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モンハンにフォトナも快適、Nintendo Switchにはランダムアクセスも高速なmicroSDカードを

あつもりやペルソナも加え5タイトルで検証!「Samsung microSD EVO Plus」はやっぱり速い text by 佐藤岳大

 Nintendo Switchでは、ゲームインストール先として高速なmicroSDカードを利用することで、ゲームが快適に遊べることをApex Legendsを使ったテストでお伝えしたが、他のゲームでも使用するmicroSDカードは高速な方が良いのか、5タイトルで追加のテストしてみた。

 また、シーケンシャルリードは高速だが、シーケンシャルライトの速度とランダムアクセスの速度が全般的に遅いmicroSDも今回はテストに加え、ランダムアクセス性能がゲームに影響するのかもテストしてみたい。

My Nintendo Storeで“お墨付き”の「Samsung microSD EVO Plus」256GB・リード100MB/sの高速microSDXCカードを用意

Samsung microSD EVO Plus 256GBのパッケージ

 今回、高速なmicroSDカードの一例として使用するのは、前回と同じく「Samsung microSD EVO Plus」。

 UHS-I規格に対応した高速microSDXCカードだ。128GB以上のモデルはUHS-I Speed Class 3(U3)に対応しており、公称速度はシーケンシャルリード最大100MB/s、同ライト最大90MB/s(256GBモデル以上)となっている。

 My Nintendo Storeでも購入できるモデルで、同ストアでも「Nintendo Switchをより快適に遊んでいただける、読み込み速度(転送速度)が高速なmicroSDカード」と表記された“任天堂お墨付き”とも言える製品だ。

Samsung microSD EVO Plus 256GB
Crystal Disk Markの測定結果。

 今回用意したのは256GBモデルで、Crystal Disk Mark 8.0.1を使って速度を測定したところ、シーケンシャルリード/ライトともにほぼ公称値に近い速度が確認できた。ランダムリードもQ1で14MB/sを超える速度を記録している

 容量は32GBから用意されているが、Nintendo Switch向けに用意するのであれば、大型タイトルを複数インストールしても余裕があり、速度も高速な256GBまたは512GBのモデルがおすすめだ。256GBの場合、製品保証がある国内正規品であれば、安値店で4,500円前後から購入できる。

Samsung microSD EVO Plus
容量32GB64GB128GB256GB512GB
規格microSDHCmicroSDXC
スピードクラス/UHSクラスClass10 / UHS-I Class1 (U1)Class10 / UHS-I Class3 (U3)
リード95MB/s100MB/s
ライト20MB/s20MB/s60MB/s90MB/s
保証(国内正規品のみ)10年限定保証(ドライブレコーダーや監視カメラでの使用は保証外)

ランダムアクセス性能はゲーム影響するのかスピードクラス4で32GBの古いmicroSDHCカードを用意

ノーブランド品のスピードクラス4対応microSDカード
Crystal Disk Markの測定結果。

 今回の検証では、比較対象としてノーブランド品のmicroSDHCカードを用意した。

 こちらはスピードクラス4に準拠したカードで、規格上の最低保証書き込み速度は4MB/sとなっている。Crystal Disk Markでの測定結果をSamsung microSD EVO Plusと比べてみると、書き込み速度では圧倒的な速度差があるものの、シーケンシャルリードはほぼ同水準、ランダムリードは約3分の1程度。Samsung microSD EVO Plusと比較してランダムアクセス性能の影響を見るにはちょうど良い速度だ。

 任天堂では、Nintendo Switchをより快適に遊べるmicroSDカードとして、「UHS-I対応で読み込み速度が60~95MB/sのモデルを推奨」している。今回のカードは、シーケンシャルリード速度は推奨以上となるが、UHS-Iは非対応なので推奨からは外れる仕様になる。これが実際のゲームでどのような結果をもたらすのかは興味深い。

ジャンルの異なる5タイトルでロード時間を検証!

内蔵eMMCとmicroSDカード2枚で比較

 ここからは実ゲームを使ってロード時間を比較していく。用意したゲームは『モンスターハンターライズ』、『フォートナイト』、『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』、『あつまれ どうぶつの森』、『ダービースタリオン』の5タイトルだ。

 すべてダウンロード版で、インストール先を内蔵eMMCとmicroSDに指定して検証している。なお、テストは複数回計測を行い、平均値を記載している。

『モンスターハンターライズ』
『フォートナイト』
『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』
『あつまれ どうぶつの森』
『ダービースタリオン』

ハンティングアクション『モンスターハンターライズ』で計測シーケンシャルだけでなくランダムも性能を要求する傾向、なるべく高速なmicroSDを

 まずは人気のハンティングアクションゲーム『モンスターハンターライズ』だ。

 モンスターハンターライズでは、クエストを受注して出発してから、フィールドに到着するまでのロード時間を計測した。

『モンスターハンターライズ』
クエストを受注しフィールドに到着するまでのロード時間を計測した。

 下の図がSwitch内蔵eMMC、Samsung microSD EVO Plus、ノーブランドmicroSDを比較したものだ。結果はご覧の通りで、転送速度に応じた順に高速という結果となった。それぞれ3~4秒ほどの差がついている。

 シーケンシャルリードでは差が小さいSamsung microSD EVO PlusとノーブランドmicroSDで有意な時間差があることから、ランダムリードの性能も実ゲームのロード時間に影響するようだ。結果の傾向から見ると、ストレージ性能が良ければよいほど素直に数値に現れるタイプのゲームと言えるだろう。

『モンスターハンターライズ』クエストロード時間比較

バトルロイヤルゲーム『フォートナイト』で検証Samsung microSD EVO Plusが内蔵eMMCよりも高速!?

 続いて、基本無料の人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト』での検証だ。

 こちらはソロでマッチに参加して、ロード画面に移ってから待機島に移動するまでの時間を計測した。

『フォートナイト』
待機島に移動するまでのロード時間を計測した。

 結果は下図の通りで、Samsung microSD EVO Plusが内蔵eMMCよりも短い時間でロードを完了するという意外な結果となった。

 これについては、他のプレイヤーとマッチングするというフォートナイトの仕様上、ストレージの速度以外の要素で時間が前後する可能性はもちろんあるのだが、内蔵eMMCよりもSamsung microSD EVO Plusが高速となるケースが複数回発生してるので、Samsung microSD EVO Plusとゲームのデータロードの方式と性能特性の相性が良いなど、何かしらの理由があるのかもしれない。

『フォートナイト』ロード時間比較

アクションRPG『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』で検証こちらも内蔵eMMC>Samsung microSD EVO Plus>ノーブランドmicroSD綺麗な順に

 3本目のタイトルはアクションRPG『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』を用意した。

 こちらではセーブデータを選択して、ロードが完了するまでの時間を計測した。

『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』
セーブデータ選択後、ロードが完了するまでを計測。

 結果は下図の通りで、モンスターハンターライズと同様、転送速度に応じた順に高速という結果となった。それぞれ2秒ほどの差がついている。

『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』ロード時間比較

コミュニケーションゲーム『あつまれ どうぶつの森』で検証microSDカード間の速度差は小さめに、ランダムアクセス性能の影響を受けにくい?

 4本目の検証タイトルは『あつまれ どうぶつの森』だ。

 こちらはタイトル画面からロードが完了するまでの時間を計測した。

『あつまれ どうぶつの森』
タイトル画面からロードが完了するまでを計測。

 結果は下図の通りで、ロード速度の順序はこれまで通りであったものの、microSDカード同士の速度は小さいという結果になった。

 テントを建てただけの初期データで検証したため、ロードするデータが小さかったというのも速度差の理由として考えられるが、他タイトルに比べるとランダムリードよりもシーケンシャルリードの影響が大きい可能性もある。

『あつまれ どうぶつの森』ロード時間比較

競走馬育成シミュレーション『ダービースタリオン』で検証転送速度に応じた順に高速だが差は小さめ

 最後のタイトルは競走馬育成シミュレーション『ダービースタリオン』だ。

 こちらではセーブデータを選択して、ロードが完了するまでの時間を計測した。

『ダービースタリオン』
セーブデータを選択してロードが完了するまでを計測。

 結果は下図の通りで、ロード時間の差そのものは大きくないが、転送速度に応じた順に高速という結果となった。

『ダービースタリオン』クエストロード時間比較

microSD - 内蔵eMMC間のゲームデータ移動時間を計測高速カードと低速カードで大きな差が出る場合も

 高速microSDも遜色ないとは言え、少しでも高速な環境でゲームを遊びたいと思えば、内蔵eMMCへゲームを移すというのが最善策になる。また、本体eMMCの容量が足りなくなった際に、たまに遊ぶゲームをmicroSDカードへ移すこともあるだろう。

 ということで、追加の検証として、モンスターハンターライズ(約8GB)のデータを内蔵eMMC - microSDカード間で転送した際の時間を計測してみた。

 今回用意したSamsung microSD EVO Plusとノーブランド品のmicroSDカードは書き込みの速度が大きく違うので、まずはSwitch本体のeMMCからmicroSDカードへの転送時間を見てみよう。結果は以下の通りで、Samsung microSD EVO Plusはノーブランド品に比べて3倍近く高速に移動が完了した。

『モンスターハンターライズ』転送時間比較

 続いてmicroSDカードから本体のeMMCへデータを転送した際の時間だ。こちらは大きな差が出ない結果となった。microSDカードから本体eMMCへのゲームデータ転送に関しては、ランダムアクセスの速度はあまり影響せず、シーケンシャルアクセスの速度が重要になるようだ。

 Switch内蔵のeMMCからmicroSDカードへゲームデータを転送する際などは、microSDカード側の書込み速度が快適性に直結する部分がある。ゲームプレイだけでなく、こうした部分でもmicroSDカードの性能が利便性に影響してくるので、Switch用に快適なmicroSDカードを選びたいのであれば、読み込みも書込みも高速なモデルを選びたい。

ランダムリードも高速なSamsung microSD EVO PlusはSwich用カードとしてオススメ

 全般的な速度としては、前回の検証に続いて内蔵eMMCが最も高速という結果となったが、microSDカード同士の比較で見ると、ランダムリードの高速なカードがより短いロード時間を実現している傾向となった。自力で探すのは難しいが、なるべくランダムリードの性能が高いmicroSDカードを選んだ方が快適にゲームを遊ぶことができるだろう。

 その点、Samsung microSD EVO Plusは任天堂が公式ストアで取り扱われているだけあって、パッケージからは判別できないランダムリードの性能も高く、快適にゲームプレイしたい人が安心して選べる製品の一つと言える。

 容量の面で見ると、小さめのタイトル程度を数本遊ぶだけならば容量は32GBでも十分だが、ゲームによっては1本で20GB程度消費する。Nintendo Switchは頻繁にmicroSDカード差し替えることを前提としていない仕様なので、長く使うのであれば256GB以上を選択しておくと良いだろう。

 Nintendo Switch向けのmicroSDカードを選ぶ際には、今回のテスト結果を参考に選んでもらえれば幸いだ。

[制作協力:Samsung]