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8コアCPUもしっかり冷えるCORSAIRのCPUクーラー「A500」、光らない高性能モデル
大型メモリでも干渉しないファン固定機構を採用 text by 新井 将彩成
2020年3月23日 00:05
今回のレビューで紹介するのはCORSAIRのサイドフロー型CPUクーラー「A500(CT-9010003-WW)」だ。
大型のヒートシンクに冷却ファンを2基装備したCPUクーラーで、冷却性を重視したモデルとなっている。
CORSAIRが「CPU温度を急激に下げる」とうたうハイエンドモデルの空冷クーラーがどのような仕上がりになっているのか、まず外観からチェックしてみよう。
デュアルファン搭載のシンプルな大型クーラー広い回転数域をサポートする冷却ファンを装備
A500は、大型のヒートシンクに120mmサイズの冷却ファンを2基搭載した冷却性能をウリとするCPUクーラーだ。イルミネーションなどを廃したデザインになっている。
対応CPUソケットは、IntelのLGA 115x/2066/2011(v3)、AMDのSocket AM2(+)/AM3(+)/AM4。
冷却ファンにはPWM制御に対応した同社の「ML120」を採用。磁気浮上ベアリングを搭載したモデルで、回転数は400rpm~2,400rpmと広い範囲で調節できる点が特徴だ。
また、クーラーの上部にはメーカーロゴがあしらわれたカバーが備えられており、見た目にも配慮された構造が採用されている。クーラーを取り付ける際はカバーを取り外し、フィンの間に設けられたスペースからネジ留めが可能となっている。
どんなメモリもほぼ干渉しない?ファンの位置を大きく変えられるスライドロック式機構を採用
大型サイドフロークーラーは、背の高いヒートスプレッダを搭載するメモリや最近ではI/Oカバーと干渉してしまうことがある。干渉した場合はファンクリップを一度外し、再度取り付けるという面倒な作業をしなければならない。
A500では、スライドロック式のファンマウントを装備しているため、ワンタッチでファンの高さを簡単に調整できるという便利な機能が利用できる。冷却フィンに直接触れなくて良いので、誤って指先を切ってしまう事故も回避できるだろう。
「Core i9-9900K」も静かに冷やせる! A500の冷却性能をテストしてみた
ここからは、A500の冷却性能を8コア/16スレッドのIntel CPU「Core i9-9900K」を使い、性能をチェックしてみよう。
参考比較用の空冷クーラーとして、Intel純正の空冷CPUクーラー「TS15A」を用意。CPUの動作クロックは、コアの動作倍率を手動で設定し、「全コア3.6GHz動作」と「全コア4.4GHz動作」の2パターンでテストした。
テストでは、ストレステストのフリーソフト「OCCT V5.5.3」を用いて全コア/全スレッドに負荷をかけた状態のピーク時のCPU温度を測定する。温度は同ソフトで表示されるCPU Packageの数値を参考にした。また、冷却ファンの回転数についてはいずれもマザーボード設定「Auto」の状態で動作させた。
動作温度の結果だが、3.6GHz動作時のCPU温度は、TS15Aの74℃に対して、A500は24℃低い50℃という結果に。4.4GHz動作時の結果は、TS15AではCore i9-9900Kの動作上限温度の100℃に達し、サーマルスロットリングが作動した。それに対し、A500は70℃以下を維持することができた。
これはテスト中に気づいたことだが、4.4GHz動作時にA500の排熱部に手を添えると確かな温風を感じることができた。CPUの発熱がヒートシンクへと伝わり、2基のファンでしっかり冷却されている"証"とも言えるだろう。
また、TS15Aでは大きなファンノイズを発生させていたのに対し、A500では大きな負荷がかかっているにもかかわらず、ファンの回転数に余力を残しつつ冷却が行われていた。
高い冷却性と利便性を兼ね備えた大型クーラーシンプルでハイスペックなPCを求めるユーザーに
A500は、大型のヒートシンクと冷却ファンを2基搭載した大型クーラーだ。ワンタッチでファンの高さを変えられるマウンタが搭載されており、便利さと共に安全性も備えた製品となっている。
今回テストしたCore i9-9900Kはもちろん、よりコア数の多いCPUにも役立つであろう。また、昨今では光るCPUクーラーが多い中、A500はLEDを一切搭載しないシンプルなデザインを採用するのも特徴だ。日本では光らない高性能PCパーツが一部で人気になっていることもあり、落ち着いたデザインのハイスペックPCを構築したいユーザーには注目してもらいたい製品だ。
[制作協力:CORSAIR]