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「触覚フィードバック」で低音強化のヘッドセット「CORSAIR HS60 HAPTIC」を試してみた
豊かな重低音で臨場感を楽しめるUSB接続の有線ゲーミングモデル text by 白倉甲一
2020年12月21日 00:00
ゲーミングヘッドセットと言えば性質上低音が強めの物が多く、近年では一部の製品に「触覚フィードバック」と呼ばれる低音域に合わせてハウジング内で振動し、低音をよりいっそう強化する為の機構が組み込まれたものも現れている。
FPS・TPSなどは音から状況を判断しなければならない事も多く、低音以外の音も重要なのだが、低音が弱すぎると壁越しの足音などが判別しづらくなったりするので、低音域が聞き取りやすいかどうかは勝敗に直接影響する。性能という面ではこだわるべきポイントだ。
そんなゲームの勝敗に影響する低音域が強化ができる「触覚フィードバック機能」を備えた有線接続のUSBゲーミングヘッドセットがCORSAIRから登場した。モデルは「HS60 HAPTIC」で、店頭価格は税込16,390円。早速性能を試してみよう。
快適な装着感と派手すぎず地味すぎないデザインのゲーミングヘッドセット
HS60 HAPTICは、楕円形のハウジングに迷彩柄、ヘッドバンド部分にも網目状のパターンが施されており、デザイン面でアクセントが付けられた外観になっている。形状などはオーソドックスなタイプながらも、全体が地味になりすぎないように配慮されたデザインだ。
ヘッドホン部の性能は50mmの大型ネオジウムドライバを搭載し、周波数特性は20~20kHz、感度111dB (+/-3dB)、インピーダンス32Ω。接続方式はUSB有線接続でケーブル長は約1.8m。
触覚フィードバックの機構が内蔵されている分、重量は約420gと有線接続のヘッドセットとしてはやや重たい部類だが、イヤーパッドやクッション部には低反発素材が使われており装着感にそれほど圧迫感は感じなかった。
また、ヘッドバンド部分や各所にアルミニウム製の金属パーツが使用されており耐久性もばっちりだ。
マイクは単一指向性で着脱可能。周波数特性100~10kHz、感度-40dB (+/-3dB)に加えノイズキャンセリング機能にも対応。無言時のメカニカルキーボードの打鍵音などを気にせずボイスチャットを楽しむことができる。
付属のウインドスクリーンは、試した限りでは音質に大きな影響は出なかったので、マイクに吹きかかる息が気になる人は積極的に利用できる。
低音域をより豊かに、迫力のあるサウンドを体感出来る触覚フィードバック
ゲーミングヘッドセットにおける「触覚フィードバック」とは、ハウジング内に搭載されたタクタイルフィードバックが低音域に合わせて振動する事で皮膚感覚に作用し、低音をより迫力のある物にする機能の事だ。
振動と言ってもコントローラーに搭載された振動機構のように、ダメージ描写などの表現で振動が伝わるような直接的なものではなく、重低音での空気の揺れを再現したようなもので役割としてはサブウーファーに近いものである。
今回のHS60 HAPTICにはTaction Technology社の触覚フィードバック機構が搭載されており「20~80Hz」の低音域が特に強化されている。
爆発音や破砕音が聞き取りやすい!エーペックスレジェンズの臨場感もアップ
触覚フィードバックを強めに設定して「エーペックスレジェンズ」で数戦試してみたところ、特に爆発音や破砕音などでの効果がわかりやすく、例えばアドベンチャーゲームのムービーシーンなどにはもってこいの機能だ。臨場感が増すと言う意味ではゲームのみならず映画鑑賞などでも活躍が期待できる。
映像を楽しむという点では触覚フィードバックの効果を最大にして使いたいところだが、音を聞き分けて状況を判断しなければならないゲーム中では、出力を強くしすぎると爆発音に他の音がかき消されてしまい、他の音が判別しづらくなってしまう状況もあるだろう。
HS60 HAPTICは、イヤーカップについているダイヤルを回すだけで触覚フィードバックの強弱を簡単に変更する事ができるので、ゲームプレイ時の状況に合わせて音が聞き取りやすい状態に調節しよう。
音質の細かい調整はユーティリティ「iCUE」から調整可能
HS60 HAPTICは、音量や触覚フィードバックの調整、マイクのミュートなど、メインの機能はハードウェア側のダイヤルやボタンで調節可能だ。こうしたタイプのモデルは操作がわかりやすく、初心者にもおすすめしやすい。さらに細かく音質を調整したいといった場合は、CORSAIRの統合ユーティリティ「iCUE」を使用して好みの設定を作り込むことができる。
「iCUE」からは、イコライザの設定、マイク音量、トークバック機能、音声案内のオンオフなどをこだわりに合わせて変更する事ができる。サイドトーンをオンにすることでリアルタイムに自分の声を確認できるのもマイク設定を調整する上でなかなか便利な機能だ。
また、HS60 HAPTICにはドライバ側で用意されたサラウンド機能はないが、Windows10標準機能の立体音響をサポートしているので、必要に応じてサウンドの設定内から立体音響の項目をオンにしよう。
臨場感満点の重低音を楽しめるゲーミングヘッドセット
HS60 HAPTICは売りである重低音の豊かさを存分に発揮したゲーミングヘッドセットだ。
低音寄りに特性が尖っている分、音の感じ方に個人差が出るところではあるが、ゲームの臨場感を楽しみたいのであればこのモデル選んでおけば間違いなく迫力あるサウンドを体験できる。
「触覚フィードバック」という一風変わった機能が備わっていることに目が行きがちだが、シンプルなデザインに抑えつつもハードウェア側に調節機能などを盛り込み、煩雑になりがちなソフトウェア設定を最小限に抑えられるように配慮されている点を見ると、しっかりと練り込まれたヘッドセットだというのが感じられるのではないだろうか。
[制作協力:CORSAIR]