特集、その他
声優・クリエイター、小岩井ことりが高機能ゲーミングチェアでDTMしてみたら……
実はアーロン使いの小岩井さん、イスへのこだわりもハンパじゃない! text by 藤本 健
2018年12月21日 12:00
「のんのんびより」の宮内れんげ役や「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」天空橋朋花役として知られる声優の小岩井ことりさん。小岩井さんは単に声優というだけでなく、DTMを駆使して音楽制作をするプロの作曲家・編曲家としての顔も持ち、作詞もするし、CG制作やビデオ制作まで手掛けてしまうマルチクリエイターだ。
その小岩井さんがこだわっているというのが作業用のイス。先日ゲーミングチェアとして著名なAKRacingのOvertureを使ってもらい、これがDTMなどクリエイティブな活動でも有用性があるのか試してもらった。
「PC用のイスは私たちDTMer、ゲーマーにとって、非常に重要なアイテムです。だって普段、家族よりイスと一緒に過ごす時間のほうが長いですからね」と話すのは小岩井さん。人気声優として、さまざまな収録現場を渡り歩く一方、最近はヘッドホン・イヤホンマニアとしても名が知られるようになり、各種イベントや雑誌の取材などで引っ張りだこ。でも、外での仕事がないときは、自宅でPCに向かっている時間が多いのだとか。
「ついつい、のめりこんじゃうほうなので、PCの前にへばり付いていることも多いんですよ。ずっと前ですがKOMPLETEという音源の音色を全部聴いてみようと遊んでいたのですが、他の作業も挟みつつ、何だかんだで気付いたら24時間以上経過していたんですよ。その間、ずっとイスに座っているわけですからね、イスはとっても大切なんです」という小岩井さんがPCを使い始めたのは小学生の頃。
「PCを長時間使っていると腰が痛くなるな……ということは子供の頃から感じていました。だから、いいイスが欲しいとはずっと思っていたものの、結構値段も張るので、自分で最初に買ったのはお仕事で東京に出てきた当時です。できるだけ腰に負担がないものを……といろいろと探して買ったんですが、なかなか満足いかず、その後も探してきました」という小岩井さんが、今使っているのはプロのレコーディングエンジニア御用達のイス、Herman Millerのアーロンチェアとのこと。
イスのよしあしは「体に合わせてフィットするか」で決まる
そのこだわりの強い小岩井さんにとって、よいイス、悪いイスとはどんな判断基準になっているのか?
「いろいろ座り比べていくと、お尻を乗せた瞬間に大きな違いがあることに気付いたんです。私にとってよいイスというのは、イスが私の体に合わせてくれてフィットするものです。それに対し、悪いイスは板の上に座っているような感覚で、私の体がイスに合わせる必要があるんです。今回試したOvertureは、間違いなく私の体に合わせてくれてフィットする。だから、よいイスであることは瞬時に分かりましたよ」とまさにイスのプロという発言。
このAKRacingというブランドは、もともとレーシングカーのコックピットのイスを手掛けてきたメーカーの手によるもの。そこがゲーミングチェア市場に進出し、現在ではゲームの世界で広く知られるところとなっている。今回小岩井さんに試してもらったOverture Gaming Chair(Red)は、AKRacingの製品の中ではミドルレンジのモデル(店頭価格50,000円程度)だ。
AKRacing Overtureの各部を紹介
「もう一つチェックすべきポイントはイスの機能性というか、調整要素がどのくらいあるのか、という点なんです。このOvertureはアームレストの高さが調整できるので、シチュエーションに応じて気持ちのいい高さに変えることができます。それよりも一番うれしかったのはリクライニング機能の可動性です。普段PCに向かっているときは90度にしているんですが、ちょっと落ち着いて音をチェックしようというときは、少し角度を付けてリラックスしながら聞きます。でも、フルフラットまで倒せますから、仮眠だってできちゃいますよ!」とうれしそうに話す小岩井さん。イスで寝ちゃって風邪を引いたりしないのかちょっと心配になるほど。
「このOverture、首のところにヘッドレストと腰のところにランバーサポートがあって、自分の体にフィットする位置に動かすことが可能なんです。だから、下手にベッドで寝るよりもフィットして気持ちよく寝ることができるんですよ!」と寝心地のよさまで強調してくれた。
自分の体を大切に! イスの座り心地はクオリティにも影響する
寝心地はともかくとして、座り心地のよさは、DTMなどのクリエイティブワークにおける作業効率に影響を与えるものなのだろうか?
「体にフィットするイスだと、腰が痛くなりにくいですし、体を伸ばす時間を減らしてくれるので時間の節約にもなります。でも、板のようなイスに座って自分がイスに合わせていると、腰だけじゃなく首や体全体に負担がかかるので、長時間作業をしていると私の場合はですが頭痛がしてきちゃいます。そうなるとアイディアを形にする上でも効率が落ちるし、クオリティまで落ちてしまう可能性だってあります。そう考えると、イスには多少なりともお金をかけていいんじゃないかな、と思っています。なるべく自分の体は大切にしたいじゃないですか」と小岩井さんは主張する。
「普段、私はあまり姿勢がよいほうではないんですが、ヘッドレストで首が支えられることで、DTMをしているときも体が安定して、気持ちよく作業することができたのはよかったです。ほかにも、コロコロ(キャスター)が付いているので、リビングまで転がしていって、映画を見るのにも使ってみましたが、このときは少しリクライニングを倒し気味にしたら、いい感じでした。いろいろな調整機能があるから、1台何役にもなってくれたのはうれしかったですね」とOvertureについてべたぼめだ。
ゲーミングに限らず、すべてのPCユーザーにお勧めの製品
デザインについては女性だと好みが分かれそうな気もするが、その辺はどうだろうか?
「まさにゲームにピッタリなデザインで、ゲーミングPCに合いそうですよね。ちょっとカーレースを思い浮かべるデザインで、私は好きだし、ゲームをしているときにはテンションが上がりますよ」とお気に入りの様子。
「繰り返しになりますが、PCで仕事をする人にとって、イスは1日の大半をともに過ごすものですから、体に負担の少ないものを使うべきだと思っています。多少値段が高くても、ここにコストをかける価値は大きいので、ぜひDTMerのみなさん、ゲーマーのみなさん、そしてPCユーザーのみなさん、気を使ってくださいね」と小岩井さんはイスの重要性を語ってくれました。
今回試したAKRacingのOverture、ゲーミングチェアというカテゴリーの製品ではありますが、クリエイティブな作業にも、事務仕事においても大きな価値を持つイスのようです。
[制作協力:テックウインド]