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モンハンワールドを薄型PS4でも爆速に、外付けSSD増設で超強化!
Crucial MX500と外付けケースで簡単に高速に
2018年3月7日 06:05
前回行ったPS4 Proでの検証において、外付けSSDを用いた「拡張ストレージ」がゲームのロード時間短縮に大きな効果を発揮することが確認できた。
そこで、今回はスペック面で下位となる薄型PS4の「CUH-2100」を使って、通常のPS4でも外付けSSDを使った際の効果は大きいのかテストしてみた。
結論から先に述べるが、CUH-2100でも外付けSSDを拡張ストレージとして利用することで、手軽にロード時間を大幅短縮することが可能だ。薄型PS4のストレージ交換を考えているユーザーはぜひテスト結果を参考にしてもらいたい。
薄型PS4を強化するなら外付けSSDがベストな理由カタログスペック上、PS4の内蔵SATAは最高3Gbpsの制限有り
現行のPlayStation4には、ハイエンドモデルであるPS4 Proと、初期モデルよりコンパクト化を果たした薄型PS4がラインナップされている。
今回用意したのは、薄型PS4の最新モデル(CUH-2100)である「PS4 グレイシャー・ホワイト 1TB (CUH-2100BB02)」だ。
薄型PS4であるCUH-2100AB02は、内部ストレージとして3Gbps SATA接続の500GB HDDを搭載している他、5Gbps(500MB/sec)のデータ転送速度を実現するUSB 3.1 Gen 1を2ポート備えている。
内蔵ストレージ接続用のSATAインターフェイスについては、初期モデルのPS4では3Gbps SATAを採用しており、現在でもPS4 Proのみが「より高速な6Gbps SATAに対応」と特記されていることから、薄型PS4でも最大データ転送速度3Gbps(300MB/sec)止まりであると予想される。
このため、接続インターフェイスの仕様上、SATA接続の内蔵よりUSB 3.1接続の外付けの方が有利ということになる。
外付けSSDを拡張ストレージとして利用するための条件と手順をチェック
ここで、改めて外付けSSDをPS4の「拡張ストレージ」として利用するための条件と手順を確認しよう。
拡張ストレージは、PS4の「システムソフトウェア バージョン 4.50」以降でサポートされた機能で、「250GB~8TBの記憶容量」を持つストレージを「USB 3.0以上」で接続したうえで、拡張ストレージとしてフォーマットすることにより、アプリケーションのインストール領域として利用できるようにするものだ。
拡張ストレージ化したUSBストレージは、アプリケーションのインストール先として指定できる他、既に内蔵ストレージにインストールしていたアプリケーションを移動することもできる。
内蔵ドライブをSSDに換装する際はシステムの再インストールなどが必要になるが、SSDを外付けで増設する場合はかなり簡単に行える。
今回はUSB3.1 Gen 2対応の2.5インチストレージケース「玄人志向 GW2.5FST-SU3.1」に、Crucialの1TB SSD「CT1000MX500SSD1」を搭載して拡張ストレージとして利用する。
なお、SSDのCT1000MX500SSD1については、PS4の内蔵ストレージとして利用した際のパフォーマンスもチェックする。
SSDは内蔵でも外付けでも速度はほぼ同等、HDDから大幅に高速化
それでは、ゲームのロード時間がどのように変化するのか見てみよう。
今回は、標準搭載の1TB HDDを「内蔵HDD」、内蔵ストレージをCT1000MX500SSD1に交換した状態を「内蔵SSD」、そしてUSB接続の拡張ストレージとしてCT1000MX500SSD1を利用した場合を「外付けSSD」としている。
ゲームの起動時間では、外付けSSDは内蔵SSDとほぼ同等のタイムを記録した。内蔵HDDとSSDの間には7~19%ほどの差がついている。
タイトルメニューからセーブデータのロードを行う場合、実際のゲーム画面を描画するためのデータロードが発生するため、ゲームの起動以上にストレージのアクセス性能が重要になる。
ここでも外付けSSDは内蔵SSDとほぼ同等の結果を記録している。HDDとの性能差はゲームの起動以上に顕著なものとなっており、最も効果の大きいファイナルファンタジーXVでは2.5倍以上高速にロードが完了している。
ゲーム中に発生するロードの例として、モンスターハンター:ワールドで探索に出発する際のロード時間の違いを動画で確認してみよう。
最も短時間でロードを完了したのは内蔵SSDでロード時間は24.95秒だが、外付けSSDは僅かに約0.5秒差の25.45秒を記録し、内蔵と外付けでほぼ同等の結果を示した。内蔵HDDのロード時間は59.13秒とSSDの2倍以上の時間を要している。
今回のテストでは内蔵SSDと外付けSSDはほぼ同等のパフォーマンスを発揮した。HDDよりもロード時間を短縮できるという点は納得の結果だが、内蔵SSDの接続インターフェイスがカタログスペック上は3Gbpsまでで、なおかつPS4の録画機能による書き込みが常時発生していることを考えると、5Gbps接続の外付けSSDが内蔵SSDをもっと上回っても良さそうなものではある。
いくつか理由は考えられるが、何はともあれ今回の機材の組み合わせでは、外付けSSDが内蔵SSDに劣る点はみられない。手間のかかる内蔵ストレージの交換作業を行うことなくロード時間を短縮する手段として、外付けSSDの拡張ストレージ化は薄型PS4でも間違いなく有効だ。
ただし、USB 3.0に対応してさえいれば、すべての外付けストレージケースやUSBメモリで今回のような性能を発揮できるという訳ではない。今回の結果は6Gbps SATA対応SSDとして高速なCT1000MX500SSD1と、そのパフォーマンスを引き出せるGW2.5FST-SU3.1の組み合わせによるものなのである。
薄型PS4の内蔵ドライブを変える場合の手順紹介
薄型PS4でゲームのロード時間を短縮したいのであれば、外付けSSDを拡張ストレージとして利用するのが簡単でおすすめだが、内蔵ストレージの交換もそれほど難しくはない。
薄型PS4の内蔵ストレージとして利用できるのは、記憶容量160GB以上かつインターフェイスにSATAを採用した厚さ9.5mm以下の2.5インチSSD/HDD。交換後はPS4のシステムを再インストールする必要があるため、ウェブからダウンロードした約1GBの「アップデートファイル(再インストール用)」を入れたUSBストレージを事前に準備しておく。
内蔵ストレージの交換によるメリットの一例として、PS4の再起動から起動完了までの時間を比較した。ここでは標準搭載のHDDに対して約6秒の短縮だが、システムのアップデートやバックアップの作成や復元の時間などでも内蔵SSDの効果は発揮される。
今回使用したCrucial MX500のように、3D NANDを採用した最新SSDの書き込み耐久性であれば、PS4の常時録画も大した問題にはならない。単にゲームのロード時間短縮なら外付けSSDで十分だが、快適性を追求するのであれば内蔵ストレージもSSDにする意味はあると言える。
2台ドライブを内蔵可能なケースを接続してみた、USBポートの節約には有効
現時点で最新版のシステムソフトウェアであるバージョン5.05では、拡張ストレージとして「同時に」利用できるUSBストレージは1台までとなっている。
ただし、拡張ストレージとしてフォーマットしたUSBストレージを複数接続しておけば、どのUSBストレージを拡張ストレージとして利用するのかを選択することはできる。1台のUSBストレージに収まらないほど大量のゲームを所有しているなら、複数の拡張ストレージを切り替えて利用すれば良いということだ。
ちなみに、薄型PS4はUSBポートが2基しか無いため同時に接続できるUSBストレージには限りがあるが、玄人志向の「GW2.5ACX2-U3.1AC」のように2つのストレージを内蔵できるケースを利用すれば、PS4側の操作だけで拡張ストレージとして利用するSSDを切り替えることができる。
どの世代のPS4にもおすすめできる外付けSSDの増設
PS4 Proでも有効だった外付けSSDの効果は薄型PS4でも変わらず有効であり、ゲームのロード時間を簡単かつ効果的に短縮する手段として、外付けSSDの利用はおすすめだ。
また、今回の検証結果では最新版薄型PS4の内蔵ストレージ接続インターフェイスが本当にSATA-IIなのか疑わしく思えるような結果となったが、内蔵SSDのパフォーマンスはともかく、PS4のUSBポートは初期モデルから常に5Gbpsに対応しているため、CUH-2100以前のモデルでも外付けSSDは今回のテスト結果に近いパフォーマンスを発揮することが期待できる。
PS4での外付けSSDの利用は、どの世代のPS4を使っているユーザーにもおすすめできるロード時間短縮手段であると言えるだろう。