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9年ぶりにデスクトップPCを乗り換え、ゲーミング性能が100倍超!?の異次元さを体験

Intel 第1世代CPU搭載PCから第9世代CPU搭載PCへ、最新BTO PCを導入してみた text by 日沼諭史

旧自作PC(左)からG-TuneのゲーミングPC「NEXTGEAR i690GA4」(右)に買い替えた

 9年前といえば2010年だ。2010年には何があったのか思い出してみよう……と思ったが、筆者はまったく覚えていないのでググってみたところ、どうやら横綱・朝青龍が引退し、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還、そしてアニメ「カッコカワイイ宣言!」が放送開始になった年でもあったようだ。なるほど!特に感慨はないな!

 しかし、はやぶさが「はやぶさ2」になってリュウグウに到達するくらいには時がたったわけだ。小学校に入学した子供が高校1年生になっている……と考えれば、それなりのタイムスリップ具合と言えよう。ちなみに「カッコカワイイ宣言!」は原作全5巻を所有している。

 そんなわけで、いろいろな出来事が完全に過去のものとなり、忘れ去られるほどの9年間という時を経て今、筆者は新たなWindows PCを手にした。選んだのはマウスコンピューターのBTOマシン「G-Tune」ブランドの「NEXTGEAR i690GA4」だ。

 なお、9年前はPCは自作派だったので、当然自作PCを組んで使用していた。当時はいろいろとパーツを入れ替えて楽しんでいたのだが……。

 「自作好きのくせに9年も何をやっていたんだ」とのそしりは甘んじて受け入れようと思う。その間いろいろありMacに浮気していたが……、後悔はしていない。「自作PC好きのくせになんで選んだのがBTOなんだ」と疑念を抱かれるかもしれない。しかし、自作PC好きだからこそ今選ぶのはBTOなのである。

 今回はWindows PCをなぜ今リプレースし、しかもBTOで、マウスコンピューターのゲーミングPCである「G-Tune」ブランドを選んだのか、そして筆者のゲーム生活が新旧のPCでどう変化したのか、ぜひとも聞いてほしい。

9年ぶりの新しいWindows PCとして選んだのがマウスコンピューターのBTOマシン「G-Tune」の「NEXTGEAR i690GA4」

Windows→MacからのWindowsへと再び回帰したワケ今ゲームも動画もこなすならWindows

MacBook Airを2世代乗り継ぎ、現在はMacBook Pro

 少し昔を振り返ろうと思う。あれは1996年頃のこと、Windows 3.1時代末期に筆者はマイPC(Pentium 90MHzだった)を初めて持つことができた。なぜかそのタイミングで「窓の杜」に関わり始め、大学卒業後は編集スタッフに。そこから何台分のPCパーツを購入したかわからない。

 デュアルPentium IIIマシンを組んだときは、当時デュアルCPU向けのアプリケーションが少なかったのでそれ対応のコピー・バックアップソフトを自作し、自己満足に浸ったりもした。つまりは根っからのWindowsユーザーだったのだ。

 ところがWindowsばかり使い続けているとさすがに飽きる。2009年頃、なんとなく思いつきで「Macも試してみようかな」とMacBook Airを購入したのがきっかけで、それ以来Windowsを積極的に使うことはなくなった。それでも翌年の2010年にはWindows PCを自作していたのだが、あくまでもサブマシンとしての扱い。だから、以降の9年間は大きな更新の必要性も感じられず、そのままの形でWindows PCを(時々)使い続けてきたわけだ。

 ではなぜ、ここへきて再びWindows PCをリプレースしようと思ったのか。それは、サブマシンといえど、さすがにあまりに古すぎ、遅すぎて、仕事にならない場面が増えてきたから。仕事上、Windowsマシンで試す必要があるハードウェアやゲームソフトがあり、これが現行のPCだと満足に動かせなくなってきたのだ(ゲームについて言えば、最初から満足できるようなスペックではなかったけれども)。

 筆者のようなライターという職業にとっては、文章を書けるツールがあればそれでいい、という考え方もある。だからこそ、ここまでの10年間、Macをメインマシンとして使うことができていたとも言えるかもしれない。原稿に付随する写真の加工、ちょっとした動画編集という業務も増えてきたが、その程度なら大げさなマシンパワーがなくてもこなすことはできる。

 9年前に自作したWindows PCも、元々はそういった執筆業務+αを前提に組み上げたもので、最速を狙うのではなく、コストパフォーマンスを重視してパーツを選定していたのだ。ゲームを本格的にプレーすることなんて想定していなかった(そこまでの予算がなかったのもある)。

 そんなゲームプレーを想定していない9年前に自作したPCの、現在の主なスペックが下記だ。

こちらが9年前に自作したPC

9年前に自作したPCのスペック

CPU:第1世代 Intel Core i3 530 2.93GHz(2コア・4スレッド)
メモリ:4GB(DDR3 1333、2GB×2)
ストレージ:SSD 120GB/HDD 1TB・320GB・250GB(全てSATA)
GPU:AMD Radeon HD 5450
M/B:GIGABYTE GA-P55A-UD3R (rev. 1.0)

 旧自作PCのCore i3 530というのは第1世代、Nehalem世代のCPUで、10年前あたりに発売された完全に過去の遺物感が漂うシロモノ。対してG-Tune NEXTGEAR i690GA4は最新の第9世代。「10年一昔」と言うけれど、PC業界にあっては10年もあればCPUが8~9世代は変わってしまうようだ。

 旧自作PCのケースも、シャドウではないフロントドライブベイが5つ。昨今のフロントドライブベイなしのトレンドとは大きくかけ離れているところも、我ながら涙を禁じ得ない。あまりに古い装備の数々に「むしろ今なら高く売れるのでは?」と変な期待を抱いてしまう(そんなわけはない)。

旧自作PCに装着していたCore i3 530。
AMD Radeon HD 5450。ファンレスで静かなのがいい。性能は今となってお察し。
ドライブベイは5.25インチ×3、3.5インチ×2という、“今どき”ではない感じのケース。
マザーボードはGIGABYTEの「GA-P55A-UD3R (rev. 1.0)」
背面のeSATAポートは結局一度も使わなかった
ごちゃごちゃしたケーブルに投げやり感がにじみ出ている。

 とはいっても、実はこの9年の間にマイナーなアップデートは何度か繰り返してきた。たとえばBlu-rayドライブを増設したり、起動ドライブをSSDにしたり、320GB HDDを増設したり、1TB HDDを増設したり、電源ユニットを600Wのものに入れ替えたり、ドライブベイに小物入れを装着したり(性能とは関係ないが)など。でも、そんな小手先のアップデートで世代間の差を埋められるわけがないし、仕事上のボトルネックが劇的に解消するはずもないのである。

9年の間に大容量のHDDや、起動用のSSDを随時追加してきた。
一時的に借りたりする別途電源供給が必要なGeForce GTX 10シリーズなどのために、電源も交換した。

 ちなみに、新たに導入したG-Tune NEXTGEAR i690GA4のスペックはこうなっている。元の自作PCとは何世代も離れているため、比較対象としてはおかしいくらい性能が上がっているパーツが多い。

G-Tuneシリーズ「NEXTGEAR i690GA4」

NEXTGEAR i690GA4のスペック

CPU:第9世代 Intel Core i7-9700K 3.60GHz(8コア・8スレッド、最大4.90GHz)
メモリ:16GB(DDR4 2400、8GB×2)
ストレージ:SSD 256GB(NVMe M.2)/HDD 1TB(SATA)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 2070

なぜ「自作」せず、「BTO」を選んだのか実は価格と保証のバランスが良い今時のBTO PC

ドライブベイを小物入れに。お菓子を入れておくと幸せになれる。いかようにもカスタマイズできるのが自作の面白さ。
旧自作PCに装着しているDDR3メモリ。DDR4を採用する最近のPCには使えない。

 自作派のみなさんのなかには、既存のPC資産を活かして新しいPCを組み上げる、という形で徐々にパワーアップを繰り返している人もいるだろう。

 コストを抑えながらも最新に近い状態を維持できるという意味では効率的だし、その際に無数にあるパーツから自由に選んで、世界に1台しかない自分だけのPCに仕上げられるのは自作の醍醐味でもある。

 筆者もそういうやり方をしていたことがある……のだけれど、世代差を超えたアップデートというのは思った以上にやっかいだ。なぜなら数世代も違えばパーツの流用はほぼ利かなくなるから。

 今回で言えば第1世代から最新の第9世代にアップグレードしようと思うと、ほとんどのパーツは流用できず死蔵することになる。せいぜい使えるのはストレージとケースくらいだろうか……。

 実際、この9年前のPCを自作する際にも同じ悩みにぶち当たっていた。CPUを新しくしようと思えばピン数が違うからマザーボードごと変える必要があり、古い電源ユニットではマザーボードやグラフィックカードの電源コネクタと合わないこともある。アーキテクチャが新しくなっているのでメモリも買い直さなければならない。

 ある程度短い一定のペースでアップグレードを重ねていくような場合には、「自作」というスタイルは賢い選択だ。しかし、「自作」はしたもののその後何もせず、同じ装備のまま何年も使い続けてしまうと、いざアップグレードしようと思ったときにはほとんどの部分で「買い替え」が必要になるのだ。

 だったら8世代ほどジャンプする今回の場合、わざわざ手間をかけて自作する必要はないのではないか。仕事で必要なツールである以上、現在の規格トレンドやらパーツの相性やら、仕事とは直接関係のないことに頭を悩ませる時間も惜しい(それはそれで勉強にはなるのだけれども)。しかも1から自作すると、欲張って1ランク上のパーツを手に入れようとしてしまうわけで、よほど物欲を抑制しない限りトータルでは高くつく。でも、後々のアップグレードもできるようにしておきたいし……。

 なんてことをつらつら考えると、ちょうど都合がいいのがBTOマシンなのだ。ショップやメーカーが、市場にある一般的なパーツをベースに、オリジナルの付加価値をプラスして販売するBTOマシンは、自作に近い自由さがありつつも、性能や安定性、信頼性などの面で「保証」があるのが最大のメリット。それでいて、トータルのコストは自作で同等のパーツを選んだときより安くなることも多い。

 「自作は自分で組み立てるのが面白いんじゃないか」という声があるだろう。筆者も組み立てるのは大好きだ。できるならそうしたい。でも、自作だと何かトラブルがあったときに、「もしかしたらパーツの相性が良くないのでは?」などと悩み、試行錯誤して、結果的にパーツを買い直すなんてパターンも少なくない。

 選んだCPUやマザーボードに最適なメモリの規格、ブランドは何なのか正確に把握するのに、いったいどれだけ時間がかかるのだろう……。自作PCは試行錯誤や失敗も含めて楽しいものだけれど、仕事用のPCとなると使えるようになるまでの“リードタイム”が重要だ。のんびりパーツを吟味して、「ぼくのかんがえる、やすくて、さいきょうのましん」を考えて楽しむ時間は取らせてもらえないのである。

背面まで統一感のあるブラックがシック。G-Tune NEXTGEAR i690GA4に採用されているパーツの多くは個別に入手可能なものだが、ケースなどはオリジナルデザインの物が採用されている。
フロントパネル上部は独特な形状のデザインになっている。
天面にUSBポートやSDカード等のメディアスロットを用意。
底面にはダストフィルター。取り外しが容易で掃除も楽そうだ。
ケース側面のパネルを開けてみた。ケーブルは綺麗にまとめられており、見た目やエアフローも考慮されている。
マウスコンピューターが吟味してくれたパーツが装着されている。内部は広く、拡張性も高そうだ。
ドライブベイなども利便性が高い構造になっている。

 その点、BTOは注文すれば組み上がった状態で届き、すぐに使い始められる。メーカーが自信をもっておすすめしているパーツの組み合わせなので、致命的なトラブルが発生することはまずなさそうだ。もしあったとしても、製品保証の一環として無償で修理・交換ができるだろう。

 しかし、自作PCでパーツごとに買い求めた場合は、ご存じの通り「パーツの相性がよくなかったから返品したい」なんて話は通用しない。故障だとしても、どこが故障しているのか特定するのは複雑さを増してきた現在のPCでは困難を極める。

 法人向けビジネスPCのようなBTOマシンを選ばなかったのにも理由がある。そのようなPCは省スペースを意識したものが多く、拡張性などの点で長く使い続けるのは難しい。専用設計部分が多いなど、製品として完成されすぎていて、アップグレードの余地が(空間的な意味でも)なかったりする。

 一方で今回のマウスコンピューターのゲーミングPCであるG-Tune NEXTGEAR i690GA4のように、エアフローも考慮した筐体内部に余裕のあるBTOマシンであれば、購入後のアップグレードの自由度も高いだろう。

 しばらく使い続けて、もし性能や装備に不足を感じてきたときは、メモリやストレージを増設するなり、グラフィックカードを新しくするなり、自作並みの自由さでカスタマイズできる(カスタマイズの内容によってはメーカー保証対象外になってしまうので注意したいが)。もっと静音にしたいから水冷システムにしよう、なんてことも不可能ではない。

 コストを抑えながらPCのパフォーマンスにこだわることができ、かつパーツ交換の自由度が高いという自作ならではの利点も享受できるBTOマシンは、筆者のように仕事に使うPCでも自作らしさが欲しい人、あるいは自作派の人こそ選ぶべきPCなのではないか、と思ったのだ。

第1世代と第9世代のゲーム性能の差は、果たして……性能差は100倍!?

ベンチマークをとり、ゲームをプレーしてみる。

 さて、肝心のゲーム性能である。今回ゲーミングPCを手に入れたので、やはり新旧PCの性能はゲームで比べたい。

 とはいえ、ベンチマークをするまでもなく、ゲームを想定していない9年前の旧自作PCとゲーミングPCであるG-Tune NEXTGEAR i690GA4との間には、果てしなく高い性能の壁があるのは容易に想像できる。

 旧自作PCのスペックでは、誰が見ても最新の3Dゲームを快適に走らせることなど不可能と思うに違いない。でも、もしかすると意外に健闘するのでは……なんて気持ちもうっすらないこともないので、まずはベンチマークの結果から見てみよう。

 なお、旧自作PCでは3D Markのうち「Sky Diver」しか実行できなかったため、G-Tune NEXTGEAR i690GA4もそれに合わせている。また、G-Tune NEXTGEAR i690GA4の方は仕事用にインストールしているアプリケーションの問題なのか、3D Markはフルスクリーンでの実行ができなかったことからカスタム設定(ウィンドウモードでの実行)としている。

旧自作PCでの3D Mark「Sky Diver」の実行結果。Graphics scoreは「685」
G-Tune NEXTGEAR i690GA4での3D Markの実行結果。Graphics scoreは「72327」
旧自作PCで「VR Mark」を起動すると、スペックが足りずベンチマークが実行できなかった。
G-Tune NEXTGEAR i690GA4でのVR Markの実行結果は「12309」。VR系のゲームも思う存分遊べそう。

 結果としては、ぐうの根も出ないほどのG-Tune NEXTGEAR i690GA4の圧倒ぶり。3D MarkのGraphicsにおける72327というスコアは、旧自作PCのスコアを余裕で100倍以上上回る。およそ10年で100倍。そう考えるとなかなか感慨深い。

 さらにVR Markは、旧自作PCだと「その装備じゃ実行できるベンチマークがないよ」的なメッセージが表示され、計測すらできなかった。すなわち速度差は無限大だ! ……というのは冗談としても、世代間格差をひしひしと感じる。

 では、実際のゲームだとどうだろう。3種類のゲームをプレーしたときのフレームレートをチェックしてみた。

 最初に、FPS「Battlefield V」を試してみる。が、なんと旧自作PCでは最初に「最低要件を満たしていないぞ」みたいな警告メッセージが表示され、起動はしても最初のメニュー画面でマウスやキーボードが反応してくれない。つまりプレー不可……。

旧自作PCでは起動時に警告が表示。起動はできるが……。
メニュー画面が激重。そしてマウスやキーボードが反応しない。

 ちなみに、これまでは何らかの検証作業でこのゲームをプレーする必要があったときは、一時的にGeForce GTX 10シリーズなどを借りたりしてなんとかしのいでいた。けれど、純粋に9年前の装備だと一切遊べないのである。こういった状況になった場合、唯一「Alt+Tab」だけは反応するので、デスクトップに切り替えて強制終了するしかない。

 G-Tune NEXTGEAR i690GA4だと当然ながらサクッと起動できる。ゲーム中は、モニターの解像度である2,560×1,440ドット(WQHD)で最高画質にしても80fps中盤~後半で安定。しかもこのPCにはGeForce RTX 2070が搭載されているので、「リアルタイムレイトレーシング」をオンにして“本当の最高画質”でプレーできるのもポイントだ。

G-Tune NEXTGEAR i690GA4ならもちろん起動する。
WQHD/最高画質時のフレームレートはだいたい80fps以上

 ただ、さすがに最高画質かつレイトレ有効だとフレームレートは約半分の40fpsあたりまで落ちてしまう。ここまで大きく変わるとビギナーの筆者でも80fpsとの差がはっきりわかる(モニターのスペックは最大60Hzではあるけれども)。

 エイミングをはじめ、あらゆるマウス操作が若干ぎこちない。レイトレによる本当の最高画質で遊ぶのもいいが、どちらかというとオフにして、そこそこ最高な画質で楽しみたい気分だ。

WQHD/最高画質でリアルタイムレートレーシングをオンにすると……
フレームレートは約半分の40fpsに低下する。これでも十分にプレーできるが、80fpsとの差はやはり感じる。

 続いてレースゲームの「MotoGP18」。Battlefield Vほど重そうな感じはないので、旧自作PCでも多少はプレーできるかな、と思いきや、こちらもメニュー画面でつまづいた。

 タイトル画面まではパスできたものの、メニューの選択肢が表示されず進行不能。画面のフレームレート表示は1~2fpsを指している。厳しい。こちらも強制的に終了するしかなかった。

旧自作PCは「MotoGP18」でもメニュー画面で沈黙
フレームレートはまさかの1fps。

 気を取り直してG-Tune NEXTGEAR i690GA4で起動してみると、2,560×1,440ドット(WQHD)の解像度かつ最高画質でありながら、レース中はずっと130fps前後をキープ。

 果たして旧自作PCと比べる意味があるのかわからないが、単純計算で65~130倍という異次元の描画速度である。リフレッシュレート144Hzのゲーミングモニターを買い足したくなってきた……。2019年シーズンのリアルなMotoGPの方もすでに開幕しているが、今年は観戦したり、自分でライダーを操ったりと、レースをいろんな方法で楽しめそうだ。

G-Tune NEXTGEAR i690GA4でMotoGP18をプレー。画質は最高設定に
トラフィックの多いシーンでも130fpsを下回ることはなかった。楽しすぎる。

 今のところ旧自作PCでは1つもゲームを動かせていないが、そろそろなんとかしたい。都市シミュレーションの「Cities: Skylines」はどうだろうか。

 このゲームは都市が大きくなるほどグラフィックの描画だけでなくシミュレートすべき要素やデータも増え、重くなる傾向にある。CPUとGPUの性能、さらにはメモリ容量が影響するゲームということもあって、旧自作PCではまずマップのローディングに時間がかかり、なかなかゲームが始まらない。プレーできるのかしら……と不安になりながら待つこと2分以上、なんとかマップが表示された!

 ただし、フレームレートは軒並み3~4fps。画質設定を最低にしてもこれだ。マウスやキーボードから入力した後、画面にその操作結果が反映されるまでたっぷり1秒くらいのラグがある。こうなるとストレスどうこうよりも、実質的にプレー不可能なのでさじを投げざるを得ない。

旧自作PCで「Cities: Skylines」の起動に成功!
でもフレームレートは3か4といったところ

 たとえばボタンをクリックしてもウィンドウがポップアップしないので、「ちゃんとクリックしてなかったかな?」と思って何度もクリックしてしまう。で、実際には入力キューが溜まっているから、あるタイミングでいきなり思ってもいない画面に遷移するのだ。また、キーボード操作で画面スクロールすると1秒後に予想もしない場所へワープする。狙った場所に移動できず、いつまでたってもゲームが進められない。

 なので、これまではプレーするのをあっさり諦め、YouTuberのゲーム配信動画を見ることで、自分でもプレーした気になるテクニックを編み出していた。「いやー、やっぱゲームは自分でやるより他人のを見ていた方が面白いよなー(棒)」とか言いつつ。自分でプレーする方が楽しいに決まってるのに。

 でもって今度はG-Tune NEXTGEAR i690GA4で起動してみると、画質設定を全て上限に設定した状態で、どんなに重い場面であっても40fps以上を維持してくれた。操作はヌルヌルである。旧自作PCのときと同じ最低画質に設定すると、少なくとも60fps後半は維持できる。これなら街作りも楽しくなるというものだ。もうYouTuberのプレー動画を見て遊んだ気になる必要はない。自分で素敵な街を作ろう……。

G-Tune NEXTGEAR i690GA4で「Cities: Skylines」を起動。ヌルヌル動くのに感動する
最高画質でも40fps以上
最低画質だと常時60fps後半より上に

「PCを触っていて楽しくなってくる気持ち」を久しぶりに実感

NEXTGEAR i690GA4の仕事用途での実力はどうなのか、次回ご紹介したい

 新旧のPCを比較すると、9年という歳月は、少なくともPCゲームにおいては計り知れない差を生むものなのだなあ、と実感する。

 実質的にゲーム性能がゼロだったところから、何のストレスもなく極めて快適にプレーできる環境へと一気に進化すると、「PCゲームってこんなに楽しかったのか!」と感動すら覚える。

 PCの使い道、楽しみ方が増え、PCがますます好きになってくるこの感じは、なんだか久しぶりに味わったような気がする。

 ところで、今回はゲームでの性能差を中心にチェックしてみたが、本来このG-Tune NEXTGEAR i690GA4は筆者の普段の仕事用マシンとして導入したのである。プロゲーマーではないので、決してゲームをプレーすることが仕事ではない。

 では、筆者のメイン用途における「仕事性能」は以前と比べてどれくらい変わってくるのだろうか。次回はそのあたりを紹介させてほしい。

[製作協力:マウスコンピューター]