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どんな持ち方にも対応できるゲーミングマウス「CORSAIR M55 RGB PRO」を試してみた

両手対応のシンメトリーデザイン、クセの無い一台 text by 白倉甲一

CORSAIR M55 RGB PRO

 マウスの持ち方には「かぶせ」「掴み」「つまみ」など様々なものがあるが、どんな持ち方にも対応できるマウスはそれほど多くない。

 また、自分の持ち方に合う形状で、なおかつ自分の手のサイズにもフィットするモデルを探そうとすると、「なかなかしっくりくるものが見つからない」ということも多いのではないだろうか。特に低価格帯のモデルから探そうとすると、かなり難しいはずだ。

 今回紹介するCORSAIRの「M55 RGB PRO」は、どのような持ち方に対応し、どんな手にもフィットするとうたわれた両手用ゲーミングマウスだ。実売価格は税込5,400円前後と、比較的手の出しやすい価格帯のモデルでもある。

 左右対称のデザインを採用し、万人向けをウリとする本機だが、実際にどれほどの汎用性があるデザインなのか見てみよう。

左右対称かつマルチグリップ対応な形状センサーは「PMW3327」で最大解像度12,400dpi

 M55 RGB PROは形状的には左右どちらの手でも使えるようになっているシンメトリーデザインが特徴的だ。ケーブルを除いた本体重量は約86gと大きさの割には軽め、接続方式は有線USBでケーブル長は1.8m。

 あまり細身な部類ではないが、側面に適度に抉れるような凹みがあるので、「つまみ」持ちの際にしっかりグリップ出来る。奥側が低く、手前側がやや高くなっているため、爪を立てるようにする「掴み」持ちもしやすい。

 奥側に対して手前側が大きく広がっていて、手のひらをべったりと乗せるようにする「かぶせ」持ちにもちょうど良いスペースを確保出来るようになっているようだ。

 こうした様々な持ち方で使用できるマルチグリップ対応もM55 RGB PROの特等になっている。

側面、基本的に左右どちらの面も全く同じデザイン。側面には適度に凹みがあり、ホールドしやすい。
上部、ボタンは計8個。サイズは124×68.4×40mmと中程度。
底面、センサーには最大解像度12,400dpiのPixart社製「PMW3327」を搭載。

 センサーにはPixartの「PMW3327」を採用。最大解像度は12,400 DPIで、ドライバソフトウェア上から100dpi刻みで調節可能。同価格帯のゲーミングマウスと比べてもなかなか高い解像度なので、センサー性能を重視しつつコストを抑えたいユーザーに適しているだろう。

 左右ボタンのスイッチには、5,000万回クリックの高い耐久性を誇るOmron製スイッチを採用。ボタン部分がセパレートされていないので、クリック時の手応えがハッキリとしている。

左右ボタンのスイッチはOmron製で、クリック感がしっかりわかるものになっている。
本体側面部分には固めのラバー加工が施されている。
サイドボタンは押分がしやすいよう、斜めにパーツが分けられている。
細めで柔らかい編組ケーブル。マウスバンジー無しでも取り回しは問題はなさそうだ。

 サイドボタンは両側にそれぞれ2つ。押し分けがしやすいように斜めに切れ込みが入っている。

 デフォルト設定では左サイドのボタンのみが有効になっている。基本的には利き手と逆サイドにあるボタンは、保持する際に小指や薬指が当たって誤爆しやすいので、そこを考慮してのことだろう。当然、ユーティリティから設定を変えれば使用可能になる。

左右対称デザインを考慮したソフトウェア設定イルミネーションやマクロの設定も可能

 CORSAIRの統合ユーティリティ「iCUE」での設定も左右対称デザインを考慮したものになっている。

 デフォルトは右利き向けの割り当てがプリセットされているが、ユーザーの好みに合わせて様々な設定が変更できる。

デフォルト、右側サイドのボタンが暗転して選択できないようになっている。
メニューバーの”設定”タブから「両側ボタン有効化」をにチェックを入れることで割り当て可能になる。

 ユーティリティ上には左利き向けにワンボタンで設定を切り替えられる「左利きモード」の項目が用意されており、チェックを入れて反映すれば、左右クリックボタンの入れ替え、および右側サイドボタンのみ有効といった状態に切り替われる。

 また、「両側ボタン有効化」にチェックを入れることで左右どちらのモードでも両サイドのボタンに機能を割り当てできるようになっている。

 前述の通り利き手と逆サイドのボタンは慣れないと誤爆しやすいが、ボタンの割り当て数が足りない時など、場合によって使い分けるのが良いだろう。

LEDライト点灯時。発光箇所はホイール下部とロゴ部分。
”照明効果”タブ、プロファイルによって色が変わるようにしておくと、今有効になっている設定がわかりやすい。
”DPI”タブ、解像度は最大5パターン+スナイパーボタン押し下げ時に有効な1パターンを設定可能。解像度毎に色を設定できる。

 こうしたボタン設定などはもちろん、ユーティリティからはマクロ機能やイルミネーション制御設定などを行うことが可能だ。

 自由にイルミネーション設定ができるのは本体のロゴマーク部分で、好みのイルミネーションパターンや色を選ぶことができる。また、このロゴ部分はプロファイルに合わせて発光パターンを変えたりすることも可能で、現在どのプロファイルを選択しているのか、視覚的にわかりやすくするといった活用もできる。

ホイール下部のLED部分は現在のdpiを色で表示するインジケーターになっており、設定dpiに連動して色が変わる仕組みになっている。例えば、800dpi時は赤、1,500dpi時は黄色といったように、現在のdpiを確認しやすくすることができる。

 こうしたイルミネーションの機能は設定次第で利便性も向上するので、上手く活用したいところだ。

汎用性の高いデザインが光るシンプルなゲーミングマウス

 現在のゲーミングマウスは、エントリー向けから高級モデルまで幅広くラインナップされており、大きさ、形状、ボタン数、センサーなど、こだわりを持ち始めるときりがないほどに多彩な選択肢がある。

 そうした数多くのマウスが存在する中、「M55 RGB PRO」は一見すると尖った特徴は無いが、安価ながらもハードウェア面は妥協せず、シンプルで汎用性の高いデザインに仕上がっている。癖が無く扱いやすいことがこのマウスの個性だ。

 ゲーミングマウス選びで迷ったときや、マウスの選び方がわからないというユーザーには是非手に取ってみてもらいたい。オーソドックスなモデルなので、どの部分が好みに合うのか、逆に合わないのかといった、自分の求めるマウスの方向性を確認する面でも役に立つだろう。

[制作協力:CORSAIR]

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