特集、その他

仕事も趣味も、タッチ対応モバイルモニターの「On-Lap」があればこんなに変わる!

GeChic「On-Lap M505T」を在宅勤務に遊びに使い倒す text by 日沼諭史

GeChicのタッチ対応モバイルモニター「On-Lap M505T」。

 自宅がオフィスとなり、取材で出かけることも少なくなって、なかばヤケのように自宅の仕事環境の充実を図ってきた筆者。ところが、機材を買い足しても買い足しても、何か物足りなさを感じるというか、ズバリこれだ!というジャストミートな快適さにはどうしても至らない。

 それを満たすパズルのピースが何なのか考えたとき、本当に欲しかったのはモバイルモニターではないか、という結論に行き着いた。モバイルモニターはモバイルモニターでも、タッチパネルのヤツだ。

 PCのサブモニターに、あるいはゲーム用にと、モバイルモニターをすでに駆使しまくっている人もいると思う。それがタッチ対応になることで仕事も、プライベートの趣味も、それ以外のあらゆる用途でも、飛躍的に利便性が増すのではないだろうか。そんな予感のもと、GeChicのタッチ対応のモバイルモニター「On-Lap M505T」を試してみることにしたのだ。

タッチ操作対応で台座も内蔵、デイジーチェーン接続もできるOn-Lap M505T世代の新しいノートPCとはUSB Type-Cケーブル1本で接続OK

タッチパネルではないスタンダードな「On-Lap M505E」もラインナップされている。こちらは以前のレビューで紹介したモデルだ。

 今回紹介するM505Tは、以前本誌のレビューで紹介した「M505E」のタッチパネル搭載バージョンだ。

 タッチパネル以外、基本的な機能・性能はM505Eとほぼ同様で、液晶ディスプレイはフルHD(1,920×1,080ドット)解像度の15.6インチ。複数台のM505E/M505Tをデイジーチェーン方式で連結して同じ内容を表示できる「HDMIループ」というユニークな機能をもっている。

E505シリーズはデイジーチェーン接続できるユニークなHDMIループ機能をもつ。M505E(標準モデル)とM505T(タッチ対応モデル)を混ぜて連結も可能。
HDMIループで2台連結している場合のケーブル接続例。

 インターフェース部は台座になっていて、別途スタンドの取り付けをすることなく単体で自立する。無段階の好きな角度でディスプレイの傾きを決めることが可能で、姿勢や体格に合わせて調整しやすい構造になっている。

 ケーブル接続がすべて背面側になる点も特徴だ。たとえば従来のモバイルモニターの多くは左右側面にケーブルを差し込む形で、それだと設置する際、左右のスペースを余計に確保しなければならなかった。M505E/M505Tだと、左右に余裕のない場所でもすっきり設置できるのだ。

モニター背面側に折れる台座がスタンドになる
右側面に電源、ボリューム、OSD操作用のボタン類
インターフェースはすべて背面側にまとめられ、ケーブル類が左右に飛び出したりしない
ノートPCのThunderbolt 3ポートなどと接続した場合は、ケーブル1本で画面出力、タッチ操作が可能に

 さらにはDisplayPort Alt Mode対応のノートPCなどと組み合わせることで、USB Type-Cのケーブル1本で画面出力できる手軽さもある。インターフェース部が背面にあることもあわせて、モバイルモニター本来のコンパクトさを十二分に活かせる設計になっているのが他にはないメリットだ。

On-Lap M505T
画面サイズ15.6インチ(16:9)
解像度1,920×1,080ドット
輝度250cd/㎡
コントラスト比700:1
視野角水平170° 垂直170°
応答速度15ms
映像入力端子HDMI/USB Type-C(DP Alt Mode)
音声出力機能ヘッドフォンジャック(3.5mm) スピーカー(1.5W×2)
電源入力端子USB Type-C(最大輝度時5V/2A入力が必要)

仕事場で活躍するタッチ対応のサブモニターセカンドPC用モニターに使ってもタッチ操作は作業性アップ

 そんなM505Tを、まずは仕事場に置いてみた。定番の使い方としては、やはりPCのサブモニターとして使うというもの。ノートPCとセットで使うのもいいし、デスクトップPCで補助的に情報表示する用途に使うのもアリだろう。

手の届きやすい少し手前に置いて、操作しやすく。15.6インチは近くにあっても邪魔にならないサイズだ
縦スクロールするWebやチャット、縦長の書類などを効率良く閲覧できるように縦置きにして使うのもOK

 しかし、タッチパネルであることから、そうではないモバイルモニターとは使いこなし方がちょっと変わってくる。たとえば、タッチ操作ができるため、普通のモバイルモニターより少し手前の、いつでも手が届くところにM505Tを置いておきたくなる。

手前に見えるセカンドPC用のモニターにしてみた。狭いデスクだが、キーボードもマウスも不要なので、スペース的に余裕をもって扱える

 主な利用シーンとしては、業務に必要な情報や資料をM505Tに表示しておいて、必要に応じて画面タッチで素早くスクロールやページ送りしながら参照する、といった活用方法が考えられるだろう。

 非タッチパネルだとマウスカーソルをメインモニターから移動させる必要があるが、M505Tは直接タッチすればいいのでその手順が一切不要となる。ディスプレイのワイド化でマウスカーソルの「移動距離」が長くなる傾向にあるが、タッチパネルにすればそんなことは関係なくなるのだ。

 セカンドPCで、あえてマウスやキーボードを接続せず、M505Tだけ接続して使うのも便利だ。筆者の仕事場の狭いデスクスペースだと大型のディスプレイは何台も置けないし、セカンドPC用にマウス、キーボードをもう1セット用意するのもできるだけ避けたい。でも省スペースのM505Tであれば余裕で置いておける。画面タッチで操作すればいいのでマウス・キーボードが不要で、デスクの狭さをものともせず、さらに業務効率を上げられる。

タッチ対応モニターなら超省スペースデスクトップPC環境も構築OK液晶アームとIntel NUCの組み合わせで超コンパクトに

 M505Tは、別売りオプションの「M505 VESA 100アルミ合金ブラケット」と一緒に使うことで、VESA準拠のモニターアームに固定することができる。モニターアームを使うと、前後左右位置や高さ、傾き、回転などをフレキシブルに調節でき、タッチ操作に最適なポジションを常にキープできるのがメリットだ。

オプションの「M505 VESA 100アルミ合金ブラケット」。
M505Tに装着したところ。これでVESAに対応したアームやスタンドなどに固定可能になる。

 しかし、ここではそこからもう一歩進んだ、コンパクトなPCと組み合わせた超省スペースデスクトップ環境を提案したい。モニターアームにM505Tを固定したうえで、そこにさらにVESAにマウントできる超小型PC「Intel NUC」も装着するというスタイルだ。

 これには、先ほどのアルミ合金ブラケットに加えて、NUC付属のVESAマウント、さらにモニターアームにNUCを固定するためのマウントを用意する。

小型PCのIntel NUCと付属のVESAマウント。
モニターアームにNUCを固定するための汎用マウント。こうした市販のマウンタを使うことで、液晶と合わせてVESAマウント対応機器に固定することができる。
モニターアームにM505TとNUCを固定した。

 Thunderbolt 3を搭載するNUCは、DisplayPort Alt Modeにも対応しているため、NUCとM505Tの間はケーブル1本のみ。あと必要なのはNUCの電源ケーブルだけなので、最小限の配線で、PCの存在を気付かせないような省スペースデスクトップ環境のできあがりだ。

 タッチパネルなので、当然ながら、キーボードとマウスなしの状態で完全にPCとして成立している。できるだけ省スペースでPCを設置したいフリーアドレス化したオフィスや自宅の書斎などにぴったりではないだろうか。

背面側。なんというスッキリ感!最小の部材で構築可能なのはメリットしかない。
M505TとNUCはType-Cケーブル1本のみで接続。驚異的な省スペースを実現できた。

 モニターアームではなく、VESAマウントと同様の固定方法のモニタースタンドであれば、セットで持ち運ぶのも簡単かもしれない!そう思って試してみたところ、どうやらM505Tが軽すぎて、一般的なモニタースタンドだと高さ調整がうまく働かず、常時最大の高さで保持されることに……。ちょっと夢を見てこれは欲張りすぎたか……といったところだが、軽量なモニターでも問題が無いスタンドがあれば、こうした使い方もできるだろう。

他製品のモニタースタンドにセットしてみたが、モニター側の重量不足で首が長い状態で保持されることになってしまった。持ち運べるオールインワンデスクトップ環境を目指してみたのだが……モバイルディスプレイでも使えるスタンドがあれば、移動も手軽なデスクトップPC環境を構築できるはず。

オンライン会議や取材時にもタッチ操作のモバイルモニターは便利ツール類の表示専用に使って便利なダッシュボードに

 仕事場でのもう1つの活用例が、オンライン会議やオンライン取材のシチュエーション。たとえば筆者の場合、仕事柄オンライン取材が多く、その際にサブディスプレイとして使えるモバイルモニターがあると大変都合がいい。そこにいろいろなツールを配置して、いつでも操作したり確認したりできるようにしておきたいのだ。

これまでの筆者のオンライン取材スタイルのイメージ。メインのワイドディスプレイにすべてのツールを表示するため、作業性が低く、取材にも集中しにくい。
スクリーンキャプチャーに使っているライブ配信ソフト「OBS Studio」(左上)、仮想音声デバイスで音声分配などが可能になる「VoiceMeeter Banana」(左下)、文字起こしツールの「Rimo Voice」(中央)。これらだけでも画面をかなり占有してしまう。

 なぜかというと、「オンライン取材の内容を絶対にミスなく録画しておきたい」から。取材では相手の話を後で聞き直して原稿に起こすパターンが多く、そのためにもZoomなどで映し出している様子は録画しておきたい。オンライン会議ツール標準の録画機能もあるけれど、会議のホストユーザーしか使えないことが多く、万一のことも考えると手元での録画は必須。なので、スクリーンキャプチャーするためのツール「OBS Studio」を動作させ、録画状況を逐一チェックしている。

 ただ、スクリーンキャプチャーが失敗する可能性もゼロではないので、最も重要な音声をICレコーダーでも録音する。Bluetoothヘッドフォンで相手の声をしっかり聞き取りながら、同時に外部のICレコーダーに音声出力するため、仮想音声デバイスを通じて音声分配などができるソフト「VoiceMeeter Banana」を利用している。音声出力の状況を表示できるので、きちんと入出力できているか常に監視していれば安心だ。

 さらに、インタビューのような後で文字起こしが必要になるケースでは、できるだけ取材中に音声認識もしてしまって、文字起こしの処理を走らせてしまいたい。文字起こしには「Rimo Voice」というWebサービスを利用しているが、これもVoiceMeeter Bananaを通じて音声入力し、その状況をやっぱり画面で確認できるといい。

 ただ、これら3つのツールをメインディスプレイに表示してしまうと、肝心のオンライン会議ツールが小さくなってしまう。取材中にその場でWeb検索したくなることもあるので、操作の邪魔だ。ということもあり、ツール類のウィンドウはすべてサブのM505Tの方に表示させてダッシュボード的に使おう、というわけ。

実際にM505Tに3つのツールを配置してみた。音声入出力を常に監視でき、メインディスプレイの方は余裕ができるので集中しやすい。

 こうすれば気が散ることなくメインディスプレイで取材できるし、ちょっと視線をずらせば各ツールの状況を即座に確認できる。必要があれば手を伸ばすだけで音量調整などの操作も可能だ。この方法は、しっかり記録しておいて後で振り返りたいオンライン会議でも使えるM505Tの活用術にもなるはずだ。

マニアックな趣味にもタッチパネルのモバイルモニターは大活躍!室内サイクリングのような激しい運動の相棒に

 2020年に在宅勤務中心になって以来、およそ1年間絶えることなく続けてきた筆者の健康習慣が、室内サイクリングだ。自転車にセットしたスマートサイクルトレーナーに連動して動く「Zwift」というバーチャルサイクリングソフトで、オンラインゲーム感覚でフィットネスを実践できる。仮想空間を世界中のプレーヤーたちと一緒に走って、ワークアウトをこなしたり、レースで競ったりすることも可能だ。

バーチャルサイクリングソフト「Zwift」。
PC画面を見ながら仮想世界をサイクリング。ちなみに、ガチで自分を追い込めるほどトレーニングできる。

 おかげで一時は80kg近くにまで達していた体重が、最大で10kg以上減量でき、現在も体調的に無理のない72kgあたりで推移している。ちなみに、ダイエットのコツは毎回吐く直前までペダルを回すことである。楽をしてやせることはできないのだ(あくまでも筆者個人の感想です)。

アイテムを使用するときなどにキーボードやマウスを使う。
キーボードやマウスを近くに置いてみたりもしたが、汗が飛び散るのが心配。当然、自転車に乗りながらの操作も楽ではない。

 それはさておき、このZwiftをPCでプレーするにあたっては、自転車の前にディスプレイと、マウス、できればキーボードも置いておきたい。ライド中にキーボードのショートカットキーで操作する場面があるし、終了したいときにもマウス操作が必要になるからだ。たとえばZwift内で大勢が一緒に走るレースに参加したとき、ライバルに勝つために必要なアイテムはキーボード・マウス操作で使うことになる。一時的に空気抵抗が減るとか、体重が減るとかして、スピードアップできるのだ。

 アイテムの効果はわずかだが、みんなギリギリの体力勝負をしているので、効果はわずかでも使うタイミング1つ間違っただけで致命的な結果になりかねない。全力で自転車をこぎながら、使いどころを見極めて、ここぞという場面ですかさずキーを押す(クリックする)のである。だからこそ、操作しやすい場所にキーボード・マウスがあるどうかは重要なのだ。

 ところが、自転車に乗った状態で操作しやすい場所にキーボードやマウスを置けるとは限らない。置けるとしても、あまりに近すぎると激しい運動で飛び散った汗のせいで故障してしまう可能性が高い。では、どうすれば良いのか。そこで活躍するのがM505Tなのである。

タッチパネル操作のディスプレイにすれば、自転車に乗りながらでも前方に手を伸ばすだけで画面操作できるのがいい。専用筐体を使っているかのような便利さがある。自転車以外のシミュレータにも活用できるはずだ。

 M505Tは、背面側にインターフェース類があり、ケーブルも背面側に伸ばすため、こうした用途でも汗が侵入することはほぼない。また、表面はタッチ操作対応パネルなのでしっかり保護されており、汗が画面にちょっとかかっちゃうかもしれないという程度では問題にならない。M505Tなら手を伸ばせばすぐにタッチ操作できる位置に配置可能で、Zwiftのアイテムも狙ったタイミングで使える。

インターフェースは背面で、端子やケーブルに汗がかかることはない。
そこそこ濡れた手でもしっかり正しく反応してくれるM505Tのタッチパネル。もちろん水没などさせてはだめだが、表面の耐水性は良いようだ。

 ライド後は疲労で震える汗だくの手になっているので、清掃も簡単ではないキーボードやマウスにはできれば触れたくないし、そもそもまともに操作できないこともある。だが、M505Tにタッチするのなら簡単だ。そこそこ濡れた状態の手でもタッチ操作できるというM505Tの仕様も、画面が汚れた際も簡単に清掃できるといった点も、まさしくZwift向きではないだろうか。

ゲームで使っても快適なモバイルモニター、タッチ操作は電子書籍にもピッタリ

 仕事から離れたプライベートの時間には、モバイルモニターをゲーム用のディスプレイにするのもいい。フルHD、15.6インチというサイズは、気軽にゲームするのにはちょうどいい解像度とコンパクトさ。

Nintendo Switchとの組み合わせでは、本体画面より大きなモニターで快適にプレーできる
仕事デスクでちょっと息抜き。気軽に短時間遊ぶには画面のサイズ感も良い感じだ。

 仕事のデスク上でもプレーできるし、寝室でこっそり遊ぶこともできる。Nintendo Switchと一緒に持ち運ぶのも苦労しないうえに、ゲーム機本体のディスプレイよりはるかに見やすい画面なので快適だ。もちろん、PS4など据え置きの家庭用ゲーム機で使ってもいいだろう。

 ステレオスピーカーを内蔵し、ゲームサウンドをしっかり聞けるのもM505Tのいいところ。音を出すのがはばかられる環境なら、イヤフォン端子にヘッドフォンを接続すればいい。モバイルモニターながら、サウンド面の機能が充実しているのもM505Tの利点だ。

ステレオスピーカーを内蔵。
ヘッドフォンを接続してサウンドを聞くこともできる。

 そして、M505Tは電子書籍の閲覧にも最適。PC上での閲覧に限られるけれど、画面のタッチやスワイプでページめくりでき、タブレットのような感覚で読み進めることができる。15.6インチはコミックや小説などを見開きで表示しても十分に視認性は高く、角度調整も自在なので疲労感も少ない。

電子書籍はタブレットのようにタッチでページめくりしながら閲覧可。サイズ感もちょうど良くかなり便利だ。

新卒でいきなりテレワークな人にも、1日のルーチンをもっと楽しくしたい人にもモバイルモニターでもっと生活を快適に

 画面表示のみのモバイルモニターでも、もちろん利便性は高い。しかしそれがタッチ対応になると、仕事における快適性がもう一段アップし、オンライン会議・取材をミスなくこなして、フィットネスやプライベートの楽しみも増える。M505Tを導入したことで、筆者の1日のルーチンすべてがアップデートされてしまったようだ。

 すでに在宅勤務が当たり前になっている人は、ぜひM505Tで仕事・プライベート環境をもっと面白くしてほしい。そしてこの4月、新卒入社でいきなりテレワーク、という人もいるかもしれないが、そんな新生活を迎える人にも、あらゆる場面で自分の使い方に合わせて活躍してくれるM505Tは強くおすすめしたいところだ。

[制作協力:GeChic]

[Amazonで購入]