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純白の高性能ノートPCはゲームライフの“格”を上げる、「MSI P65 Creator」の実力

6コアCPU + GeForce GTX 1070(MAX-Q)で薄型の15.6インチノート text by 日沼 諭史

 MSIのビジネス/クリエイター向けノートPCブランド「Prestige」のハイパフォーマンスモデル「P65 Creator」シリーズ。

 このノートPC、いや、正確にはその外箱を目にしたときから「コイツはただ者じゃないぞ……」と筆者のなんかよくわからないアンテナがビンビンに反応したのである。

 外観のあまりの格調高さに、思わず開封の儀も畳敷きの和室で厳かに執り行いたくなるというもの。まずは高級感あふれるパッケージから紹介しよう。

ただ者じゃない感をひしひしとこの身に受け、思わず和室に運んだ。
かつてこれほどまでに立派な木箱に入ったPCがあっただろうか。
正座でご開帳。
現れたPC。このPCの下にお饅頭(隠語)とか入っていても驚かない自信ある。
実際にはACアダプターなどの付属品が入っている。
特製P65用スリーブケースも付属。

 クリエイターをターゲットにした製品ではあるけれど、今やその目指すべき性能は、ゲーム用途にかなり似通ってきている。高解像度の写真や動画、3D CADなどのグラフィックを扱うクリエイターに最適なPCは、同じように映像や3D CGをふんだんに使うゲームにも最適なPCということなのだ。

 であるなら、P65 Creatorを、珍しい白いボディをもつゲーミングPCとして使いこなすのもアリのはず。そんなわけでP65 Creatorの外観から中身まで、その実力をチェックしてみた。

高貴な雰囲気漂う白いボディの「P65 Creator 8RF-777JP」。
クリエイター向けモデルではあるが、ゲームもいける。さっそく特徴をチェックしてみよう。

独自の冷却システムが尊い、薄型筐体にGeForce GTX 1070(Max-Q)を搭載

 今回試したのは、P65 Creatorシリーズの限定ホワイトモデル「P65 8RF-777JP」。

 ボディ全面のフラットなホワイトとゴールドのドラゴンマークが映えるその見た目に、筆者は最初からやられっぱなしである。アルミ合金製ボディで、どの角度から眺めても、格の高さが漂う高貴なたたずまい。

 ブラック基調だったり、七色にキラキラ輝いていたりするゲーミングPCもいいけれど、こちらはそれとは違うオーラみたいなものがある。

 ひとことで表現するなら、「尊い」と言うべきか。普通に写真を撮ってもその“尊さ”は伝わらないかと思い、今回は高貴な感じの背景とともにお伝えしようと決意する次第だ。

尊い白いPCの電源オン。Core i7-8750H + GeForce GTX 1070 with Max-Q Design搭載なので、クーラー性能も重要。

 さて、性能面での一番のポイントは、ノートPCでありながらディスクリートGPUにメモリ8GBのNVIDIA GeForce GTX 1070 with Max-Q Designを搭載していることだろう。これだけでゲーミングPCとしての性能はほとんど約束されたも同然ではないか。

 しかし、高性能なGPUを採用したノートPCにとって、最大の課題は熱。瞬間最大風速的な処理速度は速くても、すぐ不安定になったり、アツアツだったりするのは困る。

 P65 8RF-777JPは、NVIDIAの提唱する設計コンセプト「GeForce Max-Q」を採用したうえで、MSI独自のCPU/GPU冷却システム「Cooler Boost Trinity」を実装した。

 ヒートパイプとファン3つを用い、両サイドと後部に設けられたダクトを介して排熱することで、内部スペースの限られた17.9mm厚という薄さを達成しつつ高いパフォーマンスを持続できるようにしている。

ハイスペックCPU + GPUをしっかり冷却する「Cooler Boost Trinity」。薄型かつ冷えるのが特徴。
側面と背面にあるダクトから排熱して効果的に冷却する。
PC裏面はパンチングメッシュで、熱がこもらないようになっている。
タッチパッドにはWindows Hello対応の指紋認証用センサーを搭載し、セキュリティも万全。

 CPUやGPUから発せられる熱がユーザーの手元に伝わりにくいことから、長時間PCと格闘するクリエイターが快適に使えるのはもちろん、画面のなかの相手と格闘し続けるゲーマーにとってもうれしい工夫となっている。汗で手元が狂ってフレンドリーファイアすることもなくなるだろう。

 そんな高性能GPUに組み合わされるCPUは6コア12スレッド、Turbo Boost時最大4.1GHzの第8世代Intel Core i7-8750Hとなっている。メモリも16GB搭載しており、もしかすると単純にゲームをプレーするだけではもったいないほどかもしれない。ゲーム動画のライブ配信を同時にやったとしてもお釣りがきそうだ。

 SSDは512GB(実質空き容量400GB以上)。普通に使う分には十分な容量だが、昨今の大容量なゲームコンテンツをどんどんインストールして、さらにプレー動画も残しておこうとする人には心もとないかもしれない。その場合は、販売店のBTOでより大容量のストレージにアップグレードしたり、動画保存用の外付けHDDを組み合わせるのもおすすめだ。

熱が伝わりにくいキーボード。ストロークはやや浅めだが、コシのある感じでしっかり押して打ち込める
暗いところではホワイトのバックライトが優しく照らしてくれる

クリエイターとゲーマーの両方が納得する装備、144Hz液晶に豊富な入出力端子

 ゲーム用途では高画質設定でも間違いなく高フレームレートを叩き出してくれそうなP65 8RF-777JPのスペック。

 だとすると、その性能を活かすにはディスプレイもそれなりに高性能なものが必要になる。さすがに60Hzってことはないだろうし、75Hzは欲しいなあ、と思ってスペック表を見てみると、搭載するのは15.6インチ(1,920×1,080ドット)、リフレッシュレート144Hz対応液晶ディスプレイとなっていた。尊い。

液晶ディスプレイは15.6インチ、リフレッシュレート144Hz。狭額縁デザイン

 リフレッシュレート144Hzというと、コアなゲーム向けのスペックだ。本当にこれはクリエイター向けなのだろうか?という疑問がちょっとだけ脳裏をよぎらなくもない。

 たしかに、ノングレアタイプで作業性にも配慮しているところはクリエイター向けらしい。けれど、それは映り込みで視認性が低下することをできるだけ避けたいゲーム用途にもフィットしているし、最小4.9mmという狭額縁デザインはゲームの没入感を高めるのにも一役買ってくれる。

 144Hzの性能が求められる場面は、数フレームの遅延が致命傷となりかねないFPS系ゲームに求められるような性能だ。やはり、このハイスペックっぷりはもはやゲーミングPCと言ってもいいのではないだろうか。

ディスプレイはほぼ180度まで開く。対面の人と一緒に画面をのぞき込むような使い方にも便利。プレゼンにも使える
今度は藍染風の布と合わせてみた。MSIロゴと同じドラゴン柄の布と一緒に撮影。
ホワイトモデルのデザインは様々な場所にマッチする。

 でもって、このディスプレイでは、コンテンツや用途に合わせた高い色再現性を実現するという「True Colorテクノロジー」も採用されている。

 タスクトレイのアイコンや、デスクトップのコンテキストメニューから、一発でゲーム、動画、事務作業など、それぞれにベストな色合いに変えることができるもの。クリエイター向け機能ではあるが、一般ユーザーにも扱いやすいものになっている。

 比較的細かい調整も可能で、イメージ通りの色調でコンテンツを作りたいクリエイターだけでなく、開発者が手がけたグラフィックの細部の作り込みまで体感したいゲーマーもぜひ活用したい機能だ。

True Colorテクノロジーで、コンテンツや用途に合わせた色合いに一発で変更できる

 その他の装備としては、最大40Gbpsのデータ転送速度を誇るThunderbolt 3(USB Type-C)ポートがあり、高速な外部ストレージや外部モニターとの接続が可能。USB 3.1 Gen2(Type-A)×3や、Mini Displayポート、HDMIポートもあるので、外部機器との接続についても隙がない。

 ヘッドフォン端子はハイレゾ対応。マイク端子は別にあるので、ヘッドセットではなく、ヘッドフォンとマイクをそれぞれ別個に用意してハイクオリティなゲームの実況配信をしたい人にとっても都合がいい。

 こういった部分でもP65 8RF-777JPがクリエイター向けであると同時に、ゲーマー向けでもあるなあと思わされる。マジ尊い。

右側面にはThunderbolt 3(USB Type-C)ポートにUSB 3.1 Gen2、Mini DisplayポートとHDMI出力がある
左側面にはUSB 3.1 Gen2×2とギガビットLAN、ヘッドフォン、マイク端子

薄型でもGeForce GTX 1070 with Max-Q Designの性能はフルに出る?

 通常は処理負荷や筐体内の発熱に応じて自動で冷却を行なうが、P65 8RF-777JPに搭載されている冷却システム「Cooler Boost Trinity」では、強制的に最強のクーリング状態にしてCPU/GPUの最大パフォーマンスを引き出すこともできる。

 独自ユーティリティの「Dragon Center」から「Cooler Boost」を常時オンに切り替えると冷却システムが最大限に稼働し、その状態でゲームなど負荷の高い処理をしても、安定して最高性能の状態で使えるようになるのだ。

搭載GPU「GeForce GTX 1070 with Max-Q Design」のスペック。
「Cooler Boost Trinity」では動作モードをユーティリティから切り替え可能。普段は自動が静音性面で良いが、最大性能を引き出すための「Cooler Boost」モードも選べる。

 「Cooler Boost」オンの状態では冷却ファンの回転がマックスになるので、それなりに耳につくノイズが発生する。まあ、本気でゲームをする時はゲーミングヘッドセットを着用しているだろうから、あまり気にならないといえば気にならない。

 実際、Cooler Boostで本当に最高性能が引き出されるのか、ベンチマークソフト「3DMark」の「Time Spy」で計測した結果が下記の画像だ。

「Cooler Boost」オン時のスコアは「4923」。
標準の自動設定で「3DMark」を実行したところ、スコアは「4807」。

 標準状態のファン制御自動の場合はスコアが「4807」にたいし、「Cooler Boost」オンの状態ではスコア「4923」と100以上もスコアがアップしている。

 GPU側の処理はもちろん、CPU側の処理のスコアも伸びているので。PC全体の性能をを底上げする効果がある。ノートPCながら、CPU/GPUの性能を最大限まで引き出せるこの白いP65 8RF-777JP、やはり尊い……。

フォートナイトは90fpsがターゲット、配信しながらでも遊べるパフォーマンスが尊い

 じゃあ、実際のところゲームのパフォーマンスはどうなのか。まずは最大100人で戦うバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」をプレー。

 このゲームはさほど強大なマシンパワーは必要としないためか、描画距離、影、アンチエイリアスなどすべての画質設定を「エピック」にしてもフレームレートは90fps前後を記録した。

「フォートナイト」の画質設定。最大144fps、各項目は「エピック」とした
リスポーンしたと思われる遠くの敵もはっきり見える
降下してくる補給物資もいち早く発見
自分がリスポーンしてしまったときも、地上の様子が手に取るようにわかるので、どこに着地すべきか判断しやすい

 画質はほぼ最高設定なので敵の視認性も高く、遠くから狙い打ちするのが楽しい(当たるかどうかは別として)。まあ、あまり遠くの敵を狙撃するのにこだわっていると、いつの間にか他の敵に狙われて簡単に倒されてしまうわけだが……。

 GeForce Experienceを使って同時にフルHD 60fpsの画質でプレー動画を保存する設定にすると、フレームレートはだいたい5~10fpsほど低下する。ただ、それでも80~85fpsなので快適さという面では全く変わらないと言っていい。

 80fpsを下回ることはまずないので、ディスプレイの性能を考えてV-Syncをオンにし、144Hzのちょうど半分となる72fpsで安定動作させるのも良さそうだ。

しかし遠くの敵を狙撃するのに夢中になっていると……。
突然横からの攻撃。
集中砲火されてしまうのでご注意を。

フルHDならバトルフィールド Vも60fpsで遊べる!しかも本体は思ったより熱くならない

 次に、11月に発売されたばかりの「バトルフィールド V(Battlefield V)」を試してみる。

 こちらもテクスチャ、ライティング、エフェクト、アンチエイリアスなどをすべて「最高」の設定にした状態であるにもかかわらず、ほとんどのシーンで60fps以上を維持した。

 爆発エフェクトなどが多い負荷の高まるシーンで60fpsを切ることはまれにあったものの、それがカクつきのような形で見えるほどのことはない。

「バトルフィールド V」の画質設定。GeForce Experienceによる自動最適化で、すべて「最高」画質に設定された。
激しいエフェクトの戦闘シーンでもコマ落ちや引っかかりみたいなものは全く感じられず。
マークのない敵の姿も、ズームすることなく視認可能
エイミングがはかどる

 プレイ動画を録画しながらの状態では60fpsを切ることも多くなるが、若干割り込む程度で、FPS初心者の筆者のレベルでコマ落ちを体感するほどフレームレートが落ちるようなことはなかった。

 むしろ攻撃の予備動作が見える敵の姿を遠くから視認できているにもかかわらず、筆者の応戦の操作スピードが追いついていないのが情けない。無駄打ちしてリロードばかりする結果となり、あえなく撃沈するパターンを繰り返す始末。

 それにしても、負荷の高いゲームを長時間プレーして、ファンも回りまくっているのだが、ゲームの動作に影響がないどころか、常時左手を置いているキーボードや手元のトラックパッド付近はほんのり温かくなるだけだったのは驚き。

 熱さを感じるのは内部にヒートシンクがあるキーボード左右奥のフレーム部分のみだ。これなら何時間でもバトルし続けられる。なんだこれ、尊い。

オンライン対戦。霞がかった遠くの味方の姿も把握しやすい
舞い落ちる雪や水たまりの表現にも目を奪われる
衣服のテクスチャーの質の高さ、炎のリアルなエフェクトに腰を抜かすの図(実際は爆発に巻き込まれて逃げ惑っている)

様々なシーンにマッチするホワイト、尊い日常を送りたい男性と女性の両方に

 ゲームをプレーしてみてみると、最初の予感通り、やはりこの白いノートブックはただ者ではなかった。開いた姿は一見すると少しおしゃれなホーム向けノートPCを装っていながら、秘めている実力は本物。

 キッチンでレシピサイトを見ていても全く違和感がないというか、見た目としてはぴったりだし、リビングでグラスを傾けながら動画サイトを見るなど、日常のあれやこれやをこなすのにもマッチしている。

純粋な尊さを感じるたたずまい。これがクリエイターやゲーマーにも向いたPCだとは……、家具との調和も素晴らしい!

 ゲーミングデザインのモデルとは違い、様々なシーンにマッチする点はこのモデルの大きな特徴。女性が使っていたも違和感が無いデザインは、これまでのハイスペックノートPCには無いものだ。

 パワフルなノートPCは欲しかったけれど、それに見合う性能のゲーミングPCがほとんどブラックばかりで食指が動かなかった、なんて人も少なくないはず。

 厳密にはクリエイター向けとなっているが、ゲームにも完璧にフィットするP65 8RF-777JPは、ゲームが大好きでPCの外観にもこだわりたい男性と女性のどちらにもおすすめできる1台だ。このスタイリッシュな白は、ほんと、尊い。

筆者の自宅の作業スペースに置いてみても、にじみ出る高貴さ。
ホワイトレザーもすごく似合う。
ブラウンのレザーと一緒に写してみると、なんだか大人の格みたいなものがあふれ出てきた気がする。
P65 8RF-777JPは、和洋、フォーマル・カジュアル問わず様々な場面にマッチする。

[制作協力:MSI]

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