PCパーツ名勝負数え歌
Bluetoothと有線の同時接続が可能で2万円切りのゲーミングヘッドセット、Skullcandy「PLYR」は軽いのも最高だ
【第5戦】“ボイチャしながらゲームプレイ”に最適 text by 芹澤 正芳
2024年4月17日 09:00
ウィー! どうも芹澤正芳です。「PCパーツ名勝負数え歌」の第5戦はSkullcandyのゲーミングヘッドセット「PLYR」とマッチアップしていく。2022年10月発売と新しい製品ではないが、“Bluetoothと有線の同時接続が可能”で“2万円を切る”希少な存在なので取り上げることにした。無線/有線両対応は多いが、同時接続可能な製品は数が少なく、あっても高価なハイエンドモデルが中心だからだ。PLYRの使い勝手や機能は実際どうなのか。早速チェックしていこう。
スマホでボイスチャットしながらゲームプレイ
PLYR最大の特徴は、BluetoothとUSBまたはアナログ接続の音を同時に聞けること。スマホとBluetoothで接続してLINEやSkype、Discordなどのコミュニケーション系アプリでボイスチャットしながら、PCやPS5とUSBまたはアナログで接続してゲームの音も聞けるのが便利だ。ゲーム機自身にはボイスチャット機能がないNintendo Switchとの相性もバッチリと言える。
接続方式は、Bluetooth 5.2、3.5mmの4極ミニプラグ(アナログ)、USB(ヘッドセット側Type-C、デバイス側Type-A)の3種類。別売りのUSBドングルを使うことで、低遅延の無線接続も可能になる。ただし、Bluetoothと無線の組み合わせは音声がミックスされず、どちらか片方だけ聞こえる構造なので、導入を検討する場合はこの点には注意が必要。
ちなみに、Bluetoothとアナログ、USBを同時に接続した場合は、“Bluetoothとアナログ”の組み合わせが優先された。この状態からアナログのケーブルを抜いたところ、USB側の音が聞こえるようになった。
筆者がナイスだと感じる部分は、ワイヤレス対応だとバッテリーを内蔵する必要があるためどうしても重くなりがちだが、315gの軽さを実現している点だ。それでいて最大24時間のバッテリー駆動が可能、Type-Cによる急速充電に対応しており20分の充電で2時間の使用できる、という使い勝手のよさも優秀だ。
また、低反発のイヤーパッドは固過ぎず軟らか過ぎずの絶妙な装着感。側圧もキツ過ぎないほどよい感じなので、315gの軽さも相まって長時間の利用も苦にならなかった。長さを2段階で調整可能なサスペンションヘッドバンドによって頭を動かしてもズレにくいのもよいところ。音楽でノリノリになっても安心だ。
音量調整もミュートも左側面でサッと行える
ここからは実際の使い勝手に触れていこう。ボタンやコネクター類は左側面に集中。電源ボタン、音量調整のホイール、Type-Cコネクター、3.5mmの4極ミニプラグが備わっているほか、左側面全体の上下がボタンになっている。上側は音楽や動画の再生/停止および電話に対する応答/終了、下側は軽く押すとミュートの有効/無効、長押しするとサイドトーンの有効/無効になる、サイドトーンはマイクの音を確認できる機能。自分の声がどう聞こえるのか、マイクの音量に問題がないのかチェックしたいときに便利だ。
音量調整のホイールを押し込むとEQモードの変更ができる。EQモードは用途別の設定が用意されており、押し込むたびにMUSIC→CUSTOM→SUPREME SOUND→FPS→RPGの順序で切り換わる。CUSTOMは専用のWindowsアプリやスマホアプリのイコライザー機能でユーザーが独自に作ったプリセット、SUPREME SOUNDはSkullcandyが独自にゲーム用に調整したプリセットだ。
取り外しが可能なマイクブームは、マウスのクリック音やキーボードの打鍵音といったノイズをカットして音声を聞き取りやすくする「クリアボイススマートマイク」を採用。あまり折り曲がらないので口元に近付けにくいのはちょっと残念だが、ミュートにすると先端にあるLEDが光るので状況を一目で把握できるのはありがたい。
ちなみに、ヘッドセット本体にもマイクが内蔵されており、マイクブームを取り付けなくても通話は可能だ。外出先や移動時など、マイクブームを取り付けたくない/取り付けにくい場面でも通話する必要がある、といったシチュエーションにも対応できるのは便利。
専用アプリは、Windows、iOS、Android用が用意されている。EQモードとしてジャンル別にSUPREME SOUND/MUSIC/PODCAST/MOVIE/FPS/MMO/RPGが用意され、独自のプリセットを作って保存も可能だ。Windows版では10バンドと音域を細かく調整ができ3種類まで保存が可能。iOS、Android版では5バンドでの調整で1種類の保存になる。
アプリで非常にユニークなのはESP機能だ。これは自分の聴力を測定し、最適化してくれるというもの。ノイズが鳴る中でビープ音がどこまで聞こえるのかの測定を繰り返すことで微調整が行われ、筆者の場合は最適化することで格段に聞きやすくなった。やってみる価値はあるだろう。
そして、実際ゲームでの実用性はどうなのか。音の聞こえ方には個人差はあるが、筆者としては聞きやすいフラットな音質だと感じた。銃声や足音の方向も十分把握しやすく、EQモードでFPSを選べばより強調できる。ガチの勝負には十分使えると言ってよいだろう。
ユーザーの好きなスタイルで使える柔軟性が強み
Bluetoothと有線の同時接続、それで軽量のボディ、長時間のバッテリー駆動、個人の聴力に最適化が可能、操作しやすいボタンやホイール類と使いやすい機能を揃えて2万円以下を実現しているのはグレイト!と言いたいところ。 マイクブームが視界に入ると気になるタイプの筆者としては、マイクブームを外した状態でもヘッドセット内蔵のマイクで通話できるのは地味にありがたい。
ユーザーの使用スタイルに合わせて柔軟に対応できるのは、抜群のレスリングの実績とプロレス頭を持ち、マイクから総合格闘技まで器用かつ理不尽にこなすケンドー・カシンを思い出させる。スマホで友人と通話しながら、ゲームを遊びたいというなら、チェックして損のないゲーミングヘッドセットだ。