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6足歩行が熱い! プログラミングロボット「フォロ for PaletteIDE」で遊ぶ

組み立てとプログラミングを学べるSTEAM教材 text by 林 佑樹

プログラミング・フォロ for PaletteIDE

 STEAM教材は進化している。当然、STEAM教育手法に関わるもので、たぶんAKIBA Hotline!読者の半数くらいはゲームプラットフォームの“Steam”も浮かんでいるかもしれないが、似ているといえば似ているし、似ていないといえば似ていない。

 STEAM教材はエントリーなものから、フルビルドな本格的なモノまであり、ステップアップしやすい環境が構築されつつある。エントリーラインの製品は構造がシンプルでありつつ、ギミックを学びやすく、また作るのも楽しい。

 というわけで、おうちでエンジョイするべく、本稿ではSTEAM教材のひとつでもあるエレキットの「プログラミング・フォロ for PaletteIDE」(販売価格は税抜き7,500円前後)を見ていく。本製品はロボの組み立てとプログラミングを学べるものだ。

赤外線センサーを搭載し、6足歩行でワシャワシャと動く組み立て式ロボット

パッケージ

 プログラミング・フォロは、赤外線センサーを搭載し、6足歩行でワシャワシャと動く。

 製品は組立式となっており、プラモデルを作ったことがあれば苦戦することはないレベルだ。

袋分けが明確なので、説明書を見つつ進めやすい
説明書。しれっとギアの具体的な種類やセラミックコンデンサの記載があり、ポイントが高い
タッピングねじやシャフトは実物大がわかるようになっている

 組立時間は3時間ほどとなっているが、大人の場合は2時間以内に終わる難易度になる。また半田がなくても組み立てられるため、必要なものはニッパーとドライバー(No.1)だけで済む。なお電源は単4形乾電池×4。

ボディの組立。シャフトやギアの組み込みからスタートする
6足なので説明書とやや睨めっこになる。組立でもっとも時間のかかるパートになるだろう。三次元的な構造把握の訓練になるなぁという印象
足に外殻を取り付けたところ
ボードの取付は配線に注意しつつになる
マトリックスLEDボードを取り付けたところ。USBポートはプログラム書き換え用。USBケーブルを外す際にマトリックスLEDボードもセットで抜けやすいので、この辺の対策を考えつつ組み上げてみてもいいだろう
トレーシングペーパーを貼るのだが、これはなくてもいいかも
背面から見えるモーターがたいへんよろしい

 動きは意外にも素早く、かつ小回りが効く。また6足の挙動がたいへんよろしく眺めているだけでも楽しい。

 ちょっとした段差もクリアしていく。駆動音は見た目以上に騒々しいのだが、これを解決してみようと試すルートもある。脚部の先端にゴムに変更してみたり、ギア部にグリスを挿してみたりなどだ。

実際に動かしてみた

プログラミングにはWindows 10対応の「PaletteIDE」を使用

 プログラミングはPaletteIDEを使用する。Windows 10に対応するアプリケーションで、移動や停止、条件分岐などを設定できる。プログラミングはピクトの組み合わせになっており、言語がよう分からん人も安心だし、基本を学び直すにもほどよいだろう。

Presetは16種類。うち1種は出荷時点で本体にインストールされている
ピクトベースなので、構造把握が楽

 制御は移動系だけでなく、真偽定数や搭載しているIRセンサー、ボタンのほか、LEDマトリクス、サウンドに及ぶ。よって、実行できることはとても豊富なのだが、まずは用意されているサンプルプログラムの構造を見るなどして覚えていくか、それをベースに改造していくといいだろう。

IRセンサーを利用した条件分岐
マトリクスLEDの表示制御は地味に豊富。アニメーション作りだけでも細かく作り込める
赤外線センサーは障害物検出や近接センサー的な運用になる。首を上下に振れるので、実装先に合わせた設定が可能だ

大人でも余裕で遊べる仕上がりのプログラミングロボット

 対象年齢10歳以上の組立キットになるが、大人でも余裕で遊べてしまう仕上がりで、子供といっしょに組み上げるにしても楽しいものだろう。

 また改造していくにしても、あちこちに介入余地があるので、PaletteIDEで仮定→試験実装→観察→反映を楽しむだけでなく、ハードウェア側でも実行してみるといいだろう。