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PUBGも高画質で遊べる! MSI製ゲーミングノート「GE63VR 7RF RAIDER」をテスト

Core i7にGeForce GTX 1070、液晶は120Hz/3msの高性能品 text by 浅倉吉行

 MSIはゲーミングノートPCを積極的に展開しており、この分野では人気のモデルを多数販売している。

 MSI製のモデルは、同社が持つ冷却ノウハウの向上や、CPU/GPUの進化もあいまって、デスクトップPCでしか満足に動かなかったようなゲームも、ノートPCで快適に遊べる状況になりつつある。特にGPUのGeForce GTX 10シリーズはデスクトップ向けと同じものが搭載されており、ある意味、今がゲーミングノートPCの買い時といえるだろう。

 そういったMSI製のゲーミングノートPCの中から、今回はCore i7 + GeForce GTX 1070搭載モデル「GE63VR 7RF RAIDER」のレビューをお届けする。高性能なゲーミングノートPCは高価なこともあり、失敗が許されない買い物だ。性能とあわせ、本機ならではのポイントを紹介しよう。

Core i7-7700HQ + GeForce GTX 1070搭載のハイスペックモデル、液晶やサウンドもゲーミング仕様

 2017年7月に発売された本製品GE63VR 7RF RAIDER(003JP)は、CPUにインテル第7世代Core i7 7700HQを搭載し、GPUにはGeForce GTX 1070、ディスプレイは15.6インチ・フルHDの液晶を搭載するモデルだ。実売価格は税込みで約28万円。

GE63VR 7RF RAIDER(003JP)
底面にはドラゴンの意匠が施されている
本モデルでは新バージョンのMSIロゴが設置されていた

 液晶は応答速度3ms、120Hzのハイリフレッシュレートに対応した高性能品となっており、RGB LED搭載のSteelSeries製キーボードを採用する点も特徴だ。サウンドまわりはオーディオエンハンサーのNahimic 2を採用、さらにオーディオを活かすために大型ステレオ2基とウーファー2基を装備し、迫力のある高音質サウンドを実現する「GIANT SPEAKER」を搭載した、いわゆるゲーマー向け装備を様々なところで採用した至れり尽くせりの内容となっている。

 外観はMSIの高級モデルと同様にアルミフィニッシュのスタイリッシュな仕上げとなっており、ハイエンゲーミングノートPCに似つかわしくなく、薄型に収まっている。

 基本的なスペックは以下を参照してほしい。

製品スペック
CPUIntel Core i7-7700HQ(4コア/8スレッド、ベース2.8GHz、ターボ3.8GHz)
メモリDDR4-2400 16GB
GPUNVIDIA GeForce GTX 1070(GDDR5 8GB)
ストレージ256GB M.2 SATA SSD、1TB HDD
ネットワークKiller Gb LAN×1、Killer ac Wi-Fi + Bluetooth v4.1
端子Type-C USB3.1 Gen2×1、Type-A USB3.0×3
映像出力HDMI×1、Mini-DisplayPort×1
OSWindows 10 Home 64bit
サイズ383×260×27.5mm(幅×奥行き×高さ)
重量2.39Kg

ヘビー級のゲームも快適に動作可能、ノートPCながらハイエンド級のパフォーマンス

 それではベンチマークや実ゲームを使った性能の評価に移っていこう。

 まずは定番の3DMark、Firestrikeのスコアだが、メーカーサイトでも13,717と高い数値をうたうが実測値でも13,332と、高い数値を記録した。VR Markも7,797(平均fps:169.97)というスコアになっており、VRゲームの多くは快適に遊ぶことができると思われる。

3DMark
VRMark

 続いて人気のMMO RPGであるファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークの結果を見ていこう。

 重い部類のゲームタイトルではあるが、最新世代のゲーミングノートPCでは全く心配のないレベルである。
ノートPC向けの画質設定ではなく、デスクトップも含めた最高品質設定で余裕の非常に快適評価である。
実際の平均75以上出ているためフレームレートも安定しており、文句なしと言える。

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク

 実ゲームの例として、重量級のゲームタイトルであるGhost Recon Wildlandsを見てみよう。

 こちらも重いゲームタイトル1つで、オープンワールドの世界をあれやこれやと走り回り、様々なミッションをこなしていくタイプのゲーム。描画されるオブジェクトやNPCも多く、デスクトップPC環境下でも最高画質設定ではなかなかスコアが伸びづらいタイトルだ。

 結果はVery High設定がMin/Max/Averageともに60fpsを超える値を出しており、おすすめの設定と言える。好みにあわせて一部の設定でUltraを選んだり、High設定などと組み合わせるとより高いクオリティと快適度が得られるだろう。

GhostReconベンチマーク

 最後は、日々売り上げが伸び続けており日本でも大ヒットを記録しているPLAYER UNKOWN’S BATTLE GROUNDSだ。

 本ゲームは、同一MAPながらも様々なプレイヤーが入り乱れているため、検証の再現性が難しいタイトルの一つ。今回Yasnaya Polyanaから南下した草原のところを移動という形でフレームレートを計測した。またゲームマッチ後の待機ロビーでのフレームレートも計測したので参考として見てほしい。

 ゲームローンチ直後は超ヘビータイトルという形で登場した本作ではあるが、アップデートを重ねることで軽量化が進んできた。それもあってか、ULTRA画質設定でもプレイできなくはなく、HIGH設定とあわせることで概ね快適なプレイができるといって過言ではないだろう。

 フレームレートに出てこない部分では、おそらくデータロードが発生したさいの挙動だと思われのだが、かくつくまではいかないものの、まれに動きが鈍くなるときがあった。ただし、画質設定を問わず発生するので、これはハードウェアというよりソフト側の問題だと思われる。

PUBGベンチマーク

RGB LED搭載キーボード「Per-Key」を搭載、WASDキーのカラーのみを変えたりも可能

シルバーライニングプリントとよばれる印刷技術でキーの光の透過性が増し、視認性が向上しているという

 続いてはMSI製ゲーミングノートPCならではの魅力を紹介しよう。

 従来モデルでは単色発光だったキーボードのバックライトだが、本機はRGB対応となり、よりカラフルに表示できるようになった。個別のカラーセッティングなども可能で、グループエリアも設定されており、特定のエリア(例えばFPSなどでよく使うWASD)などのカラー変更も行える。

 カラフルなイルミネーションがオシャレ!というユーザーには最適だが、なかなか日本市場で光り物はちょっと……というユーザーもいるだろう。もちろん発光をオフにすることもできるが、ゲームに没頭するために部屋の照明を消してプレイする際などには便利なので、是非活用をぜひおすすめしたい。

 なお、バックライトは強烈に光り輝いているわけではないので、視認性を向上させつつ、ゲームの邪魔はしないというよい案配の光具合だ。

抜き差しにやっかいするUSBポートを視認しやすいのはありがたい。

 またLEDつながりでいうと地味に便利なのがUSBポートの赤色LEDだ。

 先にあげた暗がりでなくとも、USBメモリやコントローラを接続したい際にHDMIポートなど関係ないポートをまさぐってしまうことがある。

 急いでコントローラを接続したい、ヘッドセットを使いたいといったときにイライラすることが軽減されるのでこういったこだわりはうれしいところだ。

120Hz/3msのゲーム用ディスプレイを搭載、視野角も発色も良い妥協の無い画質

見やすさ、快適度ともに抜群。角度をかえても視認性は保たれており、色味の変化も少ない。

 冒頭にも述べたように、本機は15.6インチで応答速度3ms/リフレッシュレート120Hzの液晶ディスプレイを搭載している。解像度はフルHDで、今時のゲーミングディスプレイのトレンドを踏襲しているといえるだろう。

 単体のゲーミング用液晶ディスプレイであれば、応答速度が速く、高リフレッシュレートのモデルは珍しくないが、ゲーミングノートPCでの搭載例は少なく、まだまだ貴重といえる状況だ。ノートPC向けでは妥協の無い贅沢な一品といえるだろう。

 その贅沢品を使ったパネルと言うこともあり、画質はさすがの一言。発色よし、明るさよし、応答速度よしの3拍子だ。使用したときの満足感は非常に高い。

 下側から見上げる形になると若干視認性が悪くなる傾向があるものの、上・左・右側から見ても変化は少ない。一般的なゲーミングノートPCとは一線を画しているといえる画質レベルだ。

これまでのノートPCにはないサウンドを実現、映画やゲームで使いたい「GIANT SPEAKER」

従来と比べ音響のために5倍のチャンバースペースを用意したというGIANT SPEAKR

 MSIは従来よりDYNAUDIOとの提携やNahimicといったサウンドエンハンサーを採用し、スピーカーまわりにはこだわりをつづけていたが、今回は音響面をさらに強化した新システム「GIANT SPEAKR」を搭載してきた。

 本システムは大型ステレオ2基とウーファー2基を搭載し、迫力のある高音質サウンドを実現しているという。スピーカーレイアウトにもこだわり従来のノートPCでは表現が難しかったサウンドが中央から来るような表現を可能なものとしている。

 実際に試聴してみると確かに今までのノートPCではなかったような音の聞こえ方をし、本体下部の中央から音が出ているように聞こえる。本機能の魅力を十二分に味わうためには一定の音量が必要となるが、環境が許すなら、ぜひ大音量でゲームや動画を楽しんでみてもらいたい。

搭載クーラーは冷却性能重視のセッティング、長時間ゲームでも安心キーボード部分が若干温かくなる程度でしっかり廃熱

本機に搭載されている冷却機能の「Cooler Boost 5」、7本のヒートパイプを装備している。
背面スリットからは冷却機構の要であるヒートパイプが透けて見える。

 MSIにはモデルごとに最適化した冷却機構「Cooler Boost」を搭載している。本機にはヒートパイプ7本と、2基の冷却ファンで構成された「Cooler Boost 5」が搭載され、強力な冷却性能をうたっている。

 一時間PUBGをプレイしたところ、パームレスト部分やキーボード部分などの発熱は少なく、軽く汗ばむ程度に抑えられていた。

 これまで筆者はゲーミングノートPCで様々なゲームをプレイしてきたが、やけどするのではないかというくらいキーボード部分が熱くなるモデルが少なくなかった。そうしたことを考えると、本機の冷却性能の高さには驚かされるばかりだ。長時間安心してゲームが遊べる手堅いモデルと言えるだろう。

 一点気になる点をあげるとするならば、静かな部屋でゲームに没頭するには気になる排気音/ファン回転音がする。MMOやRTS、アクションゲームといったゲームであればそれほど影響はではないだろうが、FPSを中心とする音が勝敗を左右するゲームでは、ノートPCからのスピーカーではゲームの音が本体の動作音に紛れてしまい厳しい。搭載クーラーの動作音は性能や安定性とのトレードオフになるので、静音性を優先して性能を落とすか、性能と安定性を優先して動作音を妥協するか、調整が難しい部分ではある。動作音が気になる場合や、音が勝敗に影響するようなゲームをする場合はヘッドセットを使用することを検討しても良いだろう。

 なお、YouTubeで動画鑑賞するといったような普段使いではファン音が気になることはないので、ゲーム以外で動作音が問題になることは無いだろう。

CPUやGPU性能だけでなく、ディスプレイやキーボードも満足度の高い一台大きな買い物だからこそ後悔したくないユーザへ

 GE63VR 7RF Raiderは、最新のゲームに対応した高性能パーツを搭載したモデルだ。性能だけで無く、ベンチマークなどでは出てこない使用感や満足感といった部分にもこだわったモデルに仕上がっている。

 ゲーミングノートPCは、デスクトップPCと違い気軽に構成変更などができないため、購入前には様々な面で吟味する必要がある。ハイエンドゲーミングノートPCは30~40万円前後の買い物となるので、失敗は許されない。

 GE63VR 7RF Raiderの実売価格は税込で約28万円。安易に性能だけで選ぶのではなく、使って後悔をしたくないというユーザーにはおすすめの一品だ。

[制作協力:MSI]