスにおける“名勝負数え歌”が如く、芹澤 Vs. PCパーツでよき戦いを繰り広げていきたい! という意気込みであります!!

 ということで、初回となる第1戦は、2024年1月17日に発売がスタートしたNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 4070 SUPER」(以下RTX 4070 SUPER)を搭載する「ASUS Dual GeForce RTX 4070 SUPER White OC Edition 12GB GDDR6X」を取り上げたい。同GPUを搭載するカードは数多く発売されたが、ホワイトカラーで市場に勝負を仕掛けた姿勢に感銘を受けた筆者は、早速戦いを申し込んだ。

ホワイトカラーのRTX 4070 SUPERをいち早く投入

 ASUSのDualシリーズは、シンプルでコストパフォーマンス重視という位置付けだが、Dual GeForce RTX 4070 SUPER White OC Edition 12GB GDDR6Xは、実際に触ってみると予想以上に高い完成度を見せた。ホワイトカラーということもあり、「ハデなイケメンレスラーかと思ったら、意外にもいぶし銀のテクニシャンだった」というところ。まずは、スペックを紹介しよう。

ASUS Dual GeForce RTX 4070 SUPER White OC Edition 12GB GDDR6X(DUAL-RTX4070S-O12G-WHITE)。実売価格は12万7,000円前後

 RTX 4070 SUPERは、RTX 4070の強化版として登場した。CUDAコア数、2次キャッシュとも増加しながら、カード電力は200Wから220Wとわずかに上昇しただけで、上位GPUで285WのRTX 4070 Ti寄りのスペックを実現しているのが最大の特徴だ。WQHDでのゲームプレイをターゲットにしているが、超重量級ゲーム以外では4Kでもプレイできるポテンシャルを持っており、“アッパーミドルGPUの大型新人”と言える。

 そんなRTX 4070 SUPERを採用した本機は、ブーストクロックを定格の2,480MHzから2,520MHzに向上させたファクトリーOCモデル。「GPU Tweak III」アプリを使うことで、2,550MHzまでクロックをアップさせることも可能だ。

GPU-Zによる情報。ブーストクロックは2,520MHzと定格よりも40Hz高い
カード電力は220Wとこちらは定格どおり
GPU Tweak IIIを使うことで2,550MHzまでブーストクロックを伸ばせる

 冷却面の装備としては、2.56スロット厚相当で7本のヒートパイプを持つヒートシンクに、9.5cm径(筆者実測)のAxial-techファンを2基組み合わせたクーラーを搭載。高さや厚みを持たせて冷却力を確保しつつ、26.701cmとアッパーミドルGPUとしては短めのカード長を実現しているのがポイントだ。多くのPCケースに組み込みやすいのは強みと言ってよいだろう。

 カラーは基本ホワイトだが、上部がブラック基調で半透明のカバーとなっており、チラリと中のヒートシンクが見えるのがおもしろい。縦置きしても映えそうなデザインだ。バックプレートやコネクターカバーもホワイトで揃えている。

バックプレートも搭載。こちらもホワイト仕様だ
付属するコネクターカバーも白くなっていた
上部のカバーは半透明で中がちょっと見える
映像出力はDisplayPort1.4a×3、HDMI2.1a×1と標準的な構成
補助電源は16ピン×1。スペックシートには明記されていないが、上部側の4ピンが短いので12VHPWRコネクターの改良版である12V-2x6コネクターと思われる
従来の8ピン×2への変換ケーブルも付属

 ちなみに、ASUSではDual GeForce RTX 4070 SUPER White OC Edition 12GB GDDR6Xのタッグパートナーとして最適な16ピンを備えたATX 3.0対応電源の「Prime 850W Gold」を用意している。パッと見るとホワイトカラーだが、ひっくり返すとブラックになるリバーシブルカラーを採用するユニークなもの。ホワイト一色の自作にも、ホワイトとブラックのツートンで仕上げたい人にも対応できるのがおもしろい。

80PLUS Gold認証で850W出力の「Prime 850W Gold」。実売価格は2万2,000円前後
ホワイトカラーのように見えて、ひっくり返すとブラックになるリバーシブル仕様だ

小型ボディでも4K&高画質というヘビー級の戦いが可能!

 さて、性能チェックに移ろう。テスト環境は以下のとおりだ。比較対象としてGeForce RTX 4070 TiとGeForce RTX 4070を用意した。CPUのパワーリミットは無制限に設定。ドライバは「Game Ready 551.23」を使用している。

【検証環境】
CPUIntel Core i9-13900K(24コア32スレッド)
マザーボードMSI MPG Z790 CARBON WIFI(Intel Z690)
メモリMicron Crucial DDR5 Pro CP2K16G56C46U5
(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2)
ビデオカードASUS Dual GeForce RTX 4070 SUPER
White OC Edition 12GB GDDR6X
(NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER)、
ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC
(NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti)、
NVIDIA GeForce RTX 4070 Founders Edition
システムSSDWestern Digital WD_BLACK SN850 NVMe
WDS200T1X0E-00AFY0(PCI Express 4.0 x4、2TB)
CPUクーラーCorsair iCUE H150i RGB PRO XT
(簡易水冷、36cmクラス)
電源Super Flower LEADEX V G130X 1000W
(1,000W、80PLUS Gold)
OSWindows 11 Pro(22H2)

 なお、Dual GeForce RTX 4070 SUPER White OC Edition 12GB GDDR6Xには上部にパフォーマンス重視の「Pモード」と静音性重視の「Qモード」を切り換えるスイッチが備わっている。3DMarkだけは両モードで測定。それ以外はPモードに統一した。また、ブーストクロックは2,520MHzにしている。PモードをQモードは、GPU-Zで確認する限り、ブーストクロックやカード電力の設定に変化はなかった。

上部にPモードとQモードを切り換えるスイッチが備わっている

 まずは、3D性能を測定する定番ベンチマークの「3DMark」から見ていこう。

3DMarkの測定結果

 RTX 4070に対して、10~20%のスコアアップが確認できる。CUDAコア数が約20%増えているので順当と言ってよいだろう。その一方で、RTX 4070 Tiには8~10%およばないという立ち位置なのが確認できる。PモードとQモードでは誤差レベルの差しか確認できなかった。

 次に実際のゲームを試す。まずは、軽めのFPSとして「レインボーシックス シージ」と「Apex Legends」を実行しよう。レイトレーシングやアップスケーラーを使わない、ラスタライズ処理での性能をチェックする。レインボーシックス シージはゲーム内のベンチマーク機能を実行、Apex Legendsはトレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定している。

レインボーシックス シージの測定結果
Apex Legendsの測定結果

 レインボーシックス シージはRTX 4070に対してフレームレートは最大で約16%高く、RTX 4070 Tiには約8%落ちる。Apex Legendsは最大300fpsのゲーム。フルHDでは、どれもほぼ上限に到達している。4Kに注目するとDual GeForce RTX 4070 SUPER White OC Edition 12GB GDDR6Xは187.8fpsと十分高フレームレートが出ている。

 次は、NVIDIAのアップスケーラー「DLSS」に対応するタイトルを試そう。

 龍が如く8は、伊勢佐木異人町の鶴亀街道西周辺の一定コースを60秒移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定、「パルワールド」はゲーム開始地点近くに拠点を作り、一定コースを60秒移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定、Starfieldはジェミソンのロッジ周辺の一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定、サイバーパンク2077はゲーム内のベンチマーク機能を実行している。DLSS 3に対応する龍が如く8、Starfield、サイバーパンク2077はフレーム生成も有効した。

龍が如く8の測定結果
パルワールドの測定結果
Starfieldの測定結果
サイバーパンク2077の測定結果

 発売されて間もない龍が如く8、パルワールドもDLSSに対応していることもあって4Kでも快適に遊べるだけのフレームレートを出している点に注目したい。Starfieldも発売当初は描画負荷が非常に高いタイトルだったが、アップデートでDLSSに対応したことでその評価は大きく変わった。4Kでも十分遊べるのが分かる。

 唯一例外なのが、すべての光源をレイトレーシング処理する「レイトレーシング:オーバードライブ」設定を利用したサイバーパンク2077だ。さすがに描画負荷は強烈でアップスケーラー+フレーム生成のDLSS 3でも4Kではフレームレートはかなり低くなってしまう。飛び抜けた美しさを持つレイトレーシング:オーバードライブでもWQHDまでは十分なめらかな描画が可能な点をスゴイと言うべきだろう。

“静かで冷える”と内なる闘志を燃やすナイスガイ

 温度とクロックの推移をチェックしよう。サイバーパンク2077を10分間プレイした際の温度と動作クロックの推移を「HWiNFO Pro」で測定している。GPU温度は「GPU Temperature」、クロックは「GPU Clock」の値だ。室温は22℃。バラック状態で動作させている。ここではPモード、Qモード両方の結果を掲載する。

GPUの温度推移
GPUのクロック推移

 Pモード、Qモードとも平均で約61℃、最大でも63℃台と強烈に冷えている。このクラスのGPUで65℃以下をキープできているのは素晴らしい。これで簡易水冷のファンの音が大きいと思うほど、動作音も静かだった。地味に思えるDualシリーズも侮れない実力派であることが分かる。ブーストクロックもPモードとQモードでほぼ変わらず、2,620MHz前後で推移。しっかり冷えているのでブーストクロックも高めで維持されている。

 ホワイト統一で自作したい人向けの“映え”と“コスパ”を重視したモデルと思いきや、静かで冷えると長時間快適にゲームをプレイできるという玄人好みの仕上がり。「ルチャと思って戦ったらUインターだった」みたいな感じだろうか。

 思いのほか高い完成度に感心したスキに、スモールパッケージホールドで負けた気分であったと今回の勝負を締めくくりたい。