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入学祝いにもピッタリ!実は貴重な“小学生向け”の子供PC「スピカノート」
2020年11月11日 00:00
今年度(2020年度)から、小学校でプログラミング教育が全面的に必修化となった。これから小学生になる子供のいる家庭では、プログラミング教育の必修化などを背景に、PCに触れる機会を設けようと考えているはずだ。
しかし、いきなり本格的なPCを与えるというのは金額的にも教育的にもハードルが高い。そのため、いわゆる「子供用パソコン」として販売されているおもちゃを買おうという方も多いのではないだろうか。
今回はそんなニーズを満たす製品として、タカラトミーから登場した“スキルアップ★タブレットパソコン”「スピカノート (Spica Note)」を紹介したい。店頭価格は税込19,980円だ。
意外に少ない、「小学生向け」子供PC
スピカノートの対象年齢は6~9歳で、小学校1年~3年生前後を対象とした製品になっている。
実は、子供向けPCというジャンルでは、対象年齢が「3歳以上」という幼児向けの製品が数多く販売されている一方で、小学生を対象にした製品は少ない。対象年齢が6歳以上というスピカノートは珍しい製品だ。
幼稚園生と小学生では思考能力も大きく異なり、小学生に幼児向けの子供PCを与えてもおそらく興味を持ってもらえない。
価格面では、3歳向けの製品でも1.5万円前後が一般的な価格で、スピカノートの価格もそこから大きな差はない。
2in1 PCを再現した外観
まず外観は、着脱式の2in1モバイルPCを模したデザインで、ディスプレイとキーボードドックが分離する設計。ディスプレイは感圧式のタッチパネルを備え、キーボードドックを取り外してタブレットとして使える。
操作時には、筐体に収納できるタッチペンがあり、後述するお絵かき機能などで役立つほか、指先でのタッチよりも正確な操作が可能だ。
キーボードドックとの接続には5ピンのポゴピンが用いられており、ロック機構などは設けられていない。ヒンジ非搭載でスリットに差し込む方式のため、ディスプレイの角度調整などは行えないが、ヒンジに指を挟んでしまうといった危険がなく、子供に配慮した設計になっている。
筐体のデザインも、全体的に角を丸く、それなりに厚みも確保された保持しやすい設計で子供を意識したデザインと言える。
キーボードはアイソレーションタイプのメンブレンスイッチを採用。キーピッチは標準よりも狭めになっており、子供の手の大きさに合わせた仕様になっている。配列は日本語(JIS標準)配列をベースとした設計で、ファンクションやCapsLockなどのキーが省かれている。
スピーカーのほか、マイクも内蔵。ただし有線LANはもちろん、無線LAN機能も非搭載のため、インターネットへは繋がらない仕様。子供に使わせる機材として不測の危険を避けられるため安心だ。
写真30枚、動画(約30秒)を3本記録できる内蔵のストレージも備えるが、外部ストレージとしてmicroSDカードリーダも内蔵。別途microSDカードを用意すれば、より多くの写真や動画を記録できる。
イン/アウトを切り替えられるカメラ機能
内蔵カメラは、カメラアプリで静止画撮影のほか、動画の撮影が可能。インカメラ/アウトカメラの2つを備え、切り替えて撮影/録画ができる。
前述の通りmicroSDカードへの記録も可能なため、撮影したものPCなどへエクスポートすることも可能だ。
スマートフォンやデジタルカメラを子供に与えるのはハードルが高いという場合に、カメラ機能を主軸にスピカノートを与えるというのも面白い。
“初めて触れる”ことを意識した内蔵コンテンツ
カメラ以外のコンテンツとしては、「ゲームプログラミング」、ECC監修の「英語学習アプリ」、「東大松丸式ナゾトキアドベンチャー」、ゲーム、お絵かきなどのアプリを内蔵。
またMicrosoftが監修した「Word」、「Excel」、「PowerPoint」のOfficeスイート3製品それぞれの特徴を抜き出した、PCスキルを学習できるアプリ17種も体験できる。
プログラミング関連では、ビジュアルベースの「ゲームプログラミング」8種が体験可能。内容としては、避ける/キャッチ/シューティングの3つのゲームルールが設定され、自キャラクターや敵のイラスト、動きの速さ、スコア設定などをメニューからカスタマイズできる。
ゲームプログラミングで使える「イラスト作成」や、2枚のイラストを交互に表示する「アニメーション」機能も用意されている。
SCRATCHのように本格的なプログラミングへ繋がる高度な内容ではないが、初めて触れるものとしてのわかりやすさを重視した作りだ。
ECC監修の英語学習アプリは、英単語の発音確認や、発音で操作するゲームなどを内蔵。プログラミング教育のみならず、小学校入学後の学習を見据えた内容をカバーしている。
東大松丸式ナゾトキアドベンチャーでは、ゲーム形式の謎解きを通じて「切り替え/組み立て/頑張る/ひらめき/伝える」の5つの考える力を身につけられるというもの。
Microsoft監修の「パソコンスキル」アプリでは、キーボード入力の練習のほか、それぞれのアプリの特徴を学べるアプリになっており、例えば関数が使えるといったような本格的なものではないが、“業務時のPC使い”を意識した内容だ。より低学年向けの製品では見られないコンテンツと言えるだろう。
具体的には、Wordではテンプレートから作れる「グリーティングカード作成」、100件まで自由に文が書ける「日記」、タイピング練習が可能な「タイピングクレーンゲーム」を用意。
Excelではゲーム結果がグラフ表示になる「グラフゲーム」、オリジナルの時間割が作成できる「時間割」、100件保存できる「お小遣い帳」、PowerPointではテンプレートから作成できる「名刺/プロフィール」、写真も入力できる「観察日記」、テンプレートを選び6ページのスライドが作れる「マイプレゼンテーション」が用意されている。
幼少児向けの知育玩具からのステップアップに
紹介してきた通り、スピカノートはPCを模した製品ではあるが、“できること”は実際のPCとは異なる。
しかし、初めてキーボードインターフェイスを備えたデバイスに触れる子供のために、単純なゲームからそれなりに手こずる内容まで、ハードルの高さを複数設けるように練られているのがわかる。
小学校入学前~低学年の子供に与える製品として、よく考えられている製品と言えるだろう。