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これは映画かゲームか……?レイトレ対応の超美麗タイトル「Deliver Us The Moon」にハマる

MSIのGeForce RTX 2080 SUPER GAMING X TRIOで注目レイトレーシング対応ゲームを総チェック text by 芹澤 正芳

レイトレ対応ゲーム、増えています

影や反射のリアルな表現が魅力のリアルタイムレイトレーシング。この質感でヌルヌル動く様は感動モノ!

 2018年8月に発表されたGeForce RTX 20シリーズが対応した「リアルタイムレイトレーシング」(以下レイトレ)。光線の動き、反射をリアルタイムに計算することで複雑な映り込みや陰影表現が可能になり、ゲームグラフィックスは別次元へと進化した。そして、発表から2年近くが経ち、レイトレ対応タイトルは着実に増えてきた。

 今回は、その中でも美麗なグラフィックスと秀逸なシナリオが注目を集めている「Deliver Us The Moon」にフォーカスしつつ、最新のレイトレタイトルを一斉チェックしてみたい。

レイトレーシングオフ時とオン時の画質の違い。ガラス面への主人公の映り込みの有無が分かりやすいが、右側のパイプの質感などにも違いが現れている

グラフィックスがレイトレで超キレイ! なだけじゃない「Deliver Us The Moon」

 バトルフィールドVやシャドウ オブ ザ トゥームレイダーなど人気タイトルがいち早くレイトレに対応したことで注目を集めた。その後もレイトレ対応タイトルはじわじわと増えているが、今回紹介するSFアドベンチャーの「Deliver Us The Moon」はその中でも注目度の高い一本。

 美麗グラフィックス、月面基地を探索する冒険感、大きな謎の核心へとしだいに迫ってゆくシナリオ、この3本の軸が密接に結び付き、未来の異世界へとプレイヤーを引き込む。アクション性はあまり要求されないので、インタラクティブな映画といったノリで幅広い層にオススメできる。

宇宙船に乗って月へと飛ぶ「Deliver Us The Moon」

 月に新たなエネルギー資源を発見した人類は、そのエネルギーを地球に送ることで生活していた。しかし、ある日突然月からのエネルギー供給が途絶えてしまう。それから数年、プレイヤーは地球最後の宇宙飛行士となって月に向かい、エネルギーが供給されなくなった原因を探り、人類を危機から救うことを目指すことになる……というストーリーだ。

 トラブルを乗り越えながら、真相に迫っていくのが醍醐味だが、レイトレの手法としてガラスや水面に画面外の情報も反映し、リアルな映り込みを実現する「リフレクション」と、光を遮断する多くの要素を取り入れてリアルな影を映し出す「シャドウ」を活用している。これによって、ガラスに宇宙服を着た自分が映り込んだり、見えない位置にある物体の影まで表示したりと臨場感がグッと増している。

左がレイトレ有効、右が無効。有効時はガラスに自分の姿が映し出される
左がレイトレ有効、右が無効。映り込みや影の表現もレイトレ有効にすると、よりリアルに

 さて、レイトレで“ゲームのグラフィックス表現がリアルになる”と聞くと、現実に存在する物、過去に存在した物がゲーム内でリアルに再現される、と考える方も多いのではないだろうか。確かに正しいのだが、それだけではない。現実には存在しないものを、現実の物理法則に沿って描くことで、フィクションの世界をリアルに描き出すことができるのもレイトレのメリットなのだ。そのためSF作品とは非常に相性がよい。

 「Deliver Us The Moon」においても、月面にあたる強烈な太陽光が作り出す陰影のインパクトは地球上の昼でも夜でもない異世界間を伝えるし、基地内の無機質な照明によって生み出される静寂感はプレイヤーの孤独を表現する。

 実際は表現すると言うより、ゲーム内世界に引き込まれる感覚。レイトレによるリアルさとはそういったレベルだ。プレイヤーはリアルな仮想世界を自由に歩き回ることで、自分が今、そこで生きていることを実感させられる。シナリオをテキストや一方通行の映像で追うだけでは絶対に得られない体験がそこにはある。

 Steamでの販売価格も2,570円と手頃で、Blu-rayで映画作品を楽しむ感覚で手を出せる。新世代のゲームをぜひ味わってみてほしい。

【レイトレ 有効/無効 画像比較】
レイトレ 有効
レイトレ 無効
レイトレ 有効
レイトレ 無効
レイトレ 有効
レイトレ 無効
レイトレ 有効
レイトレ 無効
レイトレ 有効
レイトレ 無効
レイトレ 有効
レイトレ 無効
レイトレ 有効
レイトレ 無効

レイトレに必須のGPUパワーを存分に発揮「GeForce RTX 2080 SUPER GAMING X TRIO」

 このように表現力が向上するレイトレを楽しむには、ビデオカードにGeForce RTX 20シリーズが必要だ(一部GTXシリーズも対応するが動作が遅く、快適なプレイは現実的ではない)。さらに、ゲームにはレイトレのクオリティ設定として、いくつかのプリセットを用意している場合がほとんど。そして、そのゲームが持つ最高の表現を楽しむには、かなりのGPUパワーが求められる。

 そこでオススメしたいのだが、MSIの「GeForce RTX 2080 SUPER GAMING X TRIO」だ。NVIDIAのハイエンドGPU「GeForce RTX 2080 SUPER」を備え、ブーストクロックは出荷時からオーバークロック済みで、定格の1,815MHzから1,845MHzにアップ。加えて、トリプルファン仕様で確かな冷却力と高い静音性を両立している。メモリはGDDR6が8GBだ。

MSIのGeForce RTX 2080 SUPER GAMING X TRIO。実売価格は100,000円前後

 このカードなら、Deliver Us The Moonだけでなく、多くのゲームを最高画質でも楽しめる。早速、その実力をチェックしてみたい。テスト環境は以下のとおりだ。

【検証環境】
CPUIntel Core i7-10700K(8コア16スレッド)
マザーボードMSI MPG Z490 GAMING CARBON WIFI(Intel Z490)
メモリMicron Crucial Ballistix RGB BL2K8G36C16U4BL(PC4-28800 DDR4 SDRAM 8GB×2)※PC4-23400で動作
SSDCorsair Force Series MP600 CSSD-F2000GBMP600[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB] ※PCI Express 3.0 x4で動作
CPUクーラーCorsair iCUE H115i RGB PRO XT(簡易水冷、28cmクラス)
電源Antec NeoECO Gold NE750G(750W、80PLUS Gold)
OSWindows 10 Pro 64bit版

 まずは、今回の主役「Deliver Us The Moon」。一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定している。画質、レイトレとも最高の“エピック”に設定した場合はさすがに動作が重い。GeForce RTX 2080 SUPER GAMING X TRIOでも平均60fpsを超えるのはフルHDでやっと。

 その一方で、Deliver Us The MoonはRTX 20シリーズに搭載されているTensorコアによってレンダリングの負荷を軽減するDLSS 2.0に対応。このDLSSをパフォーマンス設定にすれば、4K解像度でもプレイできる平均51.3fpsまで向上する。

Deliver Us The Moonのベンチマークテスト結果

 ただし、DLSSのパフォーマンス設定だと負荷は軽くなるが、細部が若干ボヤッとする部分も。フルHDで表現力を最大限活かすか、細部は少し甘くなるが高解像度でプレイするかは好みと言える。

左がDLSS無効、右がDLSSのパフォーマンス設定。右はよく見ると細部にボヤッとした箇所がある
3DMark

 次は定番の3Dベンチマークソフトの「3DMark」の結果だ。

 比較対象がないので分かりにくいが、DirectX 11ベースのFire Strike、DirectX 12ベースのTime Spy、レイトレ向けのPort Royalともに、GeForce RTX 2080 SUPERのビデオカードとしてトップクラスのスコアと言える。さすがオーバークロックモデルと言える。

3DMark v2.12.6949のベンチマークテスト結果
VALORANT

 5対5の戦いが熱い話題のFPS「VALORANT」を使って基本性能をチェック。射撃場の一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定。

 負荷が軽いゲームなので、4Kでも平均300fpsオーバー。フルHDでは驚異の平均500fps以上とどんな高リフレッシュレートの液晶でも、その性能をフルに活かせると言える。

VALORANTのベンチマークテスト結果
レインボーシックス シージ

 もう一つ人気のFPSとして「レインボーシックス シージ」の結果も見てみよう。こちらは内蔵ベンチマーク機能を使用した。

 こちらも、4Kでも平均169fpsと余裕でプレイできる。軽めのゲームなら4Kでも余裕と言えそうだ。

レインボーシックス シージのベンチマークテスト結果
モンスターハンターワールド:アイスボーン

 非レイトレ対応タイトルでの基本性能チェックを続ける。次は重量級のゲームも見てみよう。

 「モンスターハンターワールド:アイスボーン」は集会エリアを作成し、一定のコースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測。レイトレには対応しないが、DLSSはサポートしている。

 DLSSを有効にすれば、4Kでも平均60fps以上とプレイできるフレームレートに。このゲームのDLSSは細部がボヤッとはせずに、シャープで若干ザラッとした見た目になる。なお、フルHDはDLSSを使用できない。

モンスターハンターワールド:アイスボーンのベンチマークテスト結果
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー

 最後にレイトレとDLSS両対応の「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」をテスト。ゲーム内蔵のベンチマーク機能で測定。

 画質、レイトレースシャドウクオリティともに最高設定だとさすがに重い。DLSSを有効にしても4Kだと平均47fps。高画質で快適に遊ぶならWQHDまでと考えたほうがよいだろう。なお、この2本ともDLSSに関しては有効、無効だけで画質などの設定は用意されていない。

シャドウ オブ ザ トゥームレイダーのベンチマークテスト結果

 ハードウェアの面にも目を向けてみよう。映像出力はDisplayPort×3、HDMI×1、USB Type-C×1だ。補助電源は8ピン×2基と大きな電力を必要とし、推奨電源は650W以上となっている。

 カード長は328mmとかなり長く、厚みも3スロット分なのでPCケースが対応できるか確認しておいたほうがよいだろう。

映像出力。厚みは3スロット分あるのが分かる
補助電源は8ピン×2仕様

 冷却力にはそうとう力を入れているようで、3基あるファンは2種類のファンブレードを備え、静かで冷えることで定評のあるトルクスファン3.0を採用。GPUが60℃以下ではファンが停止する準ファンレス機能も備えている。

3連ファンを採用
空気の流れを加速させる分散型ファンブレードとヒートシンクへのエアフローを安定させる従来型のファンブレードを組み合わせている

 また、ファンの上下および天板部分にはRGB LEDを内蔵。この天板部分のLEDのおかげで、ビデオカードを一般的な横に挿した状態でも、PCケースの側面から光っているのがよく分かる。

 ライザーケーブルを使って縦置きにしなくても、ビデオカードが映えるのはうれしいところだ。

ファンの上下と天板部分にRGB LEDを内蔵する

 冷却力もチェックしてみたい。3DMarkのTime Spy実行時でブーストクロックは1,935~1,980MHzと高クロックで動作しながら、GPU温度は65~67℃と十分なほど低かった。これならば、高負荷な状態が続いても安心だろう。

 ちなみに、ブーストクロックが標準の1,845Hzよりもかなり高いのは、PowerLimit(電力量の制限)が114%と高めの数値に設定されているからだろう。

レイトレの映像美をぜひとも堪能してほしい注目のタイトル

 最後に、レイトレ対応ゲームの注目タイトルをいくつか紹介したい。

 まずは「Minecraft with RTX」だ。Minecraftがレイトレに対応したもので、Windows 10版のライセンスを持っていれば利用できる。現在はベータの段階だが、Minecraftの世界にリアルな光の表現が加わり、正式版の登場が楽しみだ。

 このほか、アクションゲームの「Control」、FPSの「バトルフィールドV」、「Bright Memory」のレイトレ有効、無効時の画面比較を掲載する。

【レイトレ対応タイトルでの効果比較】
Minecraft with RTX。左がレイトレ有効、右が無効
Control。左がレイトレ有効、右が無効
バトルフィールドV。左がレイトレ有効、右が無効
Bright Memory。左がレイトレ有効、右が無効

 GeForce RTX 2080 SUPER GAMING X TRIOがあればこれだけのグラフィックスでゲームが楽しめる。ぜひともレイトレの世界に触れてほしい。

 これから先はサイバーパンク 2077やウォッチドッグス レギオンなど、レイトレ対応予定のビックタイトルも控えているのだから。

[制作協力:MSI]