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指紋認証付きの高速外付けSSDはテレワーク最強のモバイルストレージかも!
データを守れて高速1GB/s、カードサイズの外付けSSD「Samsung T7 Touch」を試す text by 日沼諭史
2020年5月11日 00:01
10Gbps転送に対応するUSB 3.2 Gen2ポートを備えるPCは増えつつあり、この高速性を100%活かせるデバイスとして注目され始めているのが、USB 3.2 Gen2対応の外付けSSDだ。
これまでHDDが担っていたバックアップ用途のほか、USBメモリが定番となっていたデータの受け渡し用途まで、外付けSSDですべてカバーできてしまう。内蔵のSATA SSD(6Gbps)よりも高速なため、クリエイター用途の作業スペースとしても活用できる。
ただし、万が一、紛失や盗難といったことが起きてしまった場合、データ漏洩する危険性を考えると気軽に外付けストレージを持ち運ぶわけにはいかないのが悩みどころ。とりわけビジネスシーンにおいては致命的な事態になってからでは取り返しがつかない。
オフィス外で仕事をするテレワークの動きが活発化している今こそ、安全にデータを持ち運んで生産性高く仕事したいのに……と思っていたら、そんな悩みを颯爽と解決する外付けSSD「Samsung T7 Touch」が登場した。
高速、大容量なだけでなく、独自の指紋認証機能も備え、ビジネスにおいて懸念されがちなセキュリティの課題までしっかり解決してくれる。みなさんが自分の仕事でどんな風に使えるのか、さっそくチェックしてみよう。
コンパクトなカードサイズのSSD、1GB/s超えの高速モデル
T7 Touchの注目すべきポイントはいくつもあるけれど、まず紹介したいのがその大きさだ。幅85×高さ57×厚み8.0mmという寸法は、まさにカードサイズ。
標準的な名刺よりも幅が6mmほど小さいので、カードサイズ以下と言うのが正しいかもしれない。重さ約58gと軽量なこともあって、指でつまんだ感覚としてもカードケースが近いと思える。胸ポケットに入れていると、ふとした瞬間に滑り落ちてしまいそうな、それくらいコンパクトなボディだ。
容量は500GB、1TB、2TBの3種類で、カラーはブラックとシルバーが用意されている。
接続するポートはT7 Touch本体側がUSB Type-C。これと接続するUSBケーブルは、Type-C - Type-AとType-C - Type-Cの2本が付属しているので、デスクトップPCでもノートPCでも買ってすぐに使い始められる。
ケーブル長はいずれも実測46cm(コネクタ部含む)となっていて、デスクトップPCで使うのに短すぎず、ノートPCで使うのに長すぎない、絶妙な設定。
もう1つのポイントは、やはりスピード。スペック上は最大転送速度1,050MB/sとうたっている。
実際のところはどうなのだろうか。「CrystalDiskMark 7」で1TBモデルを測定してみた結果が下記の画像だ。読み込み速度はほぼスペック最大値の1,051MB/sもの速度を叩き出し、書き込み速度も861MB/sと高速な値となった。
1GB/sというのがあまりピンとこない人のために説明すると、たとえばかなり高画質なビットレート100Mbpsの4K動画は、80秒でだいたい1GB程度の容量になる。つまりT7 Touchは80秒の4K動画をたった1秒ほどで読み込んだりできるポテンシャルを秘めているわけだ。
指紋認証でデータをがっちりガード紛失、盗難といった万が一の危機にも強い
T7 Touchの最大の特長となるのが、本体に備えた指紋認証機能。
T7 Touchはそのままでも自由に読み込み・書き込み可能な通常の外付けSSDとして利用できるのに加えて、専用ユーティリティ「Samsung Portable SSD Software 1.0」をインストールすることで、パスワードおよび指紋認証によるデータの暗号化・保護を有効にすることができる。
設定の方法は簡単だ。ユーティリティ上で指紋認証をオンにし、指示に従って本体の指紋センサーに何度か指先を押しつけるだけ。
最大4つの指紋を登録できるので、どんな体勢でも指をかざしやすいように両手指の指紋を2つずつ登録しておくのが良さそうだ。もちろん、可能な限りセキュアにするため、指1本だけを登録するのもアリ。
パスワードや指紋認証を有効にした場合は、認証をパスしない限り、PCに接続しても数十MBの読み取り専用領域にアクセスできるだけ。しかし、指を指紋センサーにタッチして認証すれば、即座にユーザーが保存した実データ領域が⾒えるようになる。
専用ユーティリティが必要になるのは指紋登録などの設定を行なうときのみで、一度登録してしまえば、その後はケーブル接続して指紋センサーにタッチするだけで通常の外付けストレージと同じように扱える。センサーの反応も素早く、ユーザーとしては普段の使い勝手とほとんど変わらないのに、セキュリティを大幅に高められるのがT7 Touchのいいところだ。
高速&セキュアな外付けSSDはどこで活躍する?ビジネス用途で活用してみた
カードサイズで軽量・コンパクト、高速な1GB/sのデータ転送、指紋認証による高いセキュリティというT7 Touchの特長を踏まえたうえで、具体的にどんなシーンで、どんな活用方法が考えられるだろうか。
主にビジネスにおけるユースケースに絞って今回は紹介しようと思う。
省スペースかつセキュア、バックアップ用途にも便利
カードサイズの軽量・コンパクトなボディで、T7 Touchは「データを持ち歩きたい人向け」という印象が強いが、移動することの少ない内勤の仕事であっても実は大いに役立つ。
たとえば仕事データのバックアップ目的で、デスク上に据え置きしている大きな外付けHDD。物理的にワイヤーで結んで持ち出せないようにしているところも多いだろうけれど、それをT7 Touchに置き換えてみてはどうだろうか。
T7 Touchは500GB、1TB、2TBの3種類(ボディカラーはそれぞれにブラック、シルバー)がラインアップされており、容量面でも十分にHDDの代用になる。小さいからデスク上に余裕ができ、紙の資料を広げるようなときにも邪魔にならないから、仕事の効率は少なからずアップする。
使っていないときや終業時にしまっておきたい場合、引き出しにわずかでも空きスペースがあればOK。万一盗難されたりしても指紋認証機能でデータ漏洩を防げるので安心だ。
オフィスと自宅のデータ持ち運び、取引先とのデータ共有がスムーズに
昨今の世界的な動きとなっているテレワークを含むフレキシブルな仕事スタイルにおいて、T7 Touchが本領を発揮することも間違いない。
オフィスで作成したデータを持ち帰って自宅で続きを編集する、といったケースでは、やはり持ち運びの楽さが大きなメリットになる。HDDやUSBメモリであれば転送時間や容量の関係で数百GB単位のデータを毎日手軽に持ち運ぶといったことは難しいが、T7 Touchであれば大容量データの持ち運びも現実的だ。
また、ケーブルが2本付属しているので、オフィスと自宅の2拠点で仕事をしているのなら、各拠点に1本ずつケーブルを置きっぱなし、差しっぱなしにして本体だけ持ち運ぶのもアリだ。一段と身軽さが増すうえ、使うときはカバンから取り出してケーブルを1箇所差し込むだけだから、スピーディーに仕事を再開できる。
T7 Touchを持ち運んでいる途中で紛失や盗難のリスクもあるが、中身を見るには指紋認証かパスワードが必要。データはAES 256-bitで暗号化されており、万が一の事態が発生してもデータ漏洩のリスクをかなり低くすることができる。
さらに、指紋認証機能で4本の指まで登録できる点を活かして、1つのT7 Touchを複数人で共有する使い方も便利。取引先とデータを受け渡しするときに、互いの担当者が指紋登録したT7 Touchを使うようにすれば、より安全なデータ納品が可能になるだろう。
写真、動画などの直接編集でもストレスなしの高速さ
外付けストレージだからといって、これまでのHDDのように単なるデータ置き場にならないのがT7 Touchの特徴でもある。1GB/sというデータ転送速度は、単純にファイルのコピーを高速化するだけでなく、直接ファイルを編集する際のボトルネック解消にもつながるからだ。
例えば、デジタルカメラで撮影した高解像度のRAW形式の写真データを、SDカードなどからT7 Touchにコピーするのは当然ながら高速だ(SDカードリーダーの性能にもよる)。その後現像処理したり、レタッチするときは、T7 Touchに保管している写真データを直接扱ってもストレスは感じない。これまでの外付けHDDだと明らかにもたつくような場面が、T7 Touchなら何の引っかかりもなく、スムーズに処理できる。
これは動画編集のときも同じだ。動画作品の場合、多数の映像ソースや静止画像、音源などを組み合わせて作り上げるだけに、ストレージの負荷は一段と高まる。それらのデータをいかに高速に読み込めるか、編集中にレスポンスよく操作できるか、あるいは仕上げのレンダリング工程をどれだけ短縮できるか、というところにT7 Touchの1GB/sは効いてくる。
また、小さな文書ファイルしか普段扱わない仕事であっても、ストレージ速度が高速化する影響は意外と大きいもの。T7 Touchを作業領域にすることで、OSの動きの軽快さまで変わったように感じるはずだ。
MacでもAndroidスマホでも使える、実は経費節減にも効果的
T7 TouchのセキュリティモードはデスクトップPCとノートPCのどちらでも利用でき、さらにWindows(Windows 7以降)とMac OS(Mac OS X 10.10以降)のどちらの環境でも使うことができる。また、PCだけでなくAndroid(Android Lollipop以降)搭載端末でも使用可能だ。
それぞれの環境に合わせフォーマットする必要はなく、そのまま同じ指紋で認証しながら、同じデータ領域を異なる環境で共用できる。普段持ち歩いているのはmacOSのノートブックで、オフィスや自宅はWindows PC(またはその逆)という状況でも、T7 Touchが1つあればいい。
したがって、日常的に使う仕事データの保管場所を、PC内蔵のストレージから、外付けのT7 Touchに全部移して持ち運ぶようにすれば、どこにいても、どんな環境にあっても最新のデータを参照できるようになるだろう。
しかし、メリットはそれだけに止まらない。内蔵ストレージからT7 Touchへデータを移行することで、その分の内蔵ストレージ容量を節約できるのだ。データを移せば元のストレージの容量を節約できるのは当たり前、と思われるかもしれない。ただ、データ移行しても作業効率が変わらず、むしろアップする可能性まであるのは高速なT7 Touchだからこそ。
PCやスマートフォンの内蔵ストレージ消費を抑えられるということは、最初からその余計な容量を見込む必要がないことを意味する。つまり、PCやスマートフォンを購入する際、内蔵ストレージの容量を1段階、あるいは2段階少ないものを選ぶことができ、経費節減を図ることもできる。高速な外付けSSDを活用することは、結果的にコストダウンにもつながるわけだ。
「今」と「将来」のために、指紋認証付きの高速外付けSSDを準備しようT7 Touchはビジネスシーンで積極的に使える
ただのコンパクトな外付けSSDに見えるT7 Touchだけれど、高速なデータ転送や指紋認証による高度なセキュリティ、環境を選ばない使い勝手の良さによって、ビジネスの幅広いシーンで活躍してくれることがおわかりいただけたはず。
もちろん仕事とは関係のない、大事な家族写真・動画の保管、セーブデータを含むゲームコンテンツの持ち運びといったプライベートな用途でも、T7 Touchは期待以上の能力を発揮してくれる。
世の中は外出自粛の状況で、データを今すぐに持ち出すニーズはそこまで多くないかもしれない。しかし、テレワークなどで自宅で作業している仕事データはいずれ会社や取引先に持っていく必要があり、高速・大容量で安全に持ち運べるT7 Touchほどそうした用途に向いているものはない。
今のうちに作業データをT7 Touchに移行しておけば、来るべきときには業務をいち早く正常化でき、働き方改革も大きく前進させられる。あるいはPCを新しく買い換えるときも、データ移行がそもそも不要になって仕事のダウンタイムを最小限にできる。
実際に使ってみて、高いポテンシャルを備えたT7 Touchは、外付けSSDとして現在ベストに近い選択肢なのでは、と感じた次第だ。
[制作協力:Samsung]