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1万円のSSDでPS4「スパイダーマン」がより爽快に、ロード時間を最大で4割近く短縮

高コスパSSD「Crucial MX500」を手軽にPS4に外付け増設 text by 坂本はじめ

 SSDがゲームを快適にすることは広く知られているが、その効果はゲームタイトルや使用環境などで大きく変わる。大多数のゲームでSSD化の恩恵を受けられるが、中には効果が薄いものもある。

 そこで、今回はPS4専用タイトルである「スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)」と薄型PS4を使用し、SSDを利用した際の効果がどれほどのものなのか、検証を行ってみた。

 「スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)」は、2018年に発売されたオープンワールド系ゲームの中でも特に高い評価を獲得しているタイトルのひとつ。快適さを向上するのであれば、追加投資をする価値のあるタイトルと言えるだろう。

 なお、今回は外付けSSDにソフトをインストールし、標準状態のPS4からどれだけロード時間が短縮されたのかをテストしている。

スーパーヒーローならではの爽快なアクションが楽しめる「スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)」

 PS4専用タイトルとして2018年9月に発売された「スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)」は、広大なシームレスマップに再現されたマンハッタンを舞台にしたオープンワールドアクションゲーム。

 高度に再現されたマンハッタンの街並みを、ウェブ・スイングやウォールランといったスパイダーマンならではの爽快な移動方法で駆け回れるのが本作の魅力だ。

広大なシームレスマップで再現されたマンハッタンの街並みを、スパイダーマンとなって縦横無尽に駆け回るのは実に爽快。スーパーヒーローならではの移動を楽しめる。

 爽快感を特徴とする「スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)」では、「ロード待ち」が極力生じないよう配慮されている。長大なロード時間は魅力を損ないかねない要素であり、この点をうまく処理しているのも本作の評価を高めている理由の一つだろう。

 そんな完成度の高いオープンワールドアクションゲームである本作において、インストール先をSSDにするメリットはどの程度あるのかチェックしてみよう。

薄型PS4に「外付けSSD」を追加、手軽に速度を向上

 現在のPS4では、USB 3.0で接続された250GB~8TBまでのHDDやSSDをゲームのインストール先として利用できる機能が提供されており、内蔵ストレージを交換することなく高速なSSDを利用できる。今回はこの機能を使って、内蔵HDDと外付けSSDのロード時間を比較する。

 テストに用いるPS4は、1TBのHDDを内蔵した薄型PS4のグレイシャー・ホワイト「CUH-2100BB02」。システムソフトウェアのバージョンは6.02を利用している。

 なお、CrucialのSSDを利用した薄型PS4のSSD増設・換装方法は以前のレビューで紹介しているので、手順がわからないユーザーは参考にしてもらいたい。

モンハンワールドを薄型PS4でも爆速に、外付けSSD増設で超強化!(2018年3月7日)

1TBのHDDを内蔵する薄型PS4のグレッシャー・ホワイトモデル「CUH-2100BB02」。容量250GB~8TBのストレージをUSB 3.0で接続すると、ゲームのインストール先に使える「拡張ストレージ」として利用できる。

 外付けSSDは、6Gbps SATA対応SSDを外付けHDDケースに収めて利用する。

 SSDには、Crucial MX500シリーズの500GBモデル「CT500MX500SSD1」、外付けHDDケースには玄人志向の「GW2.5FST-SU3.1」を使用した。

Crucial MX500の500GBモデル「CT500MX500SSD1」。6Gbps SATA対応SSDとしては最速クラスの性能を備えつつ、実売価格で1万円を切るコストパフォーマンスの高さも魅力の製品だ。PCに接続した際は最高でリード560MB/sを超える。
玄人志向「GW2.5FST-SU3.1」。USB 3.1 Gen2対応の外付けHDD/SSDケース。PS4側のUSBポートがサポートするのは5Gbpsまで転送速度なので、予算を抑えたい場合はより安価なUSB 3.1 Gen1(USB 3.0)対応ケースでも問題ないだろう。

SSD利用でセーブデータの読み込みやマップ切り替えが快適に「スパイダーマン」のロード時間を4シーンで比較

 「スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)」にはパッケージ版とダウンロード版が提供されているが、今回のテストではパッケージ版を利用する。パッケージ版の場合、起動時にディスクが挿入されている必要があるが、ゲーム本体がPS4のストレージにインストールされる点は、ダウンロード版と変わらない。

 ロード時間を比較するシーンは「ゲームの起動」「セーブデータのロード」「ファストトラベル」「マップ切り替え」の4つ。この他にもゲームオーバー時のコンティニューなどでロードが生じるが、比較はロード時間の再現性の高い4つのシーンで行った。

ゲームの起動は若干高速に、メーカーロゴなどの表示時間は変化無し

MARVELのロゴの表示時間はストレージの種類を問わず固定のようだ。

 まずはゲーム起動時のロード時間の比較だ。起動開始からタイトルが表示されるまでの時間を測定した。

 起動時間の測定結果は、内蔵HDDが約37.8秒であったのに対し、外付けSSDは5.4秒ほど早い約32.4秒だった。ロード速度としては約14%の速度向上ということになる。

 全体の時間からすると思ったより短い時間短縮にも思えるが、起動シーンに含まれる制作会社やMARVELのロゴの表示時間(約16.6秒)は固定であるため、これを除けばSSDの優位性は約25%に拡大する。

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セーブデータのロード時間は3.5割ほど高速に

ロード中の画面。操作のヒントなどが表示される。

 セーブデータのロード時間として、セーブデータを指定してからロードが完了してゲーム画面が描画されるまでの時間を比較した。

 セーブデータのロード時間は、内蔵HDDが約31.0秒であったのに対し、外付けSSDは約19.9秒だった。外付けSSDの方が11秒ほど早い結果であり、ロード速度としては約36%高速ということになる。

ファストトラベルも2割以上ロード時間を短縮

ファストトラベル時は電車で移動するスパイダーマンの姿が見られる。

 「スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)」では、本編を中盤まで進めるとマップ上の拠点間を瞬時に移動する「ファストトラベル」が開放される。今回の検証では、「僕の家」から「オクタビアス・インダストリーズ」へのファストトラベルに要した時間を測定した。

 ファストトラベル時のロード時間は、内蔵HDDの約18.9秒に対し、外付けSSDは約14.9秒だった。外付けSSDの方が4秒ほど高速であり、ロード速度は外付けSSDの方が約26%速い。

屋内マップと屋外マップの切り替えは4割近く快適に

 マンハッタンを再現した屋外マップはシームレスマップだが、一部の屋内マップへ移動する際に「マップ切り替え」のためのロードが発生する。今回は「オクタビアス・インダストリーズ」へ入室する際のロード時間を比較した。

 マップ切り替え時のロード時間は、内蔵HDDの約13.1秒に対し、外付けSSDは約8.1秒だった。外付けSSDの方が約5秒早く、ロード速度では内蔵HDDを約38%上回った。

 全く異なるマップを描画する事になる屋外から屋内へのマップ切り替えでは、ストレージから読み出すデータの量が多いため、ファストトラベルよりも大きな差がついたようだ。

ゲーム中のロード時間を短縮して「スパイダーマン」をより爽快に

 高度なシームレスマップを採用し、ユーザーがロード待ちに遭遇する機会を減らしている「スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)」においても、ゲーム中にロード待ちが発生する場面は存在しており、外付けSSDを用いることでこの時間を短縮できる。

 特に、セーブデータのロード時間や屋内外の出入りなどに入るロード時間などは、SSDを利用することで3~4割ほど高速化できており、効果が大きい。

 やり込み要素が豊富で、12月中にDLC第3弾「白銀の系譜」も配信予定の「スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)」。思う存分楽しみたいプレイヤーには、SSDの利用をおすすめしたい。

[制作協力:Crucial]