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モンハンワールドを薄型PS4でも爆速に、外付けSSD増設で超強化!

Crucial MX500と外付けケースで簡単に高速に

 前回行ったPS4 Proでの検証において、外付けSSDを用いた「拡張ストレージ」がゲームのロード時間短縮に大きな効果を発揮することが確認できた。

 そこで、今回はスペック面で下位となる薄型PS4の「CUH-2100」を使って、通常のPS4でも外付けSSDを使った際の効果は大きいのかテストしてみた。

 結論から先に述べるが、CUH-2100でも外付けSSDを拡張ストレージとして利用することで、手軽にロード時間を大幅短縮することが可能だ。薄型PS4のストレージ交換を考えているユーザーはぜひテスト結果を参考にしてもらいたい。

薄型PS4を強化するなら外付けSSDがベストな理由カタログスペック上、PS4の内蔵SATAは最高3Gbpsの制限有り

テストに使用した「PS4 グレイシャー・ホワイト 1TB (CUH-2100BB02)」

 現行のPlayStation4には、ハイエンドモデルであるPS4 Proと、初期モデルよりコンパクト化を果たした薄型PS4がラインナップされている。

 今回用意したのは、薄型PS4の最新モデル(CUH-2100)である「PS4 グレイシャー・ホワイト 1TB (CUH-2100BB02)」だ。

 薄型PS4であるCUH-2100AB02は、内部ストレージとして3Gbps SATA接続の500GB HDDを搭載している他、5Gbps(500MB/sec)のデータ転送速度を実現するUSB 3.1 Gen 1を2ポート備えている。

 内蔵ストレージ接続用のSATAインターフェイスについては、初期モデルのPS4では3Gbps SATAを採用しており、現在でもPS4 Proのみが「より高速な6Gbps SATAに対応」と特記されていることから、薄型PS4でも最大データ転送速度3Gbps(300MB/sec)止まりであると予想される。

 このため、接続インターフェイスの仕様上、SATA接続の内蔵よりUSB 3.1接続の外付けの方が有利ということになる。

標準搭載されているHDD「HGST HTS541010A9E680」。3Gbps SATAに対応した5,400rpmの1TB HDDだ。
薄型PS4(CUH-2100)では、フロント側にUSB 3.1 Gen 1(5Gbps)対応のUSBポートを2基備えている。

外付けSSDを拡張ストレージとして利用するための条件と手順をチェック

内蔵ストレージの交換をしなくても、外付けSSDの利用でゲームの高速化は可能だ
拡張ストレージとして利用可能なUSBストレージの条件

 ここで、改めて外付けSSDをPS4の「拡張ストレージ」として利用するための条件と手順を確認しよう。

 拡張ストレージは、PS4の「システムソフトウェア バージョン 4.50」以降でサポートされた機能で、「250GB~8TBの記憶容量」を持つストレージを「USB 3.0以上」で接続したうえで、拡張ストレージとしてフォーマットすることにより、アプリケーションのインストール領域として利用できるようにするものだ。

 拡張ストレージ化したUSBストレージは、アプリケーションのインストール先として指定できる他、既に内蔵ストレージにインストールしていたアプリケーションを移動することもできる。

 内蔵ドライブをSSDに換装する際はシステムの再インストールなどが必要になるが、SSDを外付けで増設する場合はかなり簡単に行える。

USBストレージを選択して「拡張ストレージとしてフォーマットする」を選択して処理を実行する。
拡張ストレージ化が完了すると、ストレージの一覧に拡張ストレージ化したUSBストレージが表示される。
本体ストレージのアプリケーション一覧画面でオプションメニューを開くと、「拡張ストレージへの移動する」という項目が表示される。
移動したいゲームを選択して拡張ストレージに移動する。

 今回はUSB3.1 Gen 2対応の2.5インチストレージケース「玄人志向 GW2.5FST-SU3.1」に、Crucialの1TB SSD「CT1000MX500SSD1」を搭載して拡張ストレージとして利用する。

 なお、SSDのCT1000MX500SSD1については、PS4の内蔵ストレージとして利用した際のパフォーマンスもチェックする。

使用するSSDはCrucial MX500の1TB
リード約560MB/sとSATA SSDとしては高速なモデルだ
玄人志向 GW2.5FST-SU3.1。USB 3.1 Gen 2対応の2.5インチドライブケース
GW2.5FST-SU3.1にCT1000MX500SSD1を搭載して拡張ストレージとして利用する

SSDは内蔵でも外付けでも速度はほぼ同等、HDDから大幅に高速化

 それでは、ゲームのロード時間がどのように変化するのか見てみよう。

 今回は、標準搭載の1TB HDDを「内蔵HDD」、内蔵ストレージをCT1000MX500SSD1に交換した状態を「内蔵SSD」、そしてUSB接続の拡張ストレージとしてCT1000MX500SSD1を利用した場合を「外付けSSD」としている。

 ゲームの起動時間では、外付けSSDは内蔵SSDとほぼ同等のタイムを記録した。内蔵HDDとSSDの間には7~19%ほどの差がついている。

ゲームの起動時間

 タイトルメニューからセーブデータのロードを行う場合、実際のゲーム画面を描画するためのデータロードが発生するため、ゲームの起動以上にストレージのアクセス性能が重要になる。

 ここでも外付けSSDは内蔵SSDとほぼ同等の結果を記録している。HDDとの性能差はゲームの起動以上に顕著なものとなっており、最も効果の大きいファイナルファンタジーXVでは2.5倍以上高速にロードが完了している。

セーブデータのロード時間

 ゲーム中に発生するロードの例として、モンスターハンター:ワールドで探索に出発する際のロード時間の違いを動画で確認してみよう。

 最も短時間でロードを完了したのは内蔵SSDでロード時間は24.95秒だが、外付けSSDは僅かに約0.5秒差の25.45秒を記録し、内蔵と外付けでほぼ同等の結果を示した。内蔵HDDのロード時間は59.13秒とSSDの2倍以上の時間を要している。

【外付けSSD、内蔵SSD、内蔵HDDのロード時間比較(モンスターハンター:ワールド)】
モンスターハンター:ワールドで探索に出発する際のロード時間はSSD換装でかなり改善される。ゲームを遊ぶ上でかなりの回数ロードすることになるので、効果は大きい。

 今回のテストでは内蔵SSDと外付けSSDはほぼ同等のパフォーマンスを発揮した。HDDよりもロード時間を短縮できるという点は納得の結果だが、内蔵SSDの接続インターフェイスがカタログスペック上は3Gbpsまでで、なおかつPS4の録画機能による書き込みが常時発生していることを考えると、5Gbps接続の外付けSSDが内蔵SSDをもっと上回っても良さそうなものではある。

 いくつか理由は考えられるが、何はともあれ今回の機材の組み合わせでは、外付けSSDが内蔵SSDに劣る点はみられない。手間のかかる内蔵ストレージの交換作業を行うことなくロード時間を短縮する手段として、外付けSSDの拡張ストレージ化は薄型PS4でも間違いなく有効だ。

 ただし、USB 3.0に対応してさえいれば、すべての外付けストレージケースやUSBメモリで今回のような性能を発揮できるという訳ではない。今回の結果は6Gbps SATA対応SSDとして高速なCT1000MX500SSD1と、そのパフォーマンスを引き出せるGW2.5FST-SU3.1の組み合わせによるものなのである。

薄型PS4の内蔵ドライブを変える場合の手順紹介

 薄型PS4でゲームのロード時間を短縮したいのであれば、外付けSSDを拡張ストレージとして利用するのが簡単でおすすめだが、内蔵ストレージの交換もそれほど難しくはない。

 薄型PS4の内蔵ストレージとして利用できるのは、記憶容量160GB以上かつインターフェイスにSATAを採用した厚さ9.5mm以下の2.5インチSSD/HDD。交換後はPS4のシステムを再インストールする必要があるため、ウェブからダウンロードした約1GBの「アップデートファイル(再インストール用)」を入れたUSBストレージを事前に準備しておく。

薄型PS4のストレージベイは本体左後方に配置されている。
カバーを外したところ
ディスクトレイは本体背面側でねじ止めされているのでこれを外す
黒い帯に指をかけてディスクトレイを引き出す
薄型PS4のディスクトレイ。標準搭載のHDDは4つのねじで固定されている。
ディスク交換後はシステムの再インストールを実施することになる。

 内蔵ストレージの交換によるメリットの一例として、PS4の再起動から起動完了までの時間を比較した。ここでは標準搭載のHDDに対して約6秒の短縮だが、システムのアップデートやバックアップの作成や復元の時間などでも内蔵SSDの効果は発揮される。

 今回使用したCrucial MX500のように、3D NANDを採用した最新SSDの書き込み耐久性であれば、PS4の常時録画も大した問題にはならない。単にゲームのロード時間短縮なら外付けSSDで十分だが、快適性を追求するのであれば内蔵ストレージもSSDにする意味はあると言える。

再起動実行から起動完了までの時間

2台ドライブを内蔵可能なケースを接続してみた、USBポートの節約には有効

 現時点で最新版のシステムソフトウェアであるバージョン5.05では、拡張ストレージとして「同時に」利用できるUSBストレージは1台までとなっている。

 ただし、拡張ストレージとしてフォーマットしたUSBストレージを複数接続しておけば、どのUSBストレージを拡張ストレージとして利用するのかを選択することはできる。1台のUSBストレージに収まらないほど大量のゲームを所有しているなら、複数の拡張ストレージを切り替えて利用すれば良いということだ。

 ちなみに、薄型PS4はUSBポートが2基しか無いため同時に接続できるUSBストレージには限りがあるが、玄人志向の「GW2.5ACX2-U3.1AC」のように2つのストレージを内蔵できるケースを利用すれば、PS4側の操作だけで拡張ストレージとして利用するSSDを切り替えることができる。

玄人志向 GW2.5ACX2-U3.1AC。
2台の2.5インチSSD/HDDを搭載できるUSB 3.1 Gen 2対応ケース。
Windows用モデルとして販売されているが、PS4でも使用可能だった。
GW2.5ACX2-U3.1ACであれば1つのUSBポートで2台のドライブをPS4に認識させることができる。
複数の拡張ストレージを接続しておけば、PS4のシステム上から使用する拡張ストレージの切り替えが可能。

どの世代のPS4にもおすすめできる外付けSSDの増設

 PS4 Proでも有効だった外付けSSDの効果は薄型PS4でも変わらず有効であり、ゲームのロード時間を簡単かつ効果的に短縮する手段として、外付けSSDの利用はおすすめだ。

 また、今回の検証結果では最新版薄型PS4の内蔵ストレージ接続インターフェイスが本当にSATA-IIなのか疑わしく思えるような結果となったが、内蔵SSDのパフォーマンスはともかく、PS4のUSBポートは初期モデルから常に5Gbpsに対応しているため、CUH-2100以前のモデルでも外付けSSDは今回のテスト結果に近いパフォーマンスを発揮することが期待できる。

 PS4での外付けSSDの利用は、どの世代のPS4を使っているユーザーにもおすすめできるロード時間短縮手段であると言えるだろう。